かめぽん

チューもく!! 慌ただしく暮れ行く年の瀬、今年もお世話になりました

季節のイベントも心置きなく行えないまま、ただ、暑かったり、寒かったりの体感の記憶だけが残る2020年。
本来なら世紀のイベント、東京オリンピックで高揚した気分を味わいつつ迎える年の瀬だったのに。
街に漂う、見えない緊張感。
忘年会も、新年会も、クリスマスも、お正月も、まったく盛り上がらないまま日々が過ぎてゆく。
手を洗って、マスクをして、なるべく家から出ないで、でも働きに行かねばならず、気持ちが落ち着くのは楽しい作品を観ている時か、ゲームしている時か、猫と遊んでいる時。
友達に会うのもままならず、気がつけば師走。
ああ、2020年が暮れていく。

せめて、師走の風物詩、忠臣蔵くらい目一杯楽しもう。
忠臣蔵、大好きだから。
好きな作品を観ている時、一瞬でも緊張が解けていくのが嬉しい。
集中して作品に没頭する。
今こそ、それが必要なのかも。

さて、師走の東映チャンネルも、家族みんなで楽しめる作品がたくさん。
「スーパーヒーローCLIMAX」でライダーを一気に楽しむもよし。
「一挙放送! トラック野郎 後編」でスカッとした気分を味わうもよし。
もちろん、定番の忠臣蔵も放映。
「忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻」で内匠頭を演じた錦ちゃんが「赤穂城断絶」では立派な内蔵助を演じている。
若くてキラキラしている内匠頭と、重厚で切れ味鋭い内蔵助を比較してみて。
予告編大好きなかめぽんは「緋牡丹博徒 予告篇集」に注目。
予告編って、ギュッと凝縮された楽しさがあるんだよね。
まとめてみると、また楽しい。

202012

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだまだコロナ禍は落ち着かず、来年もどうなるかとの不安があるだろうけど、どうか皆さま、エンターテインメントをおうちで楽しんで、よいお年をお迎えください←ちょっと早いけど。

今月もわくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2020年12月2日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第22回『女の中の風』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1988年の「火曜サスペンス劇場」作品より、『女の中の風』をご紹介します。原作は、『白の条件』や『てっぺん』などがテレビドラマ化したことでも知られる、万里村奈加先生が1985年に発表した『黒のミラージュ』(全3巻)。ヒロインをはじめとする主要な登場人物の名称や、ヒロインの境遇などは基本的に原作通りですが、それ以外の部分は大幅に脚色されています。

 

母・みね子(加藤治子)とともに苦労しながら母子家庭で育ってきた圭子(浅野ゆう子)にも、ついに幸せが訪れようとしていました。大企業・時任物産の御曹司で、若くして専務を務めている和彦(五代高之)との結婚が決まったのです。和彦の父で社長の義彦(永井秀明)も、半身不随で寝たきりの母・靜子(山岡久乃)も、息子の結婚を喜んでいました。

しかし、時を同じくして、一つの奇妙な事件が発生しました。本田政男(伊原剛志)という男が、駅のホームから転落、轢死したのです。転落の直前、ホームでは突然、空から降ってきた一万円札に誰もが群がり、本田の転落の状況を誰も目撃していませんでした。

事件は当初、他の人々と同様に一万円札を拾おうとして、本田も謝って転落したものと思われました。しかし、城北署の山崎刑事(横光克彦)らの捜査で、当時の風向きから考えると本田の転落には不審な点があることが判明。山崎刑事は、事故に見せかけた殺人の可能性も考慮に入れ、本格的な捜査を開始しました。本田の遺品の中で、山崎の目に留まったのは本田の高校時代の集合写真。○印が付けられていた女性は時任和彦と結婚したばかりの圭子でした。

これがきっかけとなり、山崎は圭子に注目します。長い苦節を経て、幸せを手に入れたはずの圭子は、どうやら本田に何らかの事情で、強請られていたようでした。そして、圭子は気づいていませんでしたが、夫・和彦もまた、素行調査によって、圭子と本田の秘密に辿り着いていました。和彦から離婚を切り出された圭子は――。

 

隠したい過去、守りたい幸せを持った女性が犯罪に走っていく……。2時間ドラマでは、ひとつの定番と言えるプロットですが、本作は中盤以降、物語がより深みを増していくという点で、多くの2時間ドラマとは一線を画す仕上がりになっています。

いくつかのキーワードが劇中に登場しますが、そのひとつは、タイトルにも入っている“風”です。圭子の思惑通り、本田の件は事故という結論で捜査が終了するのですが、納得のいかない山崎刑事は、犯罪者の心の中には風が吹くのだと、圭子に告げました。それは、完全犯罪など成立し得ないという、山崎の信念から出た言葉。自分は何度も、さまざまな風に耐えてきたと山崎に言い返す圭子でしたが、やがて圭子は山崎が言った通り、心の中に風が吹く瞬間を感じることになります。

そして、もうひとつ印象的なのは、“1%の可能性”というキーワード。圭子は、半身不随で歩くことが不可能な靜子に対して、靴をプレゼントします。この行動には、靜子の夫である義彦も動転しました。しかし、圭子は靜子の担当医にも確認したうえで、「1%の歩ける可能性に賭けてほしい」と、プレゼントに靴を選んだのです。これによって、圭子は靜子からの信頼を勝ち取りました。

ところが、やがて靜子は圭子の「正体」を知ってしまいます。圭子によって、息子と夫を失った靜子は、かつて圭子が自分に言った“1%の可能性”という言葉を使って、圭子を精神的に追いつめていくのでした。このあたり、山岡久乃さんという大女優を、設定上、全く動くことができない役どころに配置した狙いが、最大限に活かされています。本来なら、圭子にとって、いろいろな意味で「敵」ではないはずの靜子が、意外な形で「最大の敵」となってくる構成には、驚かされることでしょう。

また、圭子の母・みね子も、物語の中で大きな役割を果たします。こちらを演じているのは加藤治子さん。山岡久乃さんの靜子とは違った形で、自分の娘・圭子に影響を与えるのです。この2大女優の圧倒的な存在感は、すべてが「終わった」後のラストシーンでも示されるので、ぜひ、実際の映像でご確認ください。

主演を務めたのは浅野ゆう子さん。本作が放送された当時(1988年2月)は、フジテレビで『君の瞳をタイホする!』、TBSで『愛と復讐の海』と、2本の主演ドラマが放送中でした。つい先日、BSフジで放送された、80年代を振り返るスペシャル番組において、『君の瞳を~』で浅野さんと共演した陣内孝則さんが語っていたところでは、当時の浅野さんは『君の瞳を~』のような作品(いわゆる“トレンディドラマ”)より、『愛と復讐の海』のようなシリアスなドラマのほうを中心に活動したいという意向だったそうな。しかし、実際には、『君の瞳を~』に続き、88年7月からスタートしたフジテレビ『抱きしめたい!』で浅野温子さんとダブル主演した浅野ゆう子さんは、トレンディドラマの女王として、一時代を築いていくことになります。

このほか、大企業の御曹司・和彦を演じた五代高之さんは、本作の直後(88年4月)にスタートしたフジテレビ『教師びんびん物語』にレギュラー出演。紺野美沙子さん演じるヒロインをめぐり、主演の田原俊彦さんと三角関係になっていく役柄を好演しました。また、山崎刑事役の横光克彦さんは、本作の1年前まで、9年間にわたって『特捜最前線』に紅林刑事役でレギュラー出演。本作は、『特捜』の紅林編の1本として観ても成立しそうなくらい、山崎刑事の立ち位置が重要なものになっています。そして、冒頭であっさり死んでしまう本田役は、ブレイク前の伊原剛志さん。90年代に入ってから快進撃が始まりますが、80年代はまだ、あまり目立った活躍がありませんでした。そのキャリアの初期、ジャパンアクションクラブ(JAC、現:JAE)に所属されていたことも、いまでは知る人が少なくなっているかもしれません……。

 

それでは、また次回へ。12月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第6回でご紹介した『超高層ホテル殺人事件』(原作:森村誠一/主演:田村正和)、1984年の『火曜サスペンス劇場』より『行きずりの殺意』(原作:森村誠一/出演:浜木綿子、松尾嘉代ほか)、1982年の『火曜サスペンス劇場』より『たそがれに標的を撃て』(監督:鷹森立一/主演:菅原文太)が放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください。

 

【12月の『刑事くん』(第2シリーズ)】

12月、新登場となるエピソードは第47話から第54話まで。第2シリーズは全55話なので、いよいよ大詰めとなってきました。

今回は第48話「爆発一秒前」をご紹介します。

 

第48話「爆発一秒前」(脚本:長坂秀佳/監督:富田義治)

ある喫茶店で、宗方刑事(三浦友和)は三神刑事(桜木健一)が到着するのを待っていました。そんなとき、その店で爆発が発生。宗方も巻き込まれて、重傷を負ってしまいます。被害者の中に刑事=宗方がいたことから、本庁から派遣されたベテラン刑事(高野真二)は犯人が宗方を狙ったものだと推理。しかし、三神はこの意見に、真っ向から対立するのでした。

宗方の容態を案じつつも、独自の捜査を続け、やがて有力な容疑者・山室に辿り着いた三神。彼の動機は、喫茶店のウエイトレス(菅沢恵美子)への逆恨みでした。三神は山室を城南署へ連行しますが、なぜか山室は、自分を「取調室へ連れて行け」と、取り調べを受ける「場所」に異様にこだわります。その必死さに違和感を抱いた三神は――。

冒頭も爆弾、クライマックスも爆弾(あ、ちょっとネタバレっぽいですが……)という、長坂秀佳さんらしい一編。『刑事くん』を経て、後の『特捜最前線』では、原子爆弾やバリコン爆弾、コンピュータ爆弾などを次々と登場させ、“バクダンのナガサカ”という異名を取りました。

ウエイトレス役の菅沢恵美子さんは、第32話「めぐり逢う日まで」において、ポスターで微笑む美女を演じていました。美女に恋した少年や、三神刑事の想像とは違い、この美女は性格的には……だったというオチがつくのですが。

今回、再出演を果たした菅沢さんですが、当時は東映演技研修所の所属で、仮面ライダーシリーズなど、東映のテレビ作品に数多く出演されていました。そして、本作の放送から約5ヶ月後に公開された映画『女必殺拳』の準主役・早川絵美役に抜擢され、少林寺拳法初段の腕前を活かして活躍。これを機に、芸名も役名と同じ“早川絵美”に改めました。

その後も『ザ・カゲスター』(76年)のベルスター=風村鈴子役などを演じた早川さんは1978年、『特捜最前線』にゲスト出演。ここで出逢った俳優の誠直也さんと結婚し、現在に至っています。

……さて、1月の新規エピソードは、残る第55話(最終回)のみ。第1シリーズの最終回は三神刑事の「辞職」で幕を閉じましたが、果たして第2シリーズの結末は?

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『女の中の風』

12月8日(火)11:00~13:00

12月22日(火)20:00~21:50

12月28日(月)11:00~13:00

 

『超高層ホテル殺人事件』

12月19日(土)21:00~23:00

 

『行きずりの殺意』

12月22日(火)13:00~15:00

 

『たそがれに標的を撃て』

12月29日(火)20:00~21:50

 

『刑事くん』(第2シリーズ)

毎週月曜日18:00~19:00(2話ずつ放送)

再放送:毎週金曜日7:00~8:00

 

『刑事くん』(第1シリーズ)

第57話(最終回)「人間たちの祭り」

12月3日(木)19:00~19:30放送!

2020年11月30日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 一番星は永遠にきらめく こんな時にこそスカッとしたい、トラック野郎三昧だ!

11月も半ばになってしまいました。
お正月用のお仕事で、かめぽんの頭は師走も超えて2021年。
未だ、山のように仕事が残り、今月末の締め切りまであっぷあっぷな日々です。
コロナ感染者も増え、不安な日々。
そうだ、そんな時こそ、笑いたい!
そんな時勢にぴったりなのは「一挙放送! トラック野郎 前編」。
はい、初めて視聴した時かめぽんぶっ飛びました。
いま、これ、地上波で放映はなかなか難しいのでは?
でもね、涙あり、笑いあり、ほのぼのあり。
今の基準で考えるとまあいろいろあるのかもしれないけど、昭和のどこかほのぼのした感じが溢れて、かめぽん好きなんですよ。
いま、本当にいろんなことを我慢している日々。
せめて現実ではない世界を大いに楽しみませんか?
堅苦しいことを言わず、ただただその世界に浸って欲しい。
そんなことを日々思うのです。

202011

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、討ち入りに向けての助走(←何事も忠臣蔵中心)である今月も、楽しいラインナップが山盛り。
「追悼特別企画 俳優 渡哲也」。
お正月といえば渡さんのお酒のコマーシャルが印象的。
若くてかっこいい渡さんをしっかり目に焼き付けたい。
デジモン特集に一挙放送! 東映動画名作アニメ劇場では大好きなホルスの大冒険が。
アニメ好きならたまらない特集を楽しんで。
今年もあとわずか。
みなさま、どうかくれぐれも体調管理をしっかりと。
コロナに負けないで、年末を迎えましょうね。

今月もわくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2020年11月16日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                第21回『恋人交換殺人事件』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1982年の「土曜ワイド劇場」作品より、『恋人交換殺人事件』をご紹介します。この作品の原作は、赤川次郎先生。原作タイトルが「死体置場で夕食を」だといえば、ミステリーファンの方は「あぁ、あれか!」と思い当たるのではないでしょうか。同作は、1970年代末に『三毛猫ホームズ』シリーズなどで脚光を浴び始めた赤川先生が、1980年に発表した作品。多作ゆえ「シリーズもの」の印象が強い赤川先生ですが、同作は非シリーズながらも長く読まれており、2016年にも新装版が発行されました。

「土曜ワイド劇場」では、赤川先生の作品の映像化にいち早く着手していました。『幽霊シリーズ』の第1作『幽霊列車』は、なんと岡本喜八監督が手がけて、1978年1月に放送。そして『三毛猫ホームズ』は製作:東映、主演:石立鉄男という布陣でシリーズ化され、1979年から1984年まで、1年に1作のペースで放送されました。

そんな中、映画『セーラー服と機関銃』(81年)の大ヒットもあり、赤川先生は時代の寵児となっていきます。『恋人交換殺人事件』は82年2月の放送ですから、タイミングもバッチリだったといえるでしょう。監督は、『三毛猫ホームズ』第1作を担当した手銭弘喜さん。なお82年2月というと、あの「ホテルニュージャパン火災」(8日)や、日本航空350便墜落事故(9日/エンジンの逆噴射が原因となったことで知られる)が起こった時期でした。

 

カメラマンの紺野芳子(池上季実子)は婚約者で雑誌編集の仕事をしている糸井洋一(小倉一郎/※原作では洋一と芳子は夫婦の設定です)と一緒に猪苗代まで冬のドライブへと出かけました。しかし猛吹雪に見舞われ、洋一の運転する車は道に迷ってしまいます。それ以上は動けなくなった2人でしたが、運良く付近にロッジを見つけました。2人が訪ねて行くと、管理人の福原(三谷昇)は、泊まっていって構わないと彼らを歓迎します。そのロッジには、たくさんの先客がいました。ロッジのオーナーであるらしい安西(佐伯徹)とその妻(弓恵子)、運送業を営んでいるという太田(出光元)とその妻(高沢順子)、ホテル開発業を自称する湯川(藤木敬士)、そして田代美奈子(片桐夕子)。6人は、みなそれぞれ旧知の間柄のようでした。彼らは集まって談笑しており、「ご一緒に」と誘われた芳子でしたが、さすがに疲れているので、すぐに部屋で眠ることにしました。

しかし、一夜明けると、なぜかロッジには誰もいませんでした。先客たちどころか、管理人の福原も、さらには婚約者の洋一も……。当惑した芳子は、なんとか最寄りの交番まで辿り着いて、老警官(相馬剛三)に事情を説明しました。急遽、ヘリコプターが出動し、ロッジの様子を空から確認することに。ところが、なんとロッジは全焼。焼け跡からは、ひとりの男性の遺体が発見されました。やがて、その遺体は洋一である可能性が高いと聞いた芳子は悲嘆にくれます。いったい、どうしてこんなことになったのでしょうか。芳子は、猪苗代で知り合った元・刑事の瀬川(柴俊夫)とともに、ロッジにいた先客たちの行方を調べ始めますが……。

 

副題が「雪山に消えた七人」となっているように、序盤で奇想天外なトリックを読者(視聴者)に対して仕掛け、作品の世界へ否応なく引きずり込んでいくテクニックはいかにも、赤川先生的です。事件関係者を演じる面々がまた、クセの強い俳優・女優さんばかりで、殺人事件なのに、なんだか楽しく(?)なってしまう部分があるのも、赤川作品ならではのことでしょう。メインタイトルが『恋人交換殺人事件』なので、察しの良い方は、ロッジに集まっていた6人の「目的」にもすぐに気づくと思いますが、そのあたりは劇中でも早めに明かされるため、以降は「事件の真相」に焦点が絞られていきます。

しかし、物語が進んでも、なかなか風呂敷を畳みにいかないのが赤川作品の特徴。あっと驚く「新キャラ」が中盤で登場したり、意外な「伏兵」が現れたりと、飽きさせない作りになっています。ラスト10分くらいまでは「ホントに事件解決するの?」と心配になりますが、そこからの怒涛の展開にご期待ください。後の2時間ドラマが陥っていったような、クドい説明を省いている点が、この時代の2時間ドラマの良さ。「ながら見」をしている視聴者ではなく、作品を食い入るように観ている視聴者のほうをしっかり向いて作られたものは、やっぱり面白いです。もちろん、本作においても、いくつか「?」となるような強引な箇所は存在しますが、その点だけをあげつらって作品に低評価を下すのは、実にナンセンスなことでしょう。ちなみに、本作で使用されているブリッジ曲や効果音の類は、後の『スケバン刑事』シリーズ(85~88年)でも頻繁に使用されているため、そちらのほうで聴き馴染んでいる方が多いのではないでしょうか。効果:原田千昭さん、選曲:秋本彰さんは『ザ・スーパーガール』(79年)などを担当後、本作を経て『スケバン刑事』シリーズでもタッグを組んでいました。

あらすじで紹介できなかったキャストでは、刑事役の名古屋章さんが安定した演技を見せています。時期的にはちょうど、石立鉄男さんとの丁々発止のやりとりが好評を得ていた『秘密のデカちゃん』(81年)が終わったあたりでしょうか。80年代の名古屋さんは一連の「大映テレビ」作品において、常に最重要キャストのひとりでした。

柴俊夫さんは、主演を務めたNHK時代劇『いのち燃ゆ』(81年)が終わったあたり。『西部警察PART-Ⅲ』(83年)で、三浦友和さんの後釜としてレギュラー入りするのは、本作の翌年のことでした。そしてヒロイン役の池上季実子さんはやはり前年のNHK大河ドラマ『おんな太閤記』(81年)で豊臣秀吉の側室・淀殿を演じ終えたばかり。翌年には代表作のひとつとなる映画『陽暉楼』(83年)に出演されました。池上さん、柴さん、名古屋さんといったスターたちの絶頂期の仕事としても本作は見応えがあります。この機会にぜひご覧になってください。

 

それでは、また次回へ。11月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第5回でご紹介した『0計画(ゼロプラン)を阻止せよ』(原作:西村京太郎/出演:黒沢年男、児玉清ほか)、1983年の『火曜サスペンス劇場』より『夕陽よ止まれ』(監督:吉川一義/出演:丹波哲郎、紺野美沙子、野際陽子ほか)が放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください。

 

【11月の『刑事くん』(第2シリーズ)】

11月、新登場となるエピソードは第37話から第46話まで。その中から、今回は第43話「お父さんとのデート」をご紹介します。

第43話「お父さんとのデート」(監督:竹本弘一)

城南署で燻し銀の存在感を放つベテラン刑事「島さん」こと島崎刑事(守屋俊志)が、珍しく捜査情報を漏らすというミスを犯しました。そのため島崎刑事は、娘(遠藤薫)との約束を破って捜査に打ち込みます。ところが、そんな島崎刑事が暴力団に拉致されてしまいました。暴力団から呼び出された三神刑事(桜木健一)は、島崎を解放する代わりに、警察が集めた情報を提供せよと迫られます。仕方なく、これを了承した三神でしたが、上司である時村(名古屋章)や、同僚の宗方刑事(三浦友和)の目を盗んで捜査関係書類を持ち出すのは困難でした。しかし、このままでは島さんの命が危険です。そこで三神は、強引に書類を持ち出しましたが……。

 

第1シリーズの第1話から登場している「島さん」にスポットを当てたエピソード。本作のメインライターを務める長坂秀佳さんならではの視点が活かされた一編だといえるでしょう。ただ、30分ドラマということもあり、中盤はずっと拉致されたまま、というのが残念。1時間ドラマならば、「島さん」の心の葛藤がもう少し描き込まれていた気がします。「島さん」役の守屋俊志さんは結局、『刑事くん』には名古屋章さんとともに最終シリーズまで出演。さらに、本作と同じ枠で後に放送された『刑事犬カール』(77年)においても、刑事役で出演されていました。

悪役でゲスト出演しているのは幸田宗丸さんと黒部進さん。この2ショットを観て、なんだか既視感があるなぁと思っていたら、後の『スケバン刑事』(85年)第4話「白い炎に地獄を見た!」でも、2人は同じような役回り(幸田さんの配下の役が黒部さん)で出演されていたのでした。そして、なんと、その回では守屋さんも登場(クレジットは「守谷」となっていましたが)。ただし、こちらでの守屋さんは刑事役ではなく、幸田さんや黒部さんと同じく、悪役の側でした。

「島さん」の娘を演じているのは、70年代の東映テレビ作品に数多くゲスト出演していた子役の遠藤薫さん。なぜか長坂さんの脚本作品への出演が多く、具体的には『人造人間キカイダー』(72年/第31・32話)、『仮面ライダーX』(74年/第7話)、『快傑ズバット』(77年/第19話)といった具合です。

いよいよ、第2シリーズも終盤戦。11月末までの放送を終えると、残り9話となります。今後も引き続き、“刑事くん”の活躍にご期待ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

 

<放送日時>

『恋人交換殺人事件』

11月7日(土)18:00~20:00

11月14日(土)20:30~22:30

11月24日(火)13:00~15:00

 

『0計画(ゼロプラン)を阻止せよ』

11月7日(土)20:00~22:00

 

『夕陽よ止まれ』

11月24日(火)20:00~22:00

 

『刑事くん』(第2シリーズ)

毎週月曜日18:00~19:00(2話ずつ放送)

再放送:毎週金曜日7:00~8:00

 

『刑事くん』(第1シリーズ)

毎週木曜日19:00~20:00(2話ずつ放送)

2020年10月20日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! かめぽんコラム番外編 東映チャンネルが好きすぎて、かめぽんの島も東映テイストにしちゃった

気がつけば秋。彼岸を過ぎたら本当に涼しくなって、昔の人はえらいなあと思う今日この頃。
バトルロワイヤルは相変わらずのおもしろさで、今も活躍する方々の若かりし日々を眺めつつ、話のおもしろさに没頭しました。秋の夜長は好きな作品を観ながら、美味しいお茶を飲むのが一番。
今月の深作監督特集も大好きな「赤穂城断絶」があるし、「ガンマー第3号 宇宙大作戦」なんてマニアックな作品もあって楽しみ。
東映アニメーションの特集も、かめぽんが幼少の時に大好きだった作品が目白押し。
ああ、少年猿飛佐助の絵本、大事に持っていたなあ。
落書きしちゃったけど←綺麗なままならコレクタブルアイテムかも…

さて、コロナ禍の昨今、かめぽんは家と会社の往復な日々で、楽しみと言えばゲームとエンターテインメント作品。
中でも、世界的ブームになった「あつまれどうぶつの森」にドはまりしました。
たぬきちからの借金地獄に耐え、ようやく島の整備も一段落。
お花がたくさんの自然豊かな、住民たちとのんびり暮らせる島になりました。

いろいろなユーザーさんの島にお邪魔し、ポケモンだの一面白の世界だの、工夫あふれた島々のなんと素敵なこと。
かめぽんの島はいたって平凡。
住民さんの移動のアクセスを一番に考えた、道具(はしごとかたかとびぼう)がなくても楽々回遊できる島。
そんな島に、ふと思い立って東映チャンネルショウルームを作ってみました。
手持ちの家具でいかに東映テイストを出すか考えていたら楽しくなっちゃって、相棒の匿名係の部屋をコンセプトにしたカフェやアニメスタジオ風のコーナーを作ったり。
Gメン75のオープニング風の写真が撮れる場所や(75と書くのが意外と大変でした)、自宅の地下に昔懐かしい映画館のロビー風の部屋を設えたり。
マイデザインで「TOEI ch ♥」なんてTシャツを作ったり。

どうぶつの森は夢番地でいろいろな人の島に遊びに行けるんだけど、かめぽんの島も公開してます。
(DA-7520-7969-7729)
[あくまでも、かめぽん個人の島のかめぽんの趣味のコーナーです。東映さん公式ではありませんので]
Gメン75の藤田美保子さんぽい帽子や衣装を置いてあるので、ぜひ写真を撮ってくださいね。
文太さん…ならぬ渋いオオカミのブンジロウや、忍者なモモチ(口癖はニンニン)、アイドル志願のルナちゃん、あつ森界の人気者ちゃちゃまるなど個性豊かな住民もいますので、ぜひ声をかけてね。
冬になったらかめぽんの部屋に松の廊下を作り、島の一部を忠臣蔵仕様にする予定。
ああ、楽しみはつきないです。

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今月放映の「赤穂城断絶」で忠臣蔵の世界を堪能して、参考にしなきゃ。
「いろいろ鉄道映画祭」は鉄道大好きなかめぽんの連れ合いが楽しみにしてる。
かめぽん、連れ合い共々日本映画の中で1、2を争う大好きな作品「新幹線大爆破」も放映予定。
あー、いろいろ楽しみすぎる。

今月もわくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2020年10月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第20回『花園の迷宮』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1988年の「火曜サスペンス劇場」作品より、『花園の迷宮』をご紹介します。この作品の原作は、山崎洋子先生。1986年の第32回「江戸川乱歩賞」受賞作にして、山崎先生の代表作です。ちなみに、1985年(第31回)の受賞者のひとりが、東野圭吾先生でした。

昭和初期の遊郭を舞台にした本作は大きな注目を浴び、映像化の企画が進められていきます。まずは1988年1月、映画版が公開されました。伊藤俊也監督がメガホンをとり、撮影を木村大作さんが担当。東映京都撮影所には舞台となる遊郭の豪華セットが建てられました(美術は「映像京都」代表を長きにわたって務めながら、数多くの映画で美術監督として手腕をふるった西岡善信さん)。主演は島田陽子さん(多恵役)。原作の主人公にあたる冬実(ふみ)役は工藤夕貴さんが演じ、冬実の幼なじみ・美津役は、ここでは冬実の姉という設定に改変され、野村真美さんが演じました。

ここまでの説明からも想像がつくかもしれませんが、映画版は原作から時代設定なども変更されるなど、比較的オリジナル要素が強い作品となっていました。

それに対し、映画公開の約2ヶ月後に放送されたテレビドラマ版のほうは、細部こそ異なるものの、大筋は原作に忠実だったといえるでしょう。あくまで『火サス』枠ではありますが、「日本テレビ開局35周年企画」という冠が付けられるなど、日本テレビ&東映が力を入れた作品だったことは間違いありません。監督は映画『戦国自衛隊』(79年)や、テレビドラマ『俺たちの旅』(75年)などで知られる斎藤光正さん。主演はNHK朝の連続テレビ小説『はね駒』(86年)で国民的人気女優となり、映画『恋する女たち』(86年)や『トットチャンネル』(87年)、舞台『レ・ミゼラブル』(87年)などでも好評を博していた斉藤由貴さんが務めました。斉藤さんといえば、東映ファンにとってはなんといっても『スケバン刑事』(85年)が印象深いところですが、東京と京都で撮影所こそ違っていたものの、斉藤さんにとって本作は『スケバン刑事』以来の東映作品だったことになります。

 

昭和7年(1932年)、横浜の遊郭「福寿」に、若狭の小さな漁村から、2人の少女が売られてきました。すでに18歳になっていた美津(小野沢智子)のほうは早速、女主人・多恵(岡田茉莉子)の意向もあって「顔見世」に出されることになりましたが、まだ17歳だったふみ(斉藤由貴)はしばらく、下働きを務めることになりました。

そのうちに、ふみは病気療養中の女郎・山吹(竹井みどり)の看護を命じられました。しかし、山吹の病は快復することなく、死亡してしまいます。その病状は、同じく「福寿」で5年前に亡くなった女郎・桔梗(一柳みる)のものと似ていました。

桔梗や山吹の死には不可解な点が多いことから、実は他殺なのではないかという噂も、まことしやかに流れていました。同じような疑惑は、ふみも抱いていましたが、そんなふみに対し、遣り手のお民(初井言榮)は明らかに、厳しい視線を向けるのでした。

そんな中、椿という名で売れっ子の女郎になりつつあった美津の客が死亡。美津もまた、死体となって発見されました。怒りとともに、いよいよ深まっていく、ふみの疑惑。果たして、美津や女郎たちを殺害したのは誰なのでしょうか? そして、彼女たちを殺さなければいけなかった犯人の動機は? 遊郭「福寿」では、いったい何が起こっているのでしょうか……?

 

遊郭で発生した、連続殺人事件の謎。時代背景を巧みに絡めたストーリーが展開され、やがて事件の全貌が明かされるシーンまで、高い緊迫感が保たれています。

幼なじみの美津までが被害者となったことで、ただでさえ負けん気の強いふみは、決して怯むことなく事件の真相へと迫っていきます。そんなふみにプレッシャーをかけるのが遣り手のお民。劇中ではたびたび、ふみ=斉藤さんとお民=初井さんが激突するシーンがあるのですが、初井さんはさすがの貫禄。対する斉藤さんも、一歩も引かない熱演を見せています。この2人に加えて本作では抑えた演技が中心の岡田茉莉子さんも存在感を示しており、遊郭という“花園”に集った女優たちの“競演”が、本作の最大の見どころといえるでしょう。

ビッグネームが並ぶ中、前半で重要な役割を担う美津=椿役として濡れ場にも挑戦しているのが、撮影当時24歳だった小野沢智子さん。本作の後には、映画『昭和鉄風伝 日本海』(91年)で浜田雅功さんが演じた主人公の高校時代の同級生役を演じたほか、多くの作品で活躍されています。また、どうしても女優陣が目立つ本作ですが、ピンポイントで左とん平さん、深水三章さん、梅津栄さん、井上昭文さんといった名バイプレーヤーの方々が個性を発揮しているのも見逃せません。

特別企画として、放送当時は2時間半の枠で放送された本作。ゆえに本編尺も、たっぷり2時間弱となっています。“豪華絢爛”という形容が相応しい娯楽大作、この機会にぜひ、ご覧になってください。

それでは、また次回へ。10月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第4回でご紹介した『女からの眺め』(脚本:早坂暁/監督:吉川一義/出演:岡田茉莉子、樹木希林、三ツ矢歌子、加藤治子ほか)、1981年の『土曜ワイド劇場』より『死刑執行五分前』(原作:比佐芳武/出演:若山富三郎、中村玉緒、高岡健二、内田朝雄ほか)が放送されます。これらの作品群もぜひご堪能ください。

 

【10月の『刑事くん』(第2シリーズ)】

10月、新登場となるエピソードは第29話から第36話まで。その中から、今回は市川森一さんが脚本を担当した第32話「めぐり逢う日まで」と、第34話「青春への伝言」をご紹介します。

 

第32話「めぐり逢う日まで」(監督:富田義治)

ある化粧品店に泥棒が入りましたが、どうやら、盗まれたのは「ラブミー化粧品」のポスターだけでした。軽微な事件ということで、この件は三神刑事(桜木健一)がひとりで担当することに。しかし、軽微であったがゆえに、被害に遭った店さえ、まともに捜査に協力してくれませんでした。

そんな中、三神の執念で、ひとりの容疑者が浮かび上がりました。それは、ポスターに写ったモデル・春川マナ(菅沢恵美子)のファンで、高校1年生の加藤順平(今村良樹)でした。学校でも家庭でも、特に心配されることのない「健全な青年」の順平が、なぜこんな犯罪に及んだのか。順平の気持ちを想像していくうちに、三神刑事には、この事件の「動機」が見えてきたのです……。

この回の特徴は、ついぞ三神刑事が、この事件をどう処理したのか語られないことです。三神はどうやら、犯人の「動機」にしか興味がなかったようで、自分が推理した「動機」に間違いがなかったことが確認できると、そこで捜査をやめてしまいました。それどころか、「犯人」である高校生の少年と心を通わせ合うのです。「自分も同じだよ」と言わんばかりに……。

このあたり、市川森一さんが描く『刑事くん』の特徴といえるでしょう。現在のテレビ界では、「刑事ドラマ」という体裁をとっている以上は、このような脚本は映像化されにくい気がします。しかし、間違いなく言えるのは、『刑事くん』というシリーズの最大の魅力は今回のような、「刑事である前に、まず人間」という主人公・三神の姿を描いている点にある、ということです。

メインライターである長坂秀佳さんが描いたのが、“刑事”としての三神の成長だとするならば、市川さんは終始、“人間”としての三神に目を向け続けました。それも、描いたのは「成長」ではなく、変わらない「純粋さ」だったといえるでしょう。今回などは、言葉を選ばずにいえば、三神が独断で事件を「握りつぶした」とも捉えられるエピソードです。軽微な事件だったとはいえ、これでは本来、「刑事失格」でしょう。

ラスト、三神は別の事件の捜査に参加し、意外な形で、ポスター盗難事件にも終止符を打ちます。より正確にいえば、事件そのものではなく、彼自身の「気持ち」にピリオドを打ったのです。このくだりがあって、初めて「刑事ドラマ」として、しかもギリギリのラインで成立するというのが市川脚本の見事さでしょう。

なお、一部のマニアには知られているエピソードですが、ラスト近く、三神と順平がひとしきり話し合った後に無言になるシーンで、市川さんは「二人の青春の間を青い風が吹きぬける」という、おそらくシナリオ学校などでは「悪い例」として注意されそうな、絶妙なト書きを記しました。これを、市川さんと相性が良かった富田義治監督がどのように映像化したのか、ぜひ実際にご覧になって、確かめてみてください。

 

第34話「青春への伝言」(監督:加島 昭)

三神が知り合い、やがてお互いに思いを寄せ合うようになった高校生の少女・千景(小林千恵)。三神は自分が刑事であることを、そして千景は自分がスケバングループの中心メンバーで、暴力団の手先として犯罪に加担していることを隠していました。

しかし、やがて城南署が捜査中の事件の関係者として千景の名が浮かび、一方、暴力団の側も、千景と三神が会っていることを怪しみ始めます。もしかしたら、千景は自分たちの情報を、三神に提供しているのではないか?

千景は三神が刑事だと知り、激しいショックを受けました。しかも、組織からは裏切り者だと疑われることになり、千景のみならず、仲間たちまでが命の危険にさらされました。そんなとき、千景たちを必死の思いで救ったのは、他ならぬ三神でした。三神の心からの言葉を聞いて、泣き崩れるスケバングループ。そして千景は……。

「ピンスポ!」のインタビュー企画でも、主演の桜木健一さんが忘れられない回だと語っていた、『刑事くん』としては異色の恋愛編。このエピソードの放送は1973年12月でしたが、同年3月にリリースされ、夏を過ぎるころから本格的にヒットし始めたペドロ&カプリシャスの名曲「ジョニィへの伝言」がフィーチャーされており、サブタイトルも、同曲を意識したものになっていました。

先に紹介した第32話で、高校生と「理想の恋人」について話し合った三神。そんな彼がこの第34話で女子高生と交際している……というあたり、脚本の市川さんの中では32話と34話がつながっていたのかもしれません。もっとも、現職の刑事と女子高生(しかもスケバン)の熱愛、なんていうネタはやはり、現在のテレビ界では扱いづらいに違いありませんが……。

ラスト、文字通り「すれ違って」いく2人の青春を、加島昭監督が情感たっぷりに演出しています。ゲストヒロイン・千景を演じたのは小林千恵さん。本作の当時は中学3年生で、アイドル歌手としても活躍されていました。小学生時代には子役として『キャプテンウルトラ』(67年)や『ジャイアントロボ』(67年)などに出演。1971~72年にかけては「瞳ちえ」名義で活躍し、とりわけ『キイハンター』第210話「いんちきキイハンター探偵局」でのカオル役が印象的でした。こちらのエピソードも東映チャンネルで12月放送予定なのでどうぞお見逃しなく!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『花園の迷宮』

10月15日(木)13:00~15:00

10月24日(土)15:00~17:00

10月27日(火)22:00~24:00

 

『女からの眺め』

10月20日(火)21:30~23:20

 

『死刑執行五分前』

10月31日(土)22:00~24:00

 

『刑事くん』(第2シリーズ)

毎週月曜日18:00~19:00(2話ずつ放送)

再放送:毎週金曜日7:00~8:00

 

『刑事くん』(第1シリーズ)

毎週木曜日19:00~20:00(2話ずつ放送)

2020年9月23日 | カテゴリー: その他