かめぽん

チューもく!! 山もりな春。山守…な…(苦笑) 春も爛漫、東映チャンネルでお花見だ

お久しぶりです。
かめぽん、ちょっといろいろありまして、お休みさせていただいてました。
人生って…やりたいことは今やっておこう!としみじみ思いをめぐらせた2023年の年明け。
食べたいもの食べて、行きたいとこ行って、会いたい人には会って…
悔いのない日々を過ごしたいなと。

さて、我が家は連れ合いが「仁義なき戦い」大好きMAN、DVDボックスも揃ってます。
深作監督特集もはや3回目。
今回も仁義なきシリーズ盛りだくさんです。
それにしても、山守さん@金子信雄さん。
かめぽんにしたらお料理好きのおじさんのイメージが強かったので、初めて山守組長の金子さんを見たときはひっくり返りそうになりましたよ。
いやー、上司にしたら最悪な人。
端から見たらなんか憎めないんだけど、当事者には辛すぎる。
もう、文太さんが気の毒で…
でも、これ、実在のモデルがいるのですよね。
本当にこんな人だったのかしらん。
そんな金子さんの特集「生誕100年 名脇役・金子信雄」もお見逃しなく。

202303

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さ、今月の東映チャンネルも花盛りですよ。
「生誕120年 片岡千恵蔵」はかめぽん大好きな「十三人の刺客」を始め時代劇じゃない知恵蔵さんも。
金田一耕助好きなかめぽんも「獄門島 総集篇」は未見なので楽しみ。
花盛りラインナップはまだまだ。
「一挙放送! 緋牡丹博徒 Vol.1」に「遠山の金さんの日記念【特集 7人の遠山の金さん】」。
緋牡丹が、桜吹雪が舞いまくります。
ちなみにかめぽんは梅之助さんがお気に入りでした。
あなたの好きな金さんはどなたの金さんかな?
アニメも特撮も任侠も時代劇も、豪華絢爛な花盛り。

今月もわくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2023年3月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                                                  第48回 『雨月荘殺人事件』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1988年の『火曜サスペンス劇場』より『雨月荘殺人事件』をご紹介します。放送日は1988年10月18日でした。ちょうど35年前、昭和63年の秋にあたります。本作が放送される約1ヶ月前の9月19日に昭和天皇が吐血され、以降は日々、陛下のご容態がテレビでも放送され続けました。東映のテレビ作品でいえば、現在ちょうど東映チャンネルで放送中の『さすらい刑事旅情編』(10月12日~)や『仮面ライダーBLACK RX』(10月23日~)が同時期に放送を開始しています。本作をご覧になる際は、そんな時代背景も想像しながら……というのも一興かと。原作は、和久峻三先生の『雨月荘殺人事件 公判調書ファイル・ミステリー』。元・裁判官という人物が講師を務める市民セミナーで、その人物が実際に担当した事件を、当時の捜査資料を基に説明していく(読者はその資料や、セミナー出席者の発言などを追っていく形となる)、という一風変わった趣向となっています。当時、海外で『マイアミ沖殺人事件』などの、いわゆる「捜査ファイル・ミステリー」という形式で人気を得ており、これに着目した出版社が弁護士としての顔も持つ和久先生に企画を打診。生まれたのが、和久先生の知識を活かした「公判調書ファイル・ミステリー」だったわけです。この試みが評価されて、和久先生は1989年に第42回「日本推理作家協会賞」を受賞されました。

そのままでは映像化しにくいと思われる本作ゆえ、ドラマ化にあたっては、探偵役として「元・警察署長で、定年退職後に推理作家デビューした」という主人公が設定されました。原作に登場していた(ドラマ版には登場しない)キャラクターのひとり、盲目の詩人・吉野の苗字と、原作者の名前を合体させた「吉野俊三」が、その主人公。「落ちる」という作品で「ミステリー文学賞」を獲り、注目を集めたものの、第2作の執筆がなかなか進まず、編集者から逃れて執筆に集中するために、かつて泊まったことのある「雨月荘」を再訪したところ、そこで事件に巻き込まれてしまうのです。それでは、あらためてストーリーを紹介していきましょう。

 

湯河原(原作では長野県)にある旅館「雨月荘」は、経営不振に陥っていました。「雨月荘」を所有するのは「月ヶ瀬興業」という会社。ある日、社長の月ヶ瀬都子(朝比奈順子)をはじめ、都子の夫で副社長の紀夫(金子研三)、専務の高倉(西田健)、社長秘書の井口倫子(李星蘭)が揃って「雨月荘」へやって来ました。どうやら、「雨月荘」を存続できるかどうかの瀬戸際に陥っているようです。

そもそも都子は先代の社長に見初められて結婚したが、先代の死去に伴って社長を引き継いだ人物。経営能力に乏しいばかりか態度も傲慢で、「雨月荘」で働く人々からも嫌われていました。また、再婚相手の紀夫との仲も、すっかり冷え切っている始末。一方で、秘書の倫子とはレズ関係にありましたが、都子は倫子が最近、高倉と男女の関係になっていることにも気づいていました。自業自得ながら、都子は四面楚歌の状況にあったというわけです。融資の話も断られ、彼女は追いつめられていました。

「雨月荘」がそんな状態の真っ只中にあるとき、ひとりの客がやってきました。かつて、妻で舞台女優の美沙子(野川由美子)と「雨月荘」へ新婚旅行で来たことのある、作家の吉野俊三(小林桂樹)です。彼は新作の構想に行き詰まり、若手編集者・佐川明(香川照之)の追撃を逃れるために、自宅から「逃亡」したのです。

従業員の前田照代(左時枝)は吉野のことを覚えており、彼の再訪を大いに喜びました。ふたりの会話も弾みます。しかし吉野は照代から、4年前に「雨月荘」の納屋で悲しい事件があったことも聞かされました。吉野も新婚旅行のときに会っていた、桂木雪江(北沢美紀)という女性が自殺したのです。照代によれば、雪江の自殺は、都子に激しく苛められたことが原因でした。照代だけでなく、支配人の藤本二三夫(渡辺篤史)をはじめとする「雨月荘」の従業員たちはみんな、都子や経営陣のことを嫌っていました。

そして翌朝。雪江が自殺した納屋で、都子の死体が発見されます。現場の状況や、都子の置かれていた苦況を考えると、自殺の可能性が高いと思われましたが、それにしては、遺書がありません。吉野は、都子の首に括られていたロープの結び方が特殊なものだったことに、まず疑問を感じました。都子自身が結んだものではないとしたら、これは「殺人事件」ということになります。小田原署の辻野警部(藤木悠)は、大先輩にあたる吉野に捜査への協力を求めました。原稿の締切があるにもかかわらず、これを承諾する吉野。やがて、納屋から紀夫の指紋が発見されました。紀夫には、都子と結婚する前に犯罪歴があったのです。さらに言えば、動機もじゅうぶんにあります。しかし、紀夫と面識があった吉野には、紀夫が犯人だとは思えませんでした……。

 

舞台は一貫して「雨月荘」と、その周辺のみ。とはいえ、見事な脚色と、多彩な演技陣の活躍で、観る者を飽きさせません。吉野の妻・美沙子が夫の後を追って「雨月荘」へやってきて、さらに、そのことがきっかけで吉野の行き先がバレて、編集者の佐川も駆けつけてしまう、といったサブストーリーの部分も楽しめます。注目は、1988年の春に東京大学を卒業したばかりで、まだドラマ出演の経験が数本しかなかった時期の、香川照之さんの出演です。後に、「平成」時代を代表する俳優のひとりとなっていく香川さんですが、昭和末期=デビュー当時から独特の個性を発揮していたことを、本作で確認していただけるでしょう。また、『Gメン’75』の山田刑事役などで、刑事役には定評がある藤木悠さんも軽妙な味で好演。藤本役の渡辺篤史さんは当時、東映で『じゃあまん探偵団 魔隣組』にレギュラー出演中でした。

決してハデさはない本作ですが、指紋や足跡をめぐるトリックを吉野たちが解いていく流れは、異色の構成となっている原作の特徴も反映されており、「地に足の着いた」堅実な作りになっています。春の足音が聞こえてくる3月、どこか懐かしさも感じさせてくれるミステリー作品の魅力を、ぜひご堪能ください。

 

<3月の『Gメン’75』>

3月が初回放送となるエピソードは、第125話から第134話です。第126・127話は、倉田保昭さんが演じる草野刑事のアクションが冴える、香港ロケ編。また第132・133話も、Gメンが絶体絶命の危機に追い込まれる、前後編のサスペンス大作となっています。また、そんな中で第131話「少女餓死」のような、単発の衝撃的エピソードも……! ますます充実していく『Gメン’75』に、大いにご期待ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年3月】

<放送日時>

『雨月荘殺人事件』

3月9日(木)11:00~12:50

3月16日(土)20:00~22:00

 

『断罪』(原作:和久峻三/主演:松尾嘉代)

3月16日(木)11:00~12:50

3月20日(月)22:00~24:00

 

『花園の迷宮』(監督:斎藤光正/主演:斉藤由貴)

3月23日(木)11:00~13:00

2023年2月27日 | カテゴリー: その他
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第47回『外科病棟の女医』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1983年の『土曜ワイド劇場』より『外科病棟の女医』をご紹介します。放送日は1983年8月6日でした。ちょうど40年前、1983年の夏というと、7月に任天堂が「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)を発売。8月の全国高校野球選手権大会では、あのKKコンビ(清原和博・桑田真澄)の活躍で、大阪のPL学園高校が優勝しました。この当時、KKコンビは1年生。大会の開幕は8月8日(月)だったので、『外科病棟の女医』が放送された時点では、まだ2人は「全国区」の知名度ではなかったことになります。

7月下旬には、山陰地方で豪雨のために死者・行方不明者が100人を超えるという災害が発生しました。『外科病棟の女医』は、偶然でしょうが、その山陰地方=鳥取県米子市が全編の舞台となっています。東映の歴代テレビ作品ではおなじみ、皆生グランドホテルも登場しました。原作は、井口民樹先生の『外科病棟の陰謀』。ストーリー的には、こちらの原題のほうが、よく内容を表していると思います。主人公となる若き外科医を演じるのは、真野響子さん。凛とした美しさに、妖艶さも兼ね備えた「和泉加代」を好演されています。ちなみに、翌週(8月13日)に放送された『死美人ホテル』の主演は、真野さんの夫である柴俊夫さんでした。また、イメージ的には意外な役で出演している岡江久美子さんは、前週(7月30日)放送の『火の坂道』に続いての『土曜ワイド劇場』出演。さらに遡ると、7月23日放送の『団地妻のさけび』には、岡江さんの夫である大和田獏さんが出演。2人はこの年の春に結婚したばかりでした。

 

さて、ストーリーを紹介していきましょう。

鳥取県米子市にある北陽大学の医学部附属病院で外科医として働いている和泉加代は、同じ第一外科で働く講師・交野修治(田村亮)と交際していました。2人は結婚を決め、加代にとっては恩師にあたる第一外科の緋田教授(下元勉)に、その意思を報告に行きます。しかし緋田は、2人の結婚を快く思っていないらしく、加代が学位を取るまで待てと、事実上の「反対」を表明しました。緋田は年齢を離れた加代に想いを寄せており、交野に加代を「奪われた」という気持ちだったのです。緋田は次期医学部長の呼び声が高い実力者。そして交野もまた、外科医としての腕を見込まれているエリート。緋田と交野は当然のように、激しく反発し合いました。

なんとしても緋田に加代との結婚を認めさせたい交野は、叔父であり、医師会の会長を務めている津沼詮造(北村和夫)に相談を持ちかけます。津沼は交野の頼みを聞き入れ、緋田が医学部長のポストを手に入れられるよう、援助することにしました。そうなると、緋田も無理は言えません。こうした裏工作の成功で、交野と加代の結婚話は、うまく進むかに思われました。

しかし交野には心配事がありました。外科医として最も大事な右腕が最近、激しく痛むのです。右腕にできた腫瘍は、良性なのか、悪性なのか。交野も信頼を置く、助手の大石(高岡健二)は自信を持って良性だと告げたが、緋田は悪性だと診断。しかも、この分野で権威のある東京の医師も緋田と同意見だったため、交野は右腕を切断せざるを得なくなります。今村助教授(中尾彬)の執刀で、手術自体は成功。しかし、交野の外科医としての未来は、大きく変わってしまいました。

失望しつつも、強く生きようとしていた交野。そして、彼を支えながら生きていこうと決意した加代。ところが、ある日突然、交野は死体となって発見されます。現場の状況から、米子署の刑事(斉藤真)は自殺の可能性が高いと判断。ただし、加代にはとても信じられませんでした。医師である交野なら、もっと確実に死ねる方法で自殺するはず。最終電車が通った後に、線路に飛び降りるという死に方は、あまりに不自然でした……。

交野の死後、緋田教授は真剣に、加代に対して「医学部長夫人になる気はないか」とプロポーズしてきました。しかし考えてみれば、交野が死ぬ前から、交野の周辺では、おかしなことがたくさん起こっていました。交野が恐れていた女・青木由美(岡江久美子)は、いったい交野とどんな関係だったのでしょうか。そして、良性か悪性かで意見が分かれていた交野の腫瘍は、本当に悪性だったのでしょうか。真相を知りたいと動き始めた加代はやがて、とんでもない事実に突き当たるのでした。

 

前半でのメインとなる登場人物・交野は、中盤で死亡。後半では、加代と由美という、2人の女性が物語を引っ張っていきます。本作において、絶妙な味を出しているのが、緋田教授役の下元勉さんです。また、今村助教授役の中尾彬さんの役作りもお見事。さらに言えば交野のような人物は普通ならば爽やかな好青年として描かれそうなところですが、本作では、そこにも一捻り、加えられています。冒頭は岡江久美子さんが演じる由美が激しい「怒り」を見せるところから始まるのですが、この由美が後半、どのようにストーリーの中軸に関わってくるのか、といったあたりに注目していただければと思います。

監督は、東宝テレビ部の作品が多かった日高武治さん。1983年は、大きな話題を呼んだ『積木くずし~親と子の200日戦争~』(主演:高部知子/最高視聴率45.3%)や、同じスタッフが手がけた『私は負けない!ガンと闘う少女』(主演:松本伊代)なども担当されており、キャリア的にも絶頂期にあったと言えるでしょう。実力派のスタッフ・キャストによる、骨太なドラマをぜひ、ご堪能ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<2月の『Gメン’75』>

2月が初回放送となるエピソードは、第117話から第124話です。第117話「日本降伏32年目の殺人」は、第114話と並行して撮影された長崎ロケ編。第123話&第124話は、誘拐をテーマにしたスケール豊かな前後編となっています。ぜひ、ご期待く

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年2月】

<放送日時>

『外科病棟の女医』

2月2日(木)23:00~24:40

2月18日(土)20:30~22:10

 

『盗聴する女』(出演:浅野ゆう子、岡田茉莉子、森次晃嗣ほか)

2月3日(金)13:00~15:00

2月17日(金)13:00~15:00

 

『空白の実験室』(原作:渡辺淳一/出演:浜木綿子、橋爪功、平泉成ほか)

2月10日(金)13:00~15:00

2月24日(金)13:00~15:00

2023年1月26日 | カテゴリー: その他
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                                                               第46回『私は怪魚をみた』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『私は怪魚をみた』をご紹介します。放送日は1981年8月27日でした。主演は丹波哲郎さんと、坂口良子さん。当時の丹波さんのイメージとしては、東映チャンネルでも絶賛、放送中の『Gメン’75』のボス。1981年には、『Gメン’75』も7年目に入っていました(結果的には、これが最終年度となり、1982年の春に終了を迎えます)。そして、坂口良子さんは人気絶頂。生涯の代表作のひとつである『池中玄太80キロ』シリーズは、ちょうどパートⅡが放送中で、8月29日、つまり本作の2日後に、最終回が放送されるというタイミングでした。『池中玄太』は、『Gメン’75』の裏番組。1970年代後半、他局を圧倒する高視聴率を獲得していた『Gメン’75』も、時代が1980年代へと突入したころから人気が落ち着いていきますが、ライバルとなったのは「2時間ドラマ」の『土曜ワイド劇場』や、水谷豊さんの『熱中時代』シリーズ、西田敏行さんの『池中玄太80キロ』シリーズなどの、日本テレビのドラマでした。本作は『Gメン’75』の主演俳優が、ライバルである裏番組のヒロインと、ライバルである「2時間ドラマ」というジャンルで共演した作品、と捉えても面白いでしょう。

 

そして、もっと面白いのは題材です。ストーリーを紹介していきましょう。

仕事一筋で生きてきて、新興の商社を、財閥系と張り合えるまでに大きくした男・矢杉竜二(丹波哲郎)。常務にまで上り詰めた彼は次期社長と目されていましたが、ある日突然、辞表を提出します。取締役たちも、彼の部下たちも、なぜ矢杉が辞めてしまうのか、理解ができませんでした。

会社を去っていく矢杉に声をかけたのは、女性週刊誌の記者・野中由美(坂口良子)でした。「モーレツビジネスマン」の象徴として、矢杉を密着取材したいと考えていた由美ですが、矢杉が会社を辞めたと聞いて絶句します。いったい、矢杉は何を考えているのか。新しい仕事でも始める気なのでしょうか? 由美は矢杉の「今後」に興味を抱きますが、矢杉は何も話しませんでした。

しかし、意外な場所で矢杉の姿を見かけたことから、由美は本格的に、矢杉の「計画」を調べ始めます。矢杉が接触していたのは、世界的な建築家(仲谷昇)や、石油ビジネスで名を馳せた男(佐藤允)でした。やがて、3人は離島である「浮之島」へ。由美は、これらの状況から、ひとつの仮説を立てます。3人は、新たな石油採掘ビジネスを展開しようとしているのではないか?

ところが、それは全くの的外れでした。浮之島で、何か大きなプロジェクトの「準備」を始めている3人に「突撃」した由美は、矢杉から、彼らがやろうとしていることの全貌を、ついに聞き出します。なんと3人は、島の海岸付近に棲息している巨大魚を釣り上げたいという目的で、私財を投じていたのでした……。

 

ようやく、タイトルにつながる部分が出てきましたが、そんなわけで、本作は人生で成功を収めた者たちが、新たなチャレンジを行う姿を追ったドラマです。メンバーの「本気度」が伝わってくるのが、彼らがこの計画のために用意した設備の描写。普通の釣り具で戦えるような相手ではもちろんなく、巨大なクレーンが登場します。3人が島へ渡るまでのシーンでは彼らの真剣な「作戦会議」風景が描かれるのですが、画面に映っているのが丹波さん、仲谷さん、佐藤さんなので、やはり重厚感が違うのです。絶妙なるキャスティングだったと言えるでしょう。

周到に準備したにもかかわらず、巨大魚は想像を絶する難敵で、なかなか人間の叡智に屈することはありませんでした。やがて、矢杉以外の2人は諦めて、島を去ってしまいます。しかし、それでもなお諦めない矢杉。由美はいつしか、最初は「取材対象」でしかなかった人物に、自分が想いを寄せ始めていたことに気がつきます。そして、矢杉はそんな由美に、いままで誰にも話したことがなかった、自分の過去について、話し始めるのでした……。

さて、矢杉は巨大魚を釣り上げることができるのでしょうか。また、由美の気持ちは矢杉に通じるのでしょうか。浮之島の上空を飛ぶ、謎のヘリコプターの正体は!?

 

当コラムの第41回で採り上げた『羆嵐』に続く、「木曜ゴールデンドラマ」の異色作。ひとりの男の生きざまを通して、「人生とは」「幸せとは」といった、壮大なテーマが謳い上げられます。矢杉とは長い付き合いだったクラブのママ役で野際陽子さんが出演しているほか、由美の上司にあたる週刊誌の編集長役で河原崎長一郎さん、浮之島の漁師役で浜村純さんと、助演陣も充実。丹波さん、仲谷さん、野際さんという顔ぶれに『キイハンター』を思い出す方も、きっと多いことでしょう。脚本は、丹波さんも出演した『御用金』(69年)など、五社英雄監督との仕事が印象的な田坂啓さん。監督は新東宝の出身で、国際放映のテレビドラマを中心に長く活躍した高橋繁男さんでした。

最後に……本作の「最大の見どころ」と言えるのは、本編終了後のエンディング映像かもしれません。良くも悪くも物議を醸しそうな、(当時としては)他に類を見ないレア映像となっています。あくまで本編の評価とは別軸で、このエンディング映像についても、ご自身の目で、その「価値」をご判断ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

 

<1月の『Gメン’75』>

1月が初回放送となるエピソードは、第109話から第116話です。第105話からメンバーの半数が一新されたGメン。この時期は新メンバーである立花警部補(若林豪)、中屋刑事(伊吹剛)、速水涼子刑事(森マリア)の活躍編がメインとなっています。第114話では長崎ロケも敢行。ホラータッチの第116話「エクソシスト殺人事件」にも注目です。ぜひ、ご期待ください。

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年1月】

<放送日時>

『私は怪魚をみた』

1月5日(木)11:00~13:00

1月19日(木)11:00~13:00

 

『震える髪』(脚本:橋本綾/監督:池広一夫/出演:秋吉久美子、篠田三郎ほか)

1月12日(木)11:00~13:00

1月26日(木)11:00~13:00

 

『現代神秘サスペンス 間違った死に場所』(出演:浅野ゆう子、野際陽子ほか)

1月13日(金)17:00~18:00

2022年12月26日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! さよなら、わたしの青春。 ずっと、ずっと、あなたの唄を聞き続けます。

お久しぶりです、かめぽんです。
いろいろあってバタバタと秋が過ぎ、今年もあと半月となりました。
なんか、1年、早いんですが!
そんな師走、衝撃的なニュースが…
アニソン界のレジェンド、水木一郎アニキの訃報が入ってきました。
かめぽん、生でアニソンを聴いたの、水木さんが初めてでした。
忘れもしない高校生の頃、某所の野外ステージ。
アニメージュという専門誌が創刊された第一次アニメブームの頃でした。
水木さんの歌を聴いて、何度元気をいただいたか…
一時洋楽やポップスに走ったかめぽん、年取って戻ってきたのはアニソン、歌謡曲。
水木さんをライブで拝見したのは2015年「日本コロムビアのアニソン50周年ライブ」が最後となりました。
もう7年も前なのね。
もっとたくさんライブに行けばよかった(泣)
東映の作品もたくさん唄ってらっしゃいます。
現在放映されているのは「バビル2世」「仮面ライダー(新)」。
水木さんの唄を一緒に口ずさんで偲ぼうと思う。
アニキ、いままで本当にありがとう。

202212

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水木さんの訃報で頭の中はアニソンがこだまするかめぽん。
が、しかし、師走からお正月にかけても楽しい番組は目白押しです。
『マジンガーZ』放送開始50周年 一挙放送! スーパーロボット THE MOVIEを放映中ですが、グレートマジンガーは水木アニキの楽曲。
同じく帝王ささきいさおさんのグレンダイザーやゲッターロボの曲も要チェック。
「東映まんがまつりセレクション 60’s Vol.1」や「宇宙映画特集」など今月はアニメ大充実。
「生誕90年 中村錦之助特集 後編」では師走といえばの「赤穂城断絶」も。
年明けには大型企画「没後20年総力特集 映画監督 深作欣二 Vol.1」もスタート。
深作監督の作品を網羅する大特集をお見逃しなく。

今年の漢字は「戦」。
来年には穏やかで、優しい漢字が選ばれる世の中でありますように。
みなさま、よいお年をお迎えください。

来年もわくわくな東映チャンネル、お楽しみに!

2022年12月14日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第45回『花冷え』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『花冷え』をご紹介します。放送日は1981年2月5日でした。今回、東映チャンネルでの放送は12月で、大晦日にも放送がありますが、劇中では、序盤に大晦日や元日の描写がありますので、12月にご視聴いただくには、ちょうど良い作品かもしれません。

本作は瀬戸内晴美さんの「夏の終り」「黄金の鋲」をベースに映像化された作品です。瀬戸内晴美さんは、いまでは瀬戸内寂聴さんと書いたほうがわかりやすいでしょう。いまからちょうど100年前、1922年(大正11年)に生まれ、1年前の2021年に99歳で亡くなられた尼僧にして、小説家。大正から昭和、平成、令和を駆け抜けた、その波乱に富んだ生涯については、よく知られているところでしょう。約半世紀前の1973年に出家された寂聴さんですが、「夏の終り」が書かれたのは、いまから60年前の1962年。少しややこしいのですが、1963年に出版された短編小説集「夏の終り」には、標題作のほか、その連作という形で「花冷え」というタイトルの作品も収録されていました。本作のタイトルは、ここから採られたものです。そして、ドラマの内容は「夏の終り」がベースになっていますが、ラストの主人公のモノローグ部分には「黄金の鋲」(1967年に発表)の表現が登場します。

「夏の終り」は、1963年に早くも映画化されていました。このときのタイトルは『みれん』で、これも「花冷え」と同様、「夏の終り」の連作として書かれた作品のタイトルでした。池内淳子さんが主演で、その他、仲代達矢さんや仲谷昇さん、西村晃さんらが出演されました。そして、そのちょうど50年後には、満島ひかりさんの主演でふたたび『夏の終り』が映画化されました。主人公の設定は小説家ではなく染色家となっているものの、知子・涼太・慎吾といったキャラクター名は変更されていません。

 

さて、前置きが長くなりましたが、「花冷え」のストーリーについて、ご紹介していきましょう。相沢知子(岩下志麻)は、中堅の女流作家として多忙な日々を送っていました。私生活では、久慈慎吾(中尾彬)という、売れない小説家と暮らし始めてから5年が過ぎていました。ただし久慈とは不倫の関係でした。久慈は、知子の家と、妻子が暮らす家を行き来する日々。大晦日から元日にかけてなど、節目のタイミングでは、妻子のところにいました。しかし、知子もそんな生活に、特にストレスを感じていませんでした。

そんなとき、知子は思いがけない再会を果たします。8年前、自分が夫と乳飲み子を捨てて結ばれた木内涼太(萩原健一)が突然、知子の前に姿を現したのです。知子と涼太の関係は、知子が家庭を捨ててまで選んだものにもかかわらず、すぐに終わっていました。その後、涼太は結婚したものの、いまは別れて独身に戻っているようです。久慈と幸せな日常を送っている知子にとっては、涼太との再会は「ただ懐かしい」ものでした。

ところが涼太にとっては、そうではありませんでした。涼太は知子が久慈と暮らしている家を調べたうえで、久慈が妻子のもとへ帰っている元日に、ひとりぼっちで正月を迎えている知子を訪ねてきたのです。このあたりから、知子の心にも、変化が生じ始めます。後日、久慈の妻からの電話をたまたま受けてしまった知子は、あらためて、久慈には家庭がある、という事実を認識する形になりました。頭の中では理解していても、直接、久慈の妻の声を聞いたことが、知子に大きな影響を与えたようです。久慈と別れることを決意した知子。一方の涼太も、知子を激しく求めていました。しかし、知子にとっては、これは新しい修羅の道の始まりだったのです……。

 

岩下志麻さん、萩原健一さんという2大スターが共演した、大人のラブストーリー。ただしテーマは「不倫」なので、知子や涼太のヒリヒリした思いが、画面を通じて伝わってきます。特に後半はほぼ、この2人だけのやりとりが続く構成。お互いを愛しているのに、どうしてもうまく気持ちが通い合わない2人の、本気のぶつかり合いは凄まじい迫力です。ちなみに、当時の岩下志麻さんは大河ドラマ『草燃える』(79年)の主演を務めた後で、映画『極道の妻たち』シリーズ(86~98年)に出会う前、という状況。萩原健一さんは30歳を迎えたばかりで、黒澤明監督の映画『影武者』に続いて、本作に取り組んだという形でした。2人とも、キャリアの絶頂期へ向かう時期に、本作と出会ったと言えるでしょう。また萩原さんと寂聴さんの交流が長く続いたことも、よく知られるところです。

初回放送から40年あまりを経て、ふたたび世に問われる、寂聴さんの世界。最高の演技者を得て、どのように描かれたのか、この機会にご確認ください。

 

<12月の『Gメン’75』>

12月が初回放送となるエピソードは、第99話から第108話です。サブタイトル通り、「安楽死」の問題を扱った第99話「安楽死」をはじめ、重厚なテーマに挑んだ回が続出。そんな中、第103話では響圭子刑事(藤田美保子)がGメンを去り、第104話では津坂刑事(岡本富士太)が壮絶な殉職を遂げます。さらに第105話からは立花警部補(若林豪)、中屋刑事(伊吹剛)、速水涼子刑事(森マリア)がGメンに加入。約半数のレギュラーが一気に入れ替わった『Gメン’75』は、新時代へと突入していきます。第105、106話では香港、マカオでのロケも行われていますので、ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、10月の前編に続いて、岡本富士太さんインタビューの後編が放送されます。もちろん、殉職編などについてもコメントをいただいておりますので、こちらもお見逃しなく!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年12月】

<放送日時>

『花冷え』

12月8日(木)13:00~14:50

12月31日(土)21:30~23:30

 

『非行少年』(原作:津本陽/脚本:高久進/主演:石立鉄男)

12月9日(金)13:00~15:00

 

『沈黙は罠』(原作:夏樹静子/主演:香山美子)

12月13日(火)13:00~15:00

 

『現代神秘サスペンス 六本木メランコリー』(出演:岩下志麻、原田芳雄ほか)

12月16日(金)19:00~20:00

12月30日(金)19:00~20:00

2022年11月25日 | カテゴリー: その他