その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第45回『花冷え』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『花冷え』をご紹介します。放送日は1981年2月5日でした。今回、東映チャンネルでの放送は12月で、大晦日にも放送がありますが、劇中では、序盤に大晦日や元日の描写がありますので、12月にご視聴いただくには、ちょうど良い作品かもしれません。

本作は瀬戸内晴美さんの「夏の終り」「黄金の鋲」をベースに映像化された作品です。瀬戸内晴美さんは、いまでは瀬戸内寂聴さんと書いたほうがわかりやすいでしょう。いまからちょうど100年前、1922年(大正11年)に生まれ、1年前の2021年に99歳で亡くなられた尼僧にして、小説家。大正から昭和、平成、令和を駆け抜けた、その波乱に富んだ生涯については、よく知られているところでしょう。約半世紀前の1973年に出家された寂聴さんですが、「夏の終り」が書かれたのは、いまから60年前の1962年。少しややこしいのですが、1963年に出版された短編小説集「夏の終り」には、標題作のほか、その連作という形で「花冷え」というタイトルの作品も収録されていました。本作のタイトルは、ここから採られたものです。そして、ドラマの内容は「夏の終り」がベースになっていますが、ラストの主人公のモノローグ部分には「黄金の鋲」(1967年に発表)の表現が登場します。

「夏の終り」は、1963年に早くも映画化されていました。このときのタイトルは『みれん』で、これも「花冷え」と同様、「夏の終り」の連作として書かれた作品のタイトルでした。池内淳子さんが主演で、その他、仲代達矢さんや仲谷昇さん、西村晃さんらが出演されました。そして、そのちょうど50年後には、満島ひかりさんの主演でふたたび『夏の終り』が映画化されました。主人公の設定は小説家ではなく染色家となっているものの、知子・涼太・慎吾といったキャラクター名は変更されていません。

 

さて、前置きが長くなりましたが、「花冷え」のストーリーについて、ご紹介していきましょう。相沢知子(岩下志麻)は、中堅の女流作家として多忙な日々を送っていました。私生活では、久慈慎吾(中尾彬)という、売れない小説家と暮らし始めてから5年が過ぎていました。ただし久慈とは不倫の関係でした。久慈は、知子の家と、妻子が暮らす家を行き来する日々。大晦日から元日にかけてなど、節目のタイミングでは、妻子のところにいました。しかし、知子もそんな生活に、特にストレスを感じていませんでした。

そんなとき、知子は思いがけない再会を果たします。8年前、自分が夫と乳飲み子を捨てて結ばれた木内涼太(萩原健一)が突然、知子の前に姿を現したのです。知子と涼太の関係は、知子が家庭を捨ててまで選んだものにもかかわらず、すぐに終わっていました。その後、涼太は結婚したものの、いまは別れて独身に戻っているようです。久慈と幸せな日常を送っている知子にとっては、涼太との再会は「ただ懐かしい」ものでした。

ところが涼太にとっては、そうではありませんでした。涼太は知子が久慈と暮らしている家を調べたうえで、久慈が妻子のもとへ帰っている元日に、ひとりぼっちで正月を迎えている知子を訪ねてきたのです。このあたりから、知子の心にも、変化が生じ始めます。後日、久慈の妻からの電話をたまたま受けてしまった知子は、あらためて、久慈には家庭がある、という事実を認識する形になりました。頭の中では理解していても、直接、久慈の妻の声を聞いたことが、知子に大きな影響を与えたようです。久慈と別れることを決意した知子。一方の涼太も、知子を激しく求めていました。しかし、知子にとっては、これは新しい修羅の道の始まりだったのです……。

 

岩下志麻さん、萩原健一さんという2大スターが共演した、大人のラブストーリー。ただしテーマは「不倫」なので、知子や涼太のヒリヒリした思いが、画面を通じて伝わってきます。特に後半はほぼ、この2人だけのやりとりが続く構成。お互いを愛しているのに、どうしてもうまく気持ちが通い合わない2人の、本気のぶつかり合いは凄まじい迫力です。ちなみに、当時の岩下志麻さんは大河ドラマ『草燃える』(79年)の主演を務めた後で、映画『極道の妻たち』シリーズ(86~98年)に出会う前、という状況。萩原健一さんは30歳を迎えたばかりで、黒澤明監督の映画『影武者』に続いて、本作に取り組んだという形でした。2人とも、キャリアの絶頂期へ向かう時期に、本作と出会ったと言えるでしょう。また萩原さんと寂聴さんの交流が長く続いたことも、よく知られるところです。

初回放送から40年あまりを経て、ふたたび世に問われる、寂聴さんの世界。最高の演技者を得て、どのように描かれたのか、この機会にご確認ください。

 

<12月の『Gメン’75』>

12月が初回放送となるエピソードは、第99話から第108話です。サブタイトル通り、「安楽死」の問題を扱った第99話「安楽死」をはじめ、重厚なテーマに挑んだ回が続出。そんな中、第103話では響圭子刑事(藤田美保子)がGメンを去り、第104話では津坂刑事(岡本富士太)が壮絶な殉職を遂げます。さらに第105話からは立花警部補(若林豪)、中屋刑事(伊吹剛)、速水涼子刑事(森マリア)がGメンに加入。約半数のレギュラーが一気に入れ替わった『Gメン’75』は、新時代へと突入していきます。第105、106話では香港、マカオでのロケも行われていますので、ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、10月の前編に続いて、岡本富士太さんインタビューの後編が放送されます。もちろん、殉職編などについてもコメントをいただいておりますので、こちらもお見逃しなく!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年12月】

<放送日時>

『花冷え』

12月8日(木)13:00~14:50

12月31日(土)21:30~23:30

 

『非行少年』(原作:津本陽/脚本:高久進/主演:石立鉄男)

12月9日(金)13:00~15:00

 

『沈黙は罠』(原作:夏樹静子/主演:香山美子)

12月13日(火)13:00~15:00

 

『現代神秘サスペンス 六本木メランコリー』(出演:岩下志麻、原田芳雄ほか)

12月16日(金)19:00~20:00

12月30日(金)19:00~20:00

2022年11月25日 | カテゴリー: その他
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第44回『怨霊女子学園』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『怨霊女子学園』をご紹介します。そのタイトルから推察できる通り、放送時期は真夏(8月13日)。当コラムの第42回では、同じく『木曜ゴールデンドラマ』より『悪霊の棲む館』(1980年8月21日放送)をご紹介しましたが、『怨霊女子学園』も『悪霊の~』と同様にプロデューサー=武居勝彦さん(東映)、脚本=藤井邦夫さん(前作では「相里修」名義)、監督=吉川一義さんのトリオで作られました。

 

「聖和女子学園」では、妙な噂が広がっていました。この学園はもともと、双子の姉妹を亡くした父親によって創立され、現在でも、その姉妹を描いた絵が学園内の一室に飾られているのですが、夜になると、姉妹が絵から抜け出し、幽霊のように出没するというのです。そして、もうひとつ。若く美しい美術教師・水村涼子(真行寺君枝)は生徒たちからも人気がありましたが、その涼子が2人いるのではないかという奇怪な噂も……。その話は本人の耳にも届いており、涼子は困惑していましたが、同僚で親友の浅倉先生(五十嵐めぐみ)は、「気にしないほうがいい」とアドバイスします。多感な年頃の生徒たちには、不思議な感覚が備わっており、噂は、その影響に違いないだろうと……。

そんなある日、学園で用務員として働いていた大沢(灰地順)の死体が、校庭の池で発見されました。学園はパニックになりますが、中川園長(小山明子)は教頭(加藤和夫)に対し、「仮に不審な点があったとしても、事故死として処理・報告するように」と厳命します。厳しい園長にそう言われては、教頭としても従わざるを得ません。園長は、自分が人生を懸けて運営している学園に、傷をつけたくなかったのです。

しかし、さらなる事件が起こります。今度は、涼子の噂に関心を持っていた音楽教師(永島暎子)が、屋上から転落死を遂げたのです。しかも、浅倉先生は偶然にも、その瞬間を目撃してしまいました。転落死ではなく、殺人。それも、犯人は涼子……と同じ顔をした人物でした。慌てて浅倉先生は、休暇をとっていた涼子に連絡を入れます。すると涼子は電話に出ました。ホッとした浅倉先生でしたが、同時に、もうひとつの疑惑が確信へと変わっていきます。涼子は本当に、2人いるかもしれないのです。

事件が連続して起こったことで、刑事(小池朝雄)も本格的に捜査を開始しました。刑事は、学園内の噂を調査し、やがて、今回の事件につながる手がかりを入手します。それは、果たして……。

 

全編の大半の舞台となっているのが、タイトルにも入っている「女子学園」です。冒頭から、不気味な「双子の幽霊」が登場。「学園ホラー・サスペンス」として、雰囲気たっぷりな一編となっています。物語の鍵を握る、ミステリアスな涼子を演じた真行寺君枝さんは、当時、テレビドラマ『沿線地図』(79年)や、アサヒビールのCMへの出演などで注目を集めていました。美術教師を演じていますが、放送時点で21歳という若さでした。ベテラン刑事の小池朝雄さん、園長の小山明子さんが貫禄を見せる一方で、ショッキングな死体役を吹き替えナシで演じた灰地順さんの熱演も印象に残ります。

学園という閉鎖的な空間で、悲しい事件が生まれてしまった原因は何なのでしょうか。あっと驚く真相が明かされるラストまで、じっくりとご覧ください。三枝成章さんによる劇伴曲の数々も、素晴らしい仕上がりです!

 

<11月の『Gメン’75』>

11月が初回放送となるエピソードは、第91話から第98話。第94話「ブリュッセル国際空港の女」は、第86話から第88話に続くヨーロッパ・ロケシリーズの1作です。この時期は他にも、第92話「女の留置場」や第93話「29の死神の手紙」、第97話「嫁・姑・孫の戦い」など、衝撃的な展開を見せる回が続出します。ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、『Gメン’75』にも頻繁にゲスト出演されている佐藤仁哉さんが登場。11月から特撮ドラマ『コンドールマン』が放送されることを記念して、当時の秘話をたっぷりと語っていただきました。こちらもお見逃しなく!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年11月】

<放送日時>

『怨霊女子学園』

11月10日(木)13:00~14:50

11月24日(木)20:00~22:00

 

『運命の旅路』(主演:丘みつ子)

11月18日(金)13:00~15:00

11月28日(月)15:00~17:00

 

『現代神秘サスペンス 三階の魔女』(監督:山下耕作/主演:十朱幸代)

11月20日(日)19:00~20:00

11月29日(火)16:00~17:00

2022年10月24日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 帰ってきた亀山くん! 相棒の相棒がぐるっと回って新たなスタートラインに

反町さん@冠城くんが卒業とのことで、新しい相棒が誰になるかいろいろ想像していた。
(個人的には稲垣吾郎くんとかいいかなと思っていたんだけど)
まさかの亀山薫復帰とは。
やるなあ「相棒」。
かめつながりで亀山くんの復帰はめちゃくちゃうれしいかめぽんです。
その新スタートを記念して、東映チャンネルでは【相棒スペシャル】を放映。
土曜ワイド劇場で2時間ドラマとして放映されたのがスタート。
連ドラ版の元祖ともいえる3作品を一挙放映。
かめぽん、連ドラで相棒にはまり、この土ワイ版相棒のDVDボックス買っちゃいました。
連ドラ版とは微妙に違う箇所を探すのも面白い。
「相棒 警視庁ふたりだけの特命係」というタイトルも懐かしい右京&薫の初々しいコンビと、新シリーズの息もぴったりな右京&薫を見比べるのも。

202210

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月のメイン特集は、かめぽんの連れ合いが今年ドはまりした「警視庁物語」の一挙放映がスタート(2か月連続企画【一挙放送! 警視庁物語 前編】)。
後の東映作品で強面役で出ていらっしゃった方々が、渋い刑事役で続々登場。
個人的には捜査主任役の神田隆さんや、若くて二枚目な今井健二さんが大好物(今井さんの刑事さんは特集の後半で観られます)。
おっ!と思う方々が刑事役や犯人役で出演されているので、お見逃しなく。
時代劇では某大河ドラマと時代を同じくする【源平合戦とその時代】を放映。
東千代之介さんと中村錦之助さん主演の「曽我兄弟 富士の夜襲」や大川橋蔵さんが源頼朝を演じる「富士に立つ若武者」など5作品を放映。
ライダー特集やスポーツ映画特集、プリキュアに博奕打ちシリーズと盛りだくさん。
夏の暑さも一段落。
秋の夜長におうちで映画・ドラマ三昧はいかが?

今月もわくわくな東映チャンネル、お楽しみに!

2022年10月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                                                                   第43回『瀬戸内海殺人事件』

先月(9月)はお休みしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。前回が「第42回」だったので、あらぬ想像をした方がいらっしゃるとか、いらっしゃらないとか……。何事もなかったように継続させていただきますので、よろしくお願いいたします。

さて、そんな今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1983年の『土曜ワイド劇場』より『瀬戸内海殺人事件』をご紹介します。原作は草野唯雄(そうの・ただお)先生で、作品は1964年に発表され、1972年に単行本化されました。

 

地質学の権威・重枝昌光教授(穂積隆信)は妻で画家の恒子(水野久美)と険悪な状態になっており、彼の愛情は、いまではお手伝いとして働いている宮本園江(池波志乃)に注がれていました。しかし、恒子は離婚に応じようとしません。そこで重枝はいつしか、恒子を殺害したいと考えるようになりました。

そのチャンスは、意外と早くやってきました。重枝家に仕事で出入りしている青年・和久秋房(原田大二郎)が、重枝に借金を申し込んできたのです。和久は誰にも言えない借金をしており、バレたら会社をクビになることは間違いないため、重枝を頼ったのでした。重枝にとって、この話は好都合。金を工面してやる代わりに、自らが立案した「殺人計画」に、和久をむりやり誘いました。和久と、愛人の園江。この2人に妻の恒子を殺害させて、自分には完全なアリバイを作っておく、というものです。園江は当初、抵抗していましたが、結局、重枝の指示通りに動くことを了承。こうして、ひとつの犯罪が動き出しました。

重枝の計画は周到でした。恒子は、実際には東京で殺され、死体を埋められたのですが、園江が恒子になりすまして行動することで、「恒子は海に身を投げて自殺した」ということになったのです。もちろん、存在するのは状況証拠だけで、海から恒子の死体が発見されることはありません。しかし、恒子は行方不明となっているわけで、これでほぼ、恒子の自殺は成立するのです。あとは重枝、和久、園江が口裏を合わせれば、「完全犯罪」も目前でした。

そんなとき、恒子の自殺に異議を唱える人物が現れました。恒子の妹で、フリーカメラマンをしている尾形明美(浅茅陽子)です。姉の性格をよく知る明美にとって、自殺は考えられませんでした。しかも明美は、重枝家にもよく出入りしており、最近、夫婦仲がうまくいっていないことも知っていました。重枝が姉を殺したのではないか、と直感的に疑った明美は、重枝を介して知り合っていた和久に、真相を究明するために協力してほしいと依頼します。まさか、和久も共犯者だったなどとは、このときの明美には、知る由もありませんでした。

和久は断るわけにもいかず、慎重を期しながら、明美と行動をともにしました。少なくとも重枝には、鉄壁のアリバイがあるのです。いずれ明美も諦めるはず、と思っていた和久でしたが、姉への思いが強い明美は、この事件の不審な点をどんどん指摘していきます。このままでは、完全犯罪に危険信号が!?

ところが、事件に関連して、新たな殺人が起こり……。

 

本作の製作は、テレビ朝日ではなく、朝日放送が担当。四国ロケを敢行し、スケール豊かな推理劇が展開されました。

中盤までの焦点は、真相を隠したい犯人グループ側と、真相を突き止めたい主人公・明美のやりとりです。和久を原田大二郎さんが爽やかに演じていることもあり、途中から観た人などは、明美と和久がコンビで犯人を捜す話のように勘違いするかもしれません。

しかし、本作では後半にあっと驚く「どんでん返し」が待ち受けています。前半、ある一連のシーンで実に巧い演出がなされており、筆者などは、それに見事にダマされてしまいました。ある意味では「禁じ手」と言えるかもしれない展開ですが、映像作品での推理劇の特性が活かされており、決して「ルール違反」ではありません。おそらく、勘の良い方は、ダマされず、劇中の登場人物たちより少々早く、絶妙な「からくり」に気づくのではないでしょうか。とにかく、先のあらすじに記した「新たな殺人」のところまで、ご覧いただければと思います。そこまでを観たら、ラストを確認せざるを得なくなるはずなので。

 

監督は当時、2時間ドラマを中心としつつ、『特捜最前線』にも参加していた松尾昭典さん。日活の黄金時代を支えた手腕は、テレビドラマの世界でも健在でした。本作の翌月には同じ『土曜ワイド劇場』で、森村誠一先生が原作の『高層の死角』を担当(1983年4月30日放送)。さらに同年の8月には、本作と同じ原作者、脚本家(高橋稔さん)、音楽担当(三枝成章さん)、主演という布陣で『ハイミス探偵日記』も手がけています。本作と共通の出演者には他に下川辰平さん、湖条千秋さんがいました。

また、本作には林健樹さん、香野麻里さんも出演されていますが、ご両名は同時期、『科学戦隊ダイナマン』にレギュラー出演。番組の最終盤まで活躍する悪役を好演しました。本作と『ダイナマン』はいずれも、東映の阿部征司プロデューサーが担当しているため、そのつながりでのキャスティングだったと思われます。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<10月の『Gメン’75』>

10月が初回放送となるエピソードは、第83話から第90話。第85話「’77元旦デカ部屋ぶっ飛ぶ!」は、1977年の元日に放送された、深作欣二監督作品です。また、第86話から第88話は、ヨーロッパ・ロケ三部作。時効が成立した三億円事件の真相を突き止めるためGメンがパリへと飛びます。川津祐介さん、范文雀さん、中島ゆたかさん、西田健さんといった『Gメン’75』おなじみのゲスト陣が熱演! ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、津坂刑事を演じた岡本富士太さんが登場。『Gメン’75』の秘話をたっぷりを語っていただきましたので、こちらもお見逃しなく!

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年10月】

<放送日時>

『瀬戸内海殺人事件』

10月8日(土)18:00~19:50

10月21日(金)11:00~13:00

10月31日(月)24:00~26:00

 

『花柳幻舟獄中記Ⅱ』(監督:森崎東/主演:花柳幻舟)

10月23日(日)23:00~25:00

 

『華やかな死体』(監督:池広一夫/主演:竹脇無我)

10月11日(火)22:00~23:50

10月21日(金)13:00~15:00

2022年9月20日 | カテゴリー: その他
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第42回『悪霊の棲む館』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、先月と同じく1980年の『木曜ゴールデンドラマ』作品より、『悪霊の棲む館』をご紹介します。本作が放送されたのは8月21日。タイトルからもおわかりのように、夏の怪奇編として企画されました。ちなみに、前週の8月14日に放送されたのは『さすらいの甲子園』。企画・岡田晋吉さん、プロデュース・中村良男さん、脚本・鎌田敏夫さん、監督・斎藤光正さん、主演・中村雅俊さんと、名作ドラマ『俺たちの旅』(75年)の布陣で製作されました。共演は夏目雅子さんをはじめとして、柴田恭兵さん、高橋悦史さんほか。この作品とは違う意味での「夏らしさ」を目指したのが『悪霊の棲む館』でした。さて、どんなお話かと言いますと……。

 

28歳の尾形彩子(夏純子)は、深夜のラジオ番組のDJとして、高い人気を誇っていました。プライベートでは、番組ディレクターの天間(村野武範)と交際していましたが、仕事が充実している彩子は、まだ結婚などは考えていないようでした。

それは、彩子の過去にも関係があったのかもしれません。彩子は6年前、ある劇団の研究生として、女優を目指していました。そのころ、彩子が交際していたのは、同じ劇団にいた山崎一男(岸部一徳)という青年でしたが、山崎はある日、別の女性と心中。彩子のお腹には山崎の子どもがいましたが、彼女は堕胎手術を受けたのでした。

さらに遡れば、彩子は幼いころ、母(月丘千秋)に殺されかけたことがありました。父が事業に失敗して自殺したことを原因とした、母の衝動的な行為でした。

幸せからは程遠い人生を歩んできた彩子にとって、DJとしての人気は、成功への第一歩でした。しかし、そんなある日、彩子は番組宛てに届いた葉書の山の中に、幼い子どもの字で書かれた、奇妙な葉書が1枚あるのを発見しました。5~6歳くらいの子どもが書いたと思われる文面でしたが、彩子のことを「お母さん」と呼んでいます。まさか、堕胎したはずの子どもからの手紙……!? ひた隠しにしている過去の出来事ゆえ、知っている人は少ないはずなのに、いったいなぜ、こんな葉書が届いたのでしょうか。彩子は、この葉書を手にした日から、精神が不安定となり、仕事でも失敗が続いてしまいます。さらに、同じ子どもが書いたと思われる葉書が、またも届きました。そこにはなんと、自分の父親は「山崎一男」だと書かれていました。錯乱して倒れた彩子。彼女は休暇をとることになりました。

静養先に選んだのは、天間の別荘でした。束の間、仕事のことを忘れて楽しく過ごす彩子でしたが、天間が一日だけ、仕事で東京へ戻ることに。彩子の心に、不安がよぎります。そして、天間が不在になった途端、彩子の身の周りには、不可解にして奇妙な出来事が起こり続けるのでした。それは彩子の幻覚なのでしょうか? あるいは、何者かが彩子を狙っているのでしょうか!? 彩子はひたすら、天間の帰りを待ちましたが……。

 

……というわけで、ひとりの女性が恐怖によって破滅に近い状況にまで陥っていく姿を夏純子さんが熱演しています。夏さんといえば、1970年代を駆け抜けた人気女優。ジャンルを問わない活躍を見せ、幅広いファンを獲得していました。もし80年代も女優を続けていれば、特に2時間ドラマ全盛の時代にはトップスターに君臨していたのではないかと思いますが、残念ながら、1981年に結婚して引退されました。本作はキャリア末期の作品にあたりますが、この1年後に引退されるなんて、実に惜しい!とあらためて痛感します。

あらすじに登場しなかったキャストとしては、恐怖に怯えた彩子を助ける初老の男性・宮本に大滝秀治さん、その友人の医師に早川雄三さん。こんなところで、『特捜最前線』の船村刑事と、『特別機動捜査隊』の松木部長刑事が共演していました。2人が将棋に興じるシーンがあるのですが、これは大滝さんがプライベートで将棋が趣味だったため、演出に採り入れられたのではないかと思われます。

このほか、まだ当時、子役としてデビューしたばかりで、現在も女優として活躍中の長谷川真弓さんが、印象的な役柄で出演。ここでは役柄を敢えて書きませんが、あらすじをよく読んでいただければ、もしかしたら想像がつくかも……!?

 

監督は近年も水谷豊主演『無用庵隠居奉行』シリーズなどを手がけている吉川一義さん。1980年は他に意外なところで『電子戦隊デンジマン』にも「よしかわいちぎ」名義で参加されていました。脚本の「相里修」は、『特捜最前線』で脚本や監督を務めた藤井邦夫さんのペンネーム。東映側のプロデューサーにも、後に『特捜最前線』を担当される武居勝彦さんが名を連ねています。武居さん、藤井さん、大滝さんと来ると、大滝さんが演じる初老の男性・宮本の「正体」が気になってきますが……これもまた、観てのお楽しみということにしておきましょう。

物語は後半まで、かなりインパクトのあるビジュアルが続きますが、終盤の畳みかけるような展開に、ご期待ください。昭和の「テレビ映画」が好きな方には、「こんな作品もあったのか!」と、きっと喜んでいただけるだろうと思っております。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう!

 

<8月の『Gメン’75』>

8月が初回放送となるエピソードは、第65話から第72話。第65話「真夏の夜の連続女性殺人事件」などは、初回放送時も夏でしたし、この時期に観るにはぴったりです。ぜひ、ご期待ください!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年7月】

<放送日時>

『悪霊の棲む館』

8月2日(火)13:00~15:00

8月13日(土)11:00~13:00

8月26日(金)11:00~12:50

 

『大東京四谷怪談』(出演:鰐淵晴子、中島ゆたか、三橋達也)

8月1日(月)23:00~24:30

8月12日(金)11:00~12:30

8月25日(木)13:30~15:00

 

『ステレオ殺人事件』(主演:秋吉久美子)

8月5日(金)11:00~12:00

8月13日(土)5:00~6:00

8月22日(月)14:00~15:00

 

『妻よ安らかに眠れ』(脚本:山田正弘/主演:愛川欽也)

8月5日(金)12:00~13:00

8月16日(火)24:00~25:00

8月27日(土)5:00~6:00

 

『十万分の一の偶然』(監督:藤田明二/出演:田村正和、中谷美紀、岸本加世子)

8月1日(月)13:00~15:00

8月19日(金)11:00~13:00

2022年8月1日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! まだまだ未見の作品ってあるのよね。 かっこいい女性たちが大活躍、ザ・スーパーガール

プレイガールは知っていたけれど、ザ・スーパーガールって知らなかったかも。
でも、石ノ森先生のキャッチアイコンは記憶にあるから、観たことあったのかな?
ということで、ザ・スーパーガール、楽しんでます。
わたしの憧れ、キーハンターの野際さんをボスに、阪神ファンならよく知っているミスター阪神田淵夫人のジャネット八田さん、ちびまる子ちゃんみたいに自分もウララと唄いまくった大好きな山本リンダさん。
他にも素敵なお姉さんたちが勢揃い。
牧れいさんは特撮でお見かけしたし、泉じゅんさん、新藤恵美さんなど、昭和の方たちにはお馴染みの方々も。
サブタイトルを眺めていても、70年代の昭和な感じがして大好き。
旧シリーズのルパン三世をちょっと思い出す。
夏の暑い日、キレのいいスカッとするドラマはいかが。

202208

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネル。

夏休みだもん「スーパーヒーローMAX【仮面ライダー・スーパー戦隊 特集】」。
昭和なかめぽんは「仮面ライダー対じごく大使 4Kリマスター版」が楽しみ。
地獄大使@潮健児さん、大好きだ。
平成ライダーはあまり知らないので、映画版で勉強するのにいい機会かも。
「東映チャンネル×日本映画専門チャンネル共同企画【没後30年 五社英雄 情念の軌跡】」も楽しみ。
夏八木勲さんは大好きな役者さんだったので、主演作、それも時代劇の「牙狼之介」シリーズは見逃せない。
ONE PIECEに千葉真一さん、松方弘樹さんという両スターの特集や、終戦の日がある8月は「特集 終戦と日本政治」を観て、戦後平和な国である日本をもたらしてくれた先人に思いをはせよう。

べらぼうに暑い夏、コロナもまた再流行の兆し。
おうちで映画三昧もいいもの。

今月もわくわくな東映チャンネル、お楽しみに!

2022年8月1日 | カテゴリー: かめぽん