周防正行監督最新作『カツベン!』の12月13日(金)公開を記念し、【監督 周防正行の無声映画講座】と題して、監督自らのセレクションによる無声映画全8作品を特集放送いたします。
邦画・洋画問わず、名監督・名俳優によって、歴史を紡いできた名作の数々。どの作品も、映画『カツベン!』を観る前に、是非押さえておきたい傑作無声映画です。是非、この機会にご覧ください。

活動弁士とは?

今からおよそ100年前の日本では、映画=活動写真はモノクロかつサイレントでした。
そこで上映の際に、映画をより楽しめるよう、語りや説明によって映画を彩ったのが、
活動弁士(通称“カツベン”)である。

周防正行

監督:周防正行

1956年生まれ。東京都出身。
1989年、本木雅弘主演『ファンシイダンス』で一般映画監督デビュー。 再び本木雅弘と組んだ1992年の『シコふんじゃった。』では学生相撲の世界を描き、第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を受賞。 1996年の『Shall we ダンス?』では、第20回日本アカデミー賞13部門独占受賞。 近年では、『終の信託』や『舞妓はレディ』など、多岐にわたる題材に挑み続け、2016年には、紫綬褒章を受章。 最新作『カツベン!』が12月13日に公開予定。

12月放送

  • 散り行く花

    散り行く花 東映チャンネル初

    • [監督] D・W・グリフィス  [主演] リリアン・ギッシュ
    • [弁士] 澤登翠  [製作年度] 1919   [上映時間] 92分
    美しいリリアン・ギッシュを撮るために「クロースアップ」という技術を確立したと言われる「映画の父」グリフィス。様々な演出・撮影技術を生み、映画芸術の基礎を築いた。
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  • 豪傑児雷也

    豪傑児雷也 東映チャンネル初

    • [監督] 牧野省三  [主演] 尾上松之助
    • [弁士] 澤登翠  [製作年度] 1921   [上映時間] 20分
    「日本映画の父」と言われる牧野省三は日本最初の映画スター尾上松之助を生み、トリック撮影を駆使して一世を風靡する。映画の三大原則は、「1.スジ(ストーリー)、2.ヌケ(鮮明な映像)、3.動作(芝居)」であると唱えた。そして、阪東妻三郎、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、月形龍之介、市川右太衛門と次々にスターを育てる。映画『カツベン!』では牧野省三監督を山本耕史さんが、尾上松之助を嘉島典俊さんが演じる。
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第二回 活動写真の醍醐味

  • キートンの探偵学入門

    キートンの探偵学入門 東映チャンネル初

    • [監督・主演] バスター・キートン
    • [弁士] 澤登翠  [製作年度] 1924   [上映時間] 47分
    チャップリン、ロイドと並ぶ喜劇王。無表情で繰り広げるアクションはスリルと驚きと笑いをもたらす。いわゆる「活動写真」という呼び名にもっとも相応しい俳優かもしれない。映画『カツベン!』でもそのアクションシーンを参考にした。
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  • 雄呂血

    雄呂血 東映チャンネル初

    • [監督] 二川文太郎  [主演] 阪東妻三郎
    • [弁士] 松田春翠  [製作年度] 1925   [上映時間] 81分
    歌舞伎の影響を受けていた日本映画の殺陣を、活劇としか呼びようのない「チャンバラ」に変えた記念碑的作品。その後の活動写真に与えた影響は計り知れない。当初は『無頼漢』というタイトルだったが、検閲が入って『雄呂血』になった。映画『カツベン!』では二川文太郎監督を池松壮亮さんが演じている。
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第三回 第1回アカデミー賞

  • 第七天国

    第七天国 東映チャンネル初

    • [監督] フランク・ボーゼイギ  [主演] ジャネット・ゲイナー
    • [弁士] 澤登翠  [製作年度] 1927   [上映時間] 119分
    アメリカの第1回アカデミー賞で監督・脚本・女優賞を獲得した作品。そして、小津安二郎の『学生ロマンス 若き日』(1929年)では、そのポスターが劇中のエピソードのちょっとしたもじりで、主人公の部屋に飾られていた。1927年度第4回キネマ旬報外国映画ベストテン第1位。
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第四回 サイレント映画はここまで来た

  • 國士無双 長尺版

    國士無双 長尺版 TV初 東映チャンネル初

    • [監督] 伊丹万作  [主演] 片岡千恵蔵/山田五十鈴
    • [弁士] 坂本頼光  [製作年度] 1932   [上映時間] 21分
    時代劇の名作喜劇。残念ながら完全版は残っていないが、この20分の断片からも、その笑いのセンスが伝わってくる。伊丹万作は映画監督・伊丹十三の父である。
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  • 大人の見る繪本 生れてはみたけれど

    大人の見る繪本 生れてはみたけれど 東映チャンネル初

    • [監督] 小津安二郎  [主演] 斎藤達雄/吉川満子
    • [弁士] 松田春翠  [製作年度] 1932   [上映時間] 92分
    傑作。初めて見たときは、活動弁士の説明も、楽士の演奏もない、完全なサイレント上映だったが、無音であっても完璧な映画だと思った。1932年度第9回キネマ旬報日本映画ベストテン第1位。
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第五回 巨匠と無声映画、そして活動弁士

  • 瀧の白糸

    瀧の白糸 東映チャンネル初

    • [監督] 溝口健二  [主演] 入江たか子/岡田時彦
    • [弁士] 松田春翠  [製作年度] 1933   [上映時間] 101分
    1933年度第10回キネマ旬報日本映画ベストテン第2位。溝口、小津は「活動弁士」の説明による上映をどんな風に見ていたのだろう。外国の映画監督は、「字幕」と「音楽」だけで映画を見せるのが前提だった。活動弁士の存在する上映スタイルは、その後のトーキー映画制作にどんな影響を与えたのだろうか。ちなみに黒澤明の兄は「活動弁士」であった。黒澤もまた活動弁士の影響を受けていた。
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