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むちゅー刑事
本名:ヒライズミ
棲息地(勤務地):「警視庁銀座懲怒街警察署刑事課
特徴:映画、ドラマに精通し、旨いメシ旨い酒にうるさい。
好きな言葉:「ドブネズミみたいに美しくなりたい」アーカイブ
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第9回 『消えた男』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、先月に続いて『傑作推理劇場』より、1980年作品『消えた男』をご紹介します。『傑作推理劇場』の詳細については、前回のコラムをご参照ください。
『消えた男』の原作は、土屋隆夫先生の短編「加えて、消した」。土屋先生の代表作と言える「千草検事」シリーズは、1982年に『火曜サスペンス劇場』で、北大路欣也さんの主演で2作が放送されたほか、『土曜ワイド劇場』では江守徹さん(80年)、片岡孝夫さん(86年)、渡哲也さん(97年)、『金曜エンタテイメント』(05年)では西村まさ彦さんが、千草検事を演じています。
「加えて、消した」は絶妙なタイトルで、これを頭に入れておくと、もしかしたら劇中でのある“トリック”の解明には少し有利かもしれません。
脚本は、映画『霧の旗』(77年)や『あゝ野麦峠』(79年)などを手がけた服部佳さん。そして監督は、『七人の侍』(54年)などの黒澤明監督作品でチーフ助監督を務めた後、監督デビューして『黒い画集 あるサラリーマンの証言』(60年)、『激動の昭和史 軍閥』(70年)、『翼は心につけて』(78年)などを手がけた堀川弘通監督でした。
主人公は、大学の理学部で助教授をしている秋津俊輔(緒形拳)。彼には結婚して10年になる美しい妻(高林由紀子)がいましたが、かつて流産したことがあり、夫妻の間には子どもはいませんでした。
その日、秋津は教授に随行して、学会への出席のため、京都へ出張していました。新幹線で東京へ戻り、帰宅すると、なんと自宅には、妻と見知らぬ男の心中死体が――!
物語は、こんなショッキングな描写から幕を開けます。しかし、その後、視聴者からすれば、ちょっと意表を突かれる展開になっていきます。
妻の妹・佳代(秋吉久美子)が、一報を聞いてタクシーで秋津家に駆けつけました。そこには、すでに警察が来ていました。妻の遺書もあり、警察は現場の状況から、自殺と断定したようです。でも、そこには、妻と心中したはずの男・仁一(じんいち)の姿はありませんでした。秋津も警察に対して、妻はかつての流産を苦にして自殺したのではないかと証言。現場から“消えた男”がひとりいるはずなのに、そのことについては一切、触れようとしないのです。
佳代からすれば、確かに流産のことを気に病んでいたとはいえ、姉が自殺するなんて、想像もつかないことでした。佳代は前日に、姉の元気な声を電話で聞いているのです。むしろ佳代が気にしていたのは、夫である秋津が出張しているはずなのに、秋津家に他の誰かがいる気配が、電話の様子から感じられたことでした……。
姉は、夫の出張中に不倫をしていたのかもしれない。そして、その男と姉は心中を図ったのかもしれない。でも、だとすれば、その男はどこへ行ってしまったのか?
警察は警察で、秋津が自宅で妻の死体を発見してから、警察へ通報するまでの時間が異様に長かったことに疑問を抱いていました。秋津自身はその理由を、「あまりのことに茫然自失で、気がついたら時間が経っていた」と言っていたのですが……。
そして佳代は、姉が書いた遺書の内容にも疑問を持っていました。筆跡から、姉の文字であることには疑いの余地がなかったのですが、文面に「佳代さん」という表現があったのです。姉から「佳代さん」などと呼ばれたことは、佳代にはありませんでした。彼女の中で、少しずつ、疑惑が「ある確信」へと変わっていきました。そこで佳代は、妻を失ってしまった秋津のために、しばらく身のまわりの世話をしたいという名目で、秋津家で暮らし始めたのです。しかし、佳代が真相に迫ろうとしても、秋津は頑なに、口を閉ざすのみでした。いったい、“消えた男”はどこへ――?
今回は、あらすじを少し長めに書いてみました。ネタバレはもちろん、避けていますが、本作のキモとなるトリックを解く“ヒント”は入れてあります。このトリック、決して大掛かりなものではなく、誰でも日常レベルで可能なもの。本作をご覧になって、思わず膝を打つ方も多いのではないかと思います。
ただ、本作の最大の見どころは、トリックの解明部分ではありません。秋津と佳代の関係性の変化が、じっくりと描かれる点です。ここにこそ、名称・堀川監督の力量が表れていると言えるでしょう。秋津の妻役の高林由紀子さんのほか、刑事役で中条静夫さんも出演されていますが、物語の大半は、秋津と佳代の描写に割かれています。緒形拳さんと秋吉久美子さんという2大スターが演じる、なんとも言えない男女の関係に、貴方もきっと引き込まれていくはずです。
それでは、また次回へ。なお、11月の「違いのわかるサスペンス劇場」では、本作のほか、同じく『傑作推理劇場』1980年作品より、『尊属殺人事件』(原作:和久峻三/出演:辰巳柳太郎、浅茅陽子、片桐夕子ほか)も放送されます。『火曜サスペンス劇場』の1982年作品『たそがれに標的を撃て』(出演:菅原文太、日色ともゑほか/監督:鷹森立一)や、『土曜ワイド劇場』の同じく1982年作品『透明な季節』(出演:芦川誠、石橋蓮司、田村高廣、中野良子ほか/監督:藤田敏八)も久しぶりの放送ですね。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください!
文/伊東叶多
<放送日時>
『消えた男』
11月2日(土)14:00~15:00
11月23日(土)13:00~14:00
『尊属殺人事件』
11月2日(土)13:00~14:00
11月23日(土)14:00~15:00
『たそがれに標的を撃て』
11月9日(土)13:00~14:50
11月28日(木)11:00~13:00
『透明な季節』
11月16日(土)13:00~14:50
11月30日(木)13:00~14:50
2019年10月29日
カテゴリー: その他
かめぽん
チューもく!! 年齢を重ねた渋さも加わった、あぶない刑事 舘ひろし
「終わった人」。なかなか鋭いタイトルである。人生も晩年にさしかかったかめぽんにも、こころにチクリとくる響き。いやいや、まだまだ終わりませんよ。世の中、楽しいこと(&美味しいもの)はたくさんあるんだから。
あぶない刑事な舘ひろしさんが、本作でモントリオール世界映画祭最優秀主演男優賞を受賞。コメディタッチのこころ温まる映画だ。
そういえば、遙か昔、かめぽんの友人は「あぶない刑事」が大好きで(彼女は柴田恭兵さんが好きだったみたい)、ある日、録画を頼まれた。当時はビデオ。今の時代と違って、見逃しした作品をネットで観たりもできないし、多チャンネルでなかったから番組が重なるとなかなか大変だったのだ。で、彼女から預かったビデオテープに番組を録画。一応、内容を確認しようと再生してみたら、なぜか松方さんの遠山の金さんが録画されていた。血の気が引き、友人に平謝り。友人は「あぶない刑事」を頼んで「遠山の金さん」が録画されているなんて、あまりにも違いすぎで(チャンネルすら違うし)笑って許してくれたっけ。
その「あぶない刑事」も今月は「始動40周年記念【セントラル・アーツの軌跡 Vol.12 あぶない刑事】」で取り上げている。友人を呼んで一緒に観ようかしらん
今月は「プリキュア映画カーニバル!2019秋」や「仮面ライダー劇場版スペシャル」「東映動画 名作アニメ劇場」などのアニメ特撮コンテンツも充実。時代劇特集はかめぽんの大好きな近衛十四郎さん。「忍者狩り」など渋い作品が放映される。
任侠からお色気、家族揃って楽しめる作品まで幅広くお届け。「マダム・スキャンダル 10秒死なせて[R15+版]」はかめぽんの好きな西田健さんがご出演。どきどきするなあ。
今月も、わくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜
2019年10月1日
カテゴリー: かめぽん