サイト内検索
むちゅー刑事
本名:ヒライズミ
棲息地(勤務地):「警視庁銀座懲怒街警察署刑事課
特徴:映画、ドラマに精通し、旨いメシ旨い酒にうるさい。
好きな言葉:「ドブネズミみたいに美しくなりたい」2024年12月 月 火 水 木 金 土 日 « 11月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 アーカイブ
- 2024年11月 (1)
- 2024年10月 (1)
- 2024年9月 (1)
- 2024年8月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年10月 (1)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (1)
- 2023年6月 (1)
- 2023年5月 (2)
- 2023年4月 (1)
- 2023年3月 (2)
- 2023年2月 (1)
- 2023年1月 (1)
- 2022年12月 (2)
- 2022年11月 (1)
- 2022年10月 (2)
- 2022年9月 (1)
- 2022年8月 (2)
- 2022年7月 (2)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (3)
- 2022年3月 (2)
- 2022年2月 (3)
- 2022年1月 (1)
- 2021年12月 (2)
- 2021年11月 (2)
- 2021年10月 (3)
- 2021年8月 (2)
- 2021年7月 (2)
- 2021年6月 (3)
- 2021年4月 (3)
- 2021年3月 (2)
- 2021年2月 (2)
- 2021年1月 (2)
- 2020年12月 (2)
- 2020年11月 (2)
- 2020年10月 (2)
- 2020年9月 (2)
- 2020年8月 (2)
- 2020年7月 (2)
- 2020年6月 (3)
- 2020年5月 (2)
- 2020年4月 (2)
- 2020年3月 (2)
- 2020年2月 (2)
- 2020年1月 (1)
- 2019年12月 (2)
- 2019年11月 (2)
- 2019年10月 (2)
- 2019年9月 (2)
- 2019年8月 (2)
- 2019年7月 (3)
- 2019年6月 (1)
- 2019年5月 (2)
- 2019年4月 (2)
- 2019年3月 (2)
- 2019年2月 (2)
- 2019年1月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年11月 (1)
- 2018年10月 (1)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (1)
- 2018年6月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (1)
- 2018年3月 (1)
- 2018年2月 (1)
- 2018年1月 (1)
- 2017年12月 (2)
- 2017年11月 (1)
- 2017年9月 (2)
- 2017年8月 (1)
- 2017年7月 (1)
- 2017年6月 (1)
- 2017年4月 (1)
- 2017年3月 (1)
- 2017年2月 (1)
- 2017年1月 (1)
- 2016年12月 (1)
- 2016年11月 (1)
- 2016年10月 (1)
- 2016年8月 (1)
- 2016年7月 (1)
- 2016年6月 (1)
- 2016年4月 (1)
- 2016年3月 (3)
- 2016年2月 (1)
- 2016年1月 (1)
- 2015年12月 (1)
- 2015年11月 (1)
- 2015年10月 (2)
- 2015年9月 (2)
- 2015年8月 (1)
- 2015年7月 (1)
- 2015年6月 (2)
- 2015年5月 (2)
- 2015年4月 (1)
- 2015年3月 (2)
- 2015年2月 (1)
- 2015年1月 (2)
- 2014年12月 (2)
- 2014年11月 (2)
- 2014年10月 (1)
- 2014年9月 (3)
- 2014年8月 (1)
- 2014年7月 (4)
- 2014年6月 (1)
- 2014年5月 (2)
- 2014年4月 (1)
- 2014年3月 (1)
-
最近の投稿
カテゴリー
- かめぽん (112)
- その他 (58)
- ランチ 飲み屋 情報 (2)
- 映画 ドラマ情報 (14)
カテゴリー別アーカイブ: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第51回「ダブル・パニック’90 ロス警察大捜査線!」
第50回を迎えたところでお休みしておりました「東映テレビドラマLEGACY」ですが、4カ月ぶりに、(少々リニューアルしつつ)お届けします。今後も不定期で続けていければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
さて今月のトピックスは、なんといっても【没後20年総力特集 映画監督 深作欣二】にて、深作監督が東映で唯一、手がけたスペシャルドラマ『ダブル・パニック’90 ロス警察大捜査線!』が放送されることでしょう。
中村雅俊さんが「ロサンゼルス市警アジア特捜隊」の捜査官・マイケル村上を演じる『ロス警察』シリーズは、これが2作目。第1作『ロス警察1989 ビバリーヒルズ殺人事件』と第3作『ロス警察’94 ウエストコースト殺人事件』は、いずれも佐藤純彌監督が手がけています。第2作では、佐藤純彌監督は脚本を担当し、「脚本:佐藤純彌/監督:深作欣二」という強力タッグが組まれました。放送は1990年10月14日。テレビ朝日「日曜洋画劇場」の特別企画という扱いでした。
企画製作協力という形で本作に関わっているのが、実際にロス市警アジア特捜隊のチーフとして活躍し、「ロス疑惑」事件で日本でも有名になったジミー佐古田さんです。そして製作は「近藤照男プロダクション」。そう、『キイハンター』(68年)や『Gメン’75』(75年)などのプロデューサーを務めた近藤照男さんが、東映を退社後に設立したプロダクションです。1990年代にはTBSで石ノ森章太郎先生が原作の『HOTEL』をドラマ化して長期シリーズに育て上げるなど、独立後もヒットメーカーだった近藤さんにとって、深作監督や佐藤監督が「盟友」と呼べる存在。本作には他にも撮影の下村和夫さんなど、近藤さんの作品にゆかりのスタッフが数多く参加しています。その一方で、後に「平成仮面ライダーシリーズ」をヒットさせ、最新作『仮面ライダーガッチャード』(9月より放送開始!)においてもパイロット監督を務める田﨑竜太監督の名前が助監督としてクレジットされている点も東映ファンにとっては注目ポイントでしょう。
さて、本作のストーリーですが、1990年といえば、(実際には崩壊寸前でしたが)日本はバブル景気の真っ只中にありました。日本の企業もどんどん海外進出を果たしていましたが、「人種の坩堝」ロサンゼルスにおいて、「金持ち」日本人は犯罪の格好の標的となっていました。
マイケル村上の妻・ナンシー(藤真利子)はある朝、体調を崩した柿沢夫人(中田喜子)から、娘・絵利子(塙紀子)を学校まで送ってほしいと頼まれました。そこでナンシーは娘・スージーと絵利子を乗せて車を走らせましたが、3人は誘拐されてしまいます。
誘拐犯の目的は、大宝商事の支店長・柿沢(小野寺昭)を脅迫して、身代金を手に入れることでした。犯人たちは、柿沢の妻と娘を誘拐するつもりが、実際に車に乗っていたのは娘のみで、あと2人(ナンシー/スージー)については想定外でしたが、そのまま計画を続行します。誘拐犯「ビッグD」からの電話を受けた柿沢は、すぐにマイケルに連絡。マイケルもまた、自分の妻と娘が誘拐されたことを知るのでした。
犯人からの要求は、1時間以内に小額紙幣で50万ドルを用意しろ、というもの。柿沢は系列銀行の水木支店長(角野卓造)に頼んで、なんとか身代金を準備できましたが、柿沢とマイケルが銀行から受け渡し場所へ向かおうとしたとき、そこへ銀行強盗がやってきます。柿沢たちは人質になってしまいました。短時間のうちに、2つの事件(ダブル・パニック)に巻き込まれた、マイケルと柿沢、そしてその家族。果たして、彼らの運命は?
序盤から緊迫感に満ちた展開が続く物語で、2時間が短く感じられることでしょう。少しマニアックな話をすれば、「誘拐事件が発生し、身代金が必要になるが、その準備の過程で銀行強盗事件も発生して、身代金を動かせなくなる」という、2つの事件の「同時進行」プロットは、『Gメン’75』の300回記念作品「盗まれた女たち」前後編(1981年放送)からの継承です。この回の脚本も佐藤純彌監督が手がけており、いわゆる「セルフ・リメイク」作品と言えるでしょう。もちろん、舞台が日本からロサンゼルスへと移ったことで、細かい部分は変更されています。「盗まれた女たち」をご覧になったことがある方も、この別パターンを楽しんでいただけるのではないでしょうか。放送を、どうぞお楽しみに!
文/浮間舟人(Light Army)
ダブル・パニック’90 ロス警察大捜査線!
放送日時
2023年9月2日(土)15:30~18:00
2023年9月14日(木)20:00~22:30
2023年9月25日(月)12:00~14:30
2023年9月1日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第50回『夢芝居』
記念すべき50回を迎えた、今月の「東映テレビドラマLEGACY」。今回は1982年の『木曜ゴールデンドラマ』より『夢芝居』をご紹介します。放送日は1982年1月28日。ちなみに現在、東映チャンネルで放送中の『太陽戦隊サンバルカン』は、本作の放送の2日後が最終回でした。
長い間、旅役者をしていた松方紋平(芦屋雁之助)が、所属していた一座を脱退しました。原因は、座長(人見きよし)と揉めてしまったこと。芝居に未練はあるものの、紋平は一座ではずっと端役。これから、どう生きていくかのアテもないまま、辿り着いたのは息子・健(鈴木ヒロミツ)とその妻(秋野暢子)が暮らす団地でした。
しかし、どういうわけか、健は妻に、自分の父親はすでに死んだと伝えていました。そのため、突然訪ねてきた「義父を名乗る男」に、妻はびっくり。やがて誤解は解けましたが、今度は別の問題が浮上します。紋平はこのまま、息子夫婦の世話になるつもりなのか? 健は妻から「なんとかしてほしい」と頼まれ、翌朝、紋平宛てに「出て行ってほしい」というメモを残して会社へ行きました。
帰宅してみると、紋平の姿がありません。健はホッとしましたが、それも束の間でした。紋平は、出て行ったのではなかったのです。団地の屋上で、自殺しようとしていた少女・未歩(浅野温子)を思いとどまらせた紋平は、未歩の話を聞いてやり、次第に打ち解け、そのまま屋上で、2人で佇んでいたのでした。
妻から責められる健。彼はもうひとつ、悩みを抱えていました。団地の自治会で、谷村会長(小池朝雄)を補佐する立場にあった健ですが、住民が納めている自治会の会費を谷村が着服しているという疑惑が浮上。住民たちからは健にも同じく疑惑の目が向けられ、精神的に疲弊していたのです。
そんな中、谷村自治会長は、健の父の「前歴」を知って、次の「団地祭り」の目玉として紋平が主演の芝居「名月赤城山」を上演したいと言い出しました。紋平の協力をとりつけてくれれば、その礼金として30万円を出すと言われた健の妻は、健の紋平に対する複雑な思いも知らず、紋平への態度を一変させます。紋平にとっても、一度は演じてみたいと願いながら、これまで叶わなかった、念願の「国定忠治」役が転がり込んできたわけで、燻っていた「役者魂」にふたたび火がつきました。
もちろん、ひとりで芝居ができるはずもなく、「松方紋平一座」を急遽、立ち上げるべくオーディションが開催されます。一方、紋平は、未歩の絵の才能に惚れ込み、芝居の書割を描いてほしいと依頼します。こうして、「名月赤城山」上演への準備が少しずつ、進んでいきましたが……。
公募脚本の優秀作のドラマ化。マンモス団地の住民たちの、さまざまな人間模様が描かれました。上田未歩役の浅野温子さんは当時20歳で、回想シーンではセーラー服姿も披露しています。未歩は学生時代から画家を目指しており、憧れの沢村先生(火野正平)から直接の指導を受けられるようになったことを喜びますが、その沢村から、酷い裏切りを受けてしまいます。また、奔放な母(中原早苗)との確執など、未歩をめぐる展開は濃密で、紋平と健の父子のドラマに勝るとも劣らない印象を残しました。
主演の芦屋雁之助さんといえば、当時は『裸の大将放浪記』シリーズの画家・山下清が当たり役。本作の2年後にはシングル曲「娘よ」が大ヒットし、『紅白歌合戦』にも出演を果たしました。ちなみに本作のタイトルを聞いて、多くの人が連想するのは、現在もテレビ界で活躍を続けている梅沢富美男さんのヒット曲のほうでしょう。こちらがリリースされたのは、本作の放送から10ヶ月後の(1982年)11月21日。本格的にヒットし始めたのは、1983年に入ってからのことでした。
クライマックスは、団地祭りで「名月赤城山」が上演されるシーン。そこで起こる、衝撃の出来事にご注目ください。
<5月の『Gメン’75』>
5月が初回放送となるエピソードは、第143話から第150話です。この期間のトピックはなんといっても、第145話から第148話にかけて、4話連続のストーリーが展開されたヨーロッパロケシリーズでしょう。豪華ゲスト陣の出演に加え、新エンディング曲「道」もこのシリーズから使用されます。ぜひご期待ください。
なお6月からは『プレイガール』の続編、『プレイガールQ』もついにスタートします!
文/伊東叶多(Light Army)
【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年5月】
<放送日時>
『夢芝居』
5月11日(木)11:00~13:00
5月22日(月)23:30~25:30
5月27日(土)18:30~20:30
5月30日(火)13:00~15:00
『女の中の風』(出演:浅野ゆう子、加藤治子、山岡久乃ほか)
5月1日(月)23:00~25:00
5月10日(水)11:00~12:50
5月18日(木)11:00~13:00
『連鎖寄生眷属』(出演:丘みつ子、千石規子ほか)
5月8日(月)11:00~13:00
5月13日(土)15:00~17:00
5月25日(木)11:00~12:50
2023年5月2日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第49回 『ハイミス探偵日記 空中サーカス殺人事件』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1983年の『土曜ワイド劇場』より『ハイミス探偵日記 空中サーカス殺人事件』をご紹介します。放送日は1983年8月20日でした。ちょうど40年前の夏ということになります。
本作の主人公は、フリーカメラマンの尾形明美。演じるのは浅茅陽子さんです。この情報だけで、「おや、どこかで聞いたような……」と思った人もいるかもしれません。そう、このコラムの第43回で紹介した『瀬戸内海殺人事件』(1983年3月19日放送)の主人公と、同一人物なのです。
さらに言えば、『瀬戸内海殺人事件』と本作は、原作者(草野唯雄先生)、脚本家(高橋稔さん)、音楽担当(三枝成章さん)、監督(松尾昭典さん)も同じ。製作も同じく大阪・朝日放送です。つまり、簡単に言ってしまえば、「尾形明美シリーズ2」なのでした。行動力のある明美が、事件に巻き込まれながらも、その真相を暴いていく物語。前作を観ていなくても楽しめますし、そもそも前作の匂いを感じさせるような描写も出てきません。安心して(?)、ご覧ください。
周囲の友人たちが次々と結婚していく中、尾形明美は仕事で充実した日々を送っていました。とはいえ、常に「誰かに恋していたい」という気持ちも人一倍強い明美は、偶然に出会ったサーカス団員の青年・福島(伊庭剛)に興味を抱きます。編集長(梅津栄)に強引に許可を取った明美はサーカス団への密着取材を敢行。横須賀で公演を行う彼らと生活をともにしながら、サーカスの魅力を学んでいくのでした。
しかし、初日の夜から、明美は不審な事件に遭遇してしまいます。サーカスのテントの中に侵入していた何者かが、車に乗って去って行くのを目撃したのです。そして翌日の空中ブランコショーでは、ロープが途中で切れるという事故が発生しました。ロープには、刃物であらかじめ、傷がつけられていたのです。いったい、誰がこんなことを? 疑惑が広がる中で、サーカス団がさらなる問題を抱えていたことが発覚します。地元の暴力団の組長・峯岸(名和宏)が、公演の売上金を持って行ってしまいました。これでは、彼らは公演を続けることはおろか、日々の生活も満足に出来なくなるに違いありません。そんな状況にあっても団長(南利明)を中心に、メンバーはお客さんを喜ばせようとがんばっていました。
ところが、間もなく峯岸の死体が発見されました。警察は、「動機」のあるサーカス団に疑いの目を向けます。しかし峯岸の死亡推定時刻には、サーカス団は公演中でした。確実なアリバイが彼らに存在したことで、ホッと胸をなで下ろす明美でしたが……。
タイトルの「ハイミス探偵日記」は伊達ではなく、明美が取材メモを兼ねて細かく書いていた日記の中に、事件の謎を解くヒントがある……という仕掛けになっています。そのことがテロップで視聴者にも示されるというのがユニークな趣向。このあたりは、『瀬戸内海殺人事件』の原作で、謎解きの章に入る前に「読者への挑戦」という項を挟んだ草野先生のアイデアか、もしくは、それにヒントを得たスタッフ側によるオマージュと思われます。
実際、「犯人」が使ったトリックは、『瀬戸内海殺人事件』に続いて、大掛かりなもの。映像作品の利点を活かした、大胆な「犯行」の描写を、お楽しみください。
ところで、主人公の明美は「ハイミス」という設定が、アイデンティティのひとつになっています。「オールドミス」よりもイメージが(若干)良いということで定着した表現だったと思いますが、こういった表現自体、現在では死語でしょう。そのあたりは、あまり目くじらを立てることなく、あくまで「当時の感覚」ということで、ご理解いただければと思います。共演陣ですが、とりわけ注目なのが、サーカス団の人気メンバーとして、抜群のスタイルを披露しているMIE(現:未唯mie)さんです。当時のMIEさんといえば、1981年にピンク・レディーを解散したばかり。ソロシンガー、女優としての新たな活動を始めて3年目という時期でした。本作の翌年には、ビクターからCBSソニーに移籍し、第1弾としてリリースしたドラマ『不良少女とよばれて』の主題歌「NEVER」が大ヒットを記録します。また、「ピエロのカメさん」を演じている大坂志郎さんをはじめとするベテランの俳優さんたちが、ふだんはあまり観られないような劇中メイクをした姿を楽しめるのも、本作の見どころかと思いますので、チェックしてみてください。
<4月の『Gメン’75』>
4月が初回放送となるエピソードは、第135話から第142話です。ちょうど、1977年の末から、1978年へと入っていく時期に放送されたエピソードが並びます。この頃は『Gメン’75』の視聴率が最も高かった期間にあたり、各話の内容も充実しています。題材もバラエティに富んでおり、どの回にも、新鮮な驚きがあるはずです!
文/伊東叶多(Light Army)
【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年4月】
<放送日時>
『ハイミス探偵日記 空中サーカス殺人事件』
4月6日(木)11:00~12:50
4月22日(土)20:00~21:50
4月29日(土)14:00~16:00
『恋人交換殺人事件』(原作:赤川次郎/出演:池上季実子、柴俊夫、名古屋章ほか)
4月1日(土)14:00~16:00
4月17日(月)22:00~24:00
4月20日(木)11:00~13:00
『妻の疑惑』(原作:笹沢左保/出演:浜木綿子、井川比佐志、川地民夫、速水亮ほか)
4月13日(木)11:00~13:00
4月24日(月)15:00~17:00
2023年3月28日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第48回 『雨月荘殺人事件』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1988年の『火曜サスペンス劇場』より『雨月荘殺人事件』をご紹介します。放送日は1988年10月18日でした。ちょうど35年前、昭和63年の秋にあたります。本作が放送される約1ヶ月前の9月19日に昭和天皇が吐血され、以降は日々、陛下のご容態がテレビでも放送され続けました。東映のテレビ作品でいえば、現在ちょうど東映チャンネルで放送中の『さすらい刑事旅情編』(10月12日~)や『仮面ライダーBLACK RX』(10月23日~)が同時期に放送を開始しています。本作をご覧になる際は、そんな時代背景も想像しながら……というのも一興かと。原作は、和久峻三先生の『雨月荘殺人事件 公判調書ファイル・ミステリー』。元・裁判官という人物が講師を務める市民セミナーで、その人物が実際に担当した事件を、当時の捜査資料を基に説明していく(読者はその資料や、セミナー出席者の発言などを追っていく形となる)、という一風変わった趣向となっています。当時、海外で『マイアミ沖殺人事件』などの、いわゆる「捜査ファイル・ミステリー」という形式で人気を得ており、これに着目した出版社が弁護士としての顔も持つ和久先生に企画を打診。生まれたのが、和久先生の知識を活かした「公判調書ファイル・ミステリー」だったわけです。この試みが評価されて、和久先生は1989年に第42回「日本推理作家協会賞」を受賞されました。
そのままでは映像化しにくいと思われる本作ゆえ、ドラマ化にあたっては、探偵役として「元・警察署長で、定年退職後に推理作家デビューした」という主人公が設定されました。原作に登場していた(ドラマ版には登場しない)キャラクターのひとり、盲目の詩人・吉野の苗字と、原作者の名前を合体させた「吉野俊三」が、その主人公。「落ちる」という作品で「ミステリー文学賞」を獲り、注目を集めたものの、第2作の執筆がなかなか進まず、編集者から逃れて執筆に集中するために、かつて泊まったことのある「雨月荘」を再訪したところ、そこで事件に巻き込まれてしまうのです。それでは、あらためてストーリーを紹介していきましょう。
湯河原(原作では長野県)にある旅館「雨月荘」は、経営不振に陥っていました。「雨月荘」を所有するのは「月ヶ瀬興業」という会社。ある日、社長の月ヶ瀬都子(朝比奈順子)をはじめ、都子の夫で副社長の紀夫(金子研三)、専務の高倉(西田健)、社長秘書の井口倫子(李星蘭)が揃って「雨月荘」へやって来ました。どうやら、「雨月荘」を存続できるかどうかの瀬戸際に陥っているようです。
そもそも都子は先代の社長に見初められて結婚したが、先代の死去に伴って社長を引き継いだ人物。経営能力に乏しいばかりか態度も傲慢で、「雨月荘」で働く人々からも嫌われていました。また、再婚相手の紀夫との仲も、すっかり冷え切っている始末。一方で、秘書の倫子とはレズ関係にありましたが、都子は倫子が最近、高倉と男女の関係になっていることにも気づいていました。自業自得ながら、都子は四面楚歌の状況にあったというわけです。融資の話も断られ、彼女は追いつめられていました。
「雨月荘」がそんな状態の真っ只中にあるとき、ひとりの客がやってきました。かつて、妻で舞台女優の美沙子(野川由美子)と「雨月荘」へ新婚旅行で来たことのある、作家の吉野俊三(小林桂樹)です。彼は新作の構想に行き詰まり、若手編集者・佐川明(香川照之)の追撃を逃れるために、自宅から「逃亡」したのです。
従業員の前田照代(左時枝)は吉野のことを覚えており、彼の再訪を大いに喜びました。ふたりの会話も弾みます。しかし吉野は照代から、4年前に「雨月荘」の納屋で悲しい事件があったことも聞かされました。吉野も新婚旅行のときに会っていた、桂木雪江(北沢美紀)という女性が自殺したのです。照代によれば、雪江の自殺は、都子に激しく苛められたことが原因でした。照代だけでなく、支配人の藤本二三夫(渡辺篤史)をはじめとする「雨月荘」の従業員たちはみんな、都子や経営陣のことを嫌っていました。
そして翌朝。雪江が自殺した納屋で、都子の死体が発見されます。現場の状況や、都子の置かれていた苦況を考えると、自殺の可能性が高いと思われましたが、それにしては、遺書がありません。吉野は、都子の首に括られていたロープの結び方が特殊なものだったことに、まず疑問を感じました。都子自身が結んだものではないとしたら、これは「殺人事件」ということになります。小田原署の辻野警部(藤木悠)は、大先輩にあたる吉野に捜査への協力を求めました。原稿の締切があるにもかかわらず、これを承諾する吉野。やがて、納屋から紀夫の指紋が発見されました。紀夫には、都子と結婚する前に犯罪歴があったのです。さらに言えば、動機もじゅうぶんにあります。しかし、紀夫と面識があった吉野には、紀夫が犯人だとは思えませんでした……。
舞台は一貫して「雨月荘」と、その周辺のみ。とはいえ、見事な脚色と、多彩な演技陣の活躍で、観る者を飽きさせません。吉野の妻・美沙子が夫の後を追って「雨月荘」へやってきて、さらに、そのことがきっかけで吉野の行き先がバレて、編集者の佐川も駆けつけてしまう、といったサブストーリーの部分も楽しめます。注目は、1988年の春に東京大学を卒業したばかりで、まだドラマ出演の経験が数本しかなかった時期の、香川照之さんの出演です。後に、「平成」時代を代表する俳優のひとりとなっていく香川さんですが、昭和末期=デビュー当時から独特の個性を発揮していたことを、本作で確認していただけるでしょう。また、『Gメン’75』の山田刑事役などで、刑事役には定評がある藤木悠さんも軽妙な味で好演。藤本役の渡辺篤史さんは当時、東映で『じゃあまん探偵団 魔隣組』にレギュラー出演中でした。
決してハデさはない本作ですが、指紋や足跡をめぐるトリックを吉野たちが解いていく流れは、異色の構成となっている原作の特徴も反映されており、「地に足の着いた」堅実な作りになっています。春の足音が聞こえてくる3月、どこか懐かしさも感じさせてくれるミステリー作品の魅力を、ぜひご堪能ください。
<3月の『Gメン’75』>
3月が初回放送となるエピソードは、第125話から第134話です。第126・127話は、倉田保昭さんが演じる草野刑事のアクションが冴える、香港ロケ編。また第132・133話も、Gメンが絶体絶命の危機に追い込まれる、前後編のサスペンス大作となっています。また、そんな中で第131話「少女餓死」のような、単発の衝撃的エピソードも……! ますます充実していく『Gメン’75』に、大いにご期待ください。
文/伊東叶多(Light Army)
【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年3月】
<放送日時>
『雨月荘殺人事件』
3月9日(木)11:00~12:50
3月16日(土)20:00~22:00
『断罪』(原作:和久峻三/主演:松尾嘉代)
3月16日(木)11:00~12:50
3月20日(月)22:00~24:00
『花園の迷宮』(監督:斎藤光正/主演:斉藤由貴)
3月23日(木)11:00~13:00
2023年2月27日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第47回『外科病棟の女医』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1983年の『土曜ワイド劇場』より『外科病棟の女医』をご紹介します。放送日は1983年8月6日でした。ちょうど40年前、1983年の夏というと、7月に任天堂が「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)を発売。8月の全国高校野球選手権大会では、あのKKコンビ(清原和博・桑田真澄)の活躍で、大阪のPL学園高校が優勝しました。この当時、KKコンビは1年生。大会の開幕は8月8日(月)だったので、『外科病棟の女医』が放送された時点では、まだ2人は「全国区」の知名度ではなかったことになります。
7月下旬には、山陰地方で豪雨のために死者・行方不明者が100人を超えるという災害が発生しました。『外科病棟の女医』は、偶然でしょうが、その山陰地方=鳥取県米子市が全編の舞台となっています。東映の歴代テレビ作品ではおなじみ、皆生グランドホテルも登場しました。原作は、井口民樹先生の『外科病棟の陰謀』。ストーリー的には、こちらの原題のほうが、よく内容を表していると思います。主人公となる若き外科医を演じるのは、真野響子さん。凛とした美しさに、妖艶さも兼ね備えた「和泉加代」を好演されています。ちなみに、翌週(8月13日)に放送された『死美人ホテル』の主演は、真野さんの夫である柴俊夫さんでした。また、イメージ的には意外な役で出演している岡江久美子さんは、前週(7月30日)放送の『火の坂道』に続いての『土曜ワイド劇場』出演。さらに遡ると、7月23日放送の『団地妻のさけび』には、岡江さんの夫である大和田獏さんが出演。2人はこの年の春に結婚したばかりでした。
さて、ストーリーを紹介していきましょう。
鳥取県米子市にある北陽大学の医学部附属病院で外科医として働いている和泉加代は、同じ第一外科で働く講師・交野修治(田村亮)と交際していました。2人は結婚を決め、加代にとっては恩師にあたる第一外科の緋田教授(下元勉)に、その意思を報告に行きます。しかし緋田は、2人の結婚を快く思っていないらしく、加代が学位を取るまで待てと、事実上の「反対」を表明しました。緋田は年齢を離れた加代に想いを寄せており、交野に加代を「奪われた」という気持ちだったのです。緋田は次期医学部長の呼び声が高い実力者。そして交野もまた、外科医としての腕を見込まれているエリート。緋田と交野は当然のように、激しく反発し合いました。
なんとしても緋田に加代との結婚を認めさせたい交野は、叔父であり、医師会の会長を務めている津沼詮造(北村和夫)に相談を持ちかけます。津沼は交野の頼みを聞き入れ、緋田が医学部長のポストを手に入れられるよう、援助することにしました。そうなると、緋田も無理は言えません。こうした裏工作の成功で、交野と加代の結婚話は、うまく進むかに思われました。
しかし交野には心配事がありました。外科医として最も大事な右腕が最近、激しく痛むのです。右腕にできた腫瘍は、良性なのか、悪性なのか。交野も信頼を置く、助手の大石(高岡健二)は自信を持って良性だと告げたが、緋田は悪性だと診断。しかも、この分野で権威のある東京の医師も緋田と同意見だったため、交野は右腕を切断せざるを得なくなります。今村助教授(中尾彬)の執刀で、手術自体は成功。しかし、交野の外科医としての未来は、大きく変わってしまいました。
失望しつつも、強く生きようとしていた交野。そして、彼を支えながら生きていこうと決意した加代。ところが、ある日突然、交野は死体となって発見されます。現場の状況から、米子署の刑事(斉藤真)は自殺の可能性が高いと判断。ただし、加代にはとても信じられませんでした。医師である交野なら、もっと確実に死ねる方法で自殺するはず。最終電車が通った後に、線路に飛び降りるという死に方は、あまりに不自然でした……。
交野の死後、緋田教授は真剣に、加代に対して「医学部長夫人になる気はないか」とプロポーズしてきました。しかし考えてみれば、交野が死ぬ前から、交野の周辺では、おかしなことがたくさん起こっていました。交野が恐れていた女・青木由美(岡江久美子)は、いったい交野とどんな関係だったのでしょうか。そして、良性か悪性かで意見が分かれていた交野の腫瘍は、本当に悪性だったのでしょうか。真相を知りたいと動き始めた加代はやがて、とんでもない事実に突き当たるのでした。
前半でのメインとなる登場人物・交野は、中盤で死亡。後半では、加代と由美という、2人の女性が物語を引っ張っていきます。本作において、絶妙な味を出しているのが、緋田教授役の下元勉さんです。また、今村助教授役の中尾彬さんの役作りもお見事。さらに言えば交野のような人物は普通ならば爽やかな好青年として描かれそうなところですが、本作では、そこにも一捻り、加えられています。冒頭は岡江久美子さんが演じる由美が激しい「怒り」を見せるところから始まるのですが、この由美が後半、どのようにストーリーの中軸に関わってくるのか、といったあたりに注目していただければと思います。
監督は、東宝テレビ部の作品が多かった日高武治さん。1983年は、大きな話題を呼んだ『積木くずし~親と子の200日戦争~』(主演:高部知子/最高視聴率45.3%)や、同じスタッフが手がけた『私は負けない!ガンと闘う少女』(主演:松本伊代)なども担当されており、キャリア的にも絶頂期にあったと言えるでしょう。実力派のスタッフ・キャストによる、骨太なドラマをぜひ、ご堪能ください。
文/伊東叶多(Light Army)
<2月の『Gメン’75』>
2月が初回放送となるエピソードは、第117話から第124話です。第117話「日本降伏32年目の殺人」は、第114話と並行して撮影された長崎ロケ編。第123話&第124話は、誘拐をテーマにしたスケール豊かな前後編となっています。ぜひ、ご期待く
【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年2月】
<放送日時>
『外科病棟の女医』
2月2日(木)23:00~24:40
2月18日(土)20:30~22:10
『盗聴する女』(出演:浅野ゆう子、岡田茉莉子、森次晃嗣ほか)
2月3日(金)13:00~15:00
2月17日(金)13:00~15:00
『空白の実験室』(原作:渡辺淳一/出演:浜木綿子、橋爪功、平泉成ほか)
2月10日(金)13:00~15:00
2月24日(金)13:00~15:00
2023年1月26日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第46回『私は怪魚をみた』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『私は怪魚をみた』をご紹介します。放送日は1981年8月27日でした。主演は丹波哲郎さんと、坂口良子さん。当時の丹波さんのイメージとしては、東映チャンネルでも絶賛、放送中の『Gメン’75』のボス。1981年には、『Gメン’75』も7年目に入っていました(結果的には、これが最終年度となり、1982年の春に終了を迎えます)。そして、坂口良子さんは人気絶頂。生涯の代表作のひとつである『池中玄太80キロ』シリーズは、ちょうどパートⅡが放送中で、8月29日、つまり本作の2日後に、最終回が放送されるというタイミングでした。『池中玄太』は、『Gメン’75』の裏番組。1970年代後半、他局を圧倒する高視聴率を獲得していた『Gメン’75』も、時代が1980年代へと突入したころから人気が落ち着いていきますが、ライバルとなったのは「2時間ドラマ」の『土曜ワイド劇場』や、水谷豊さんの『熱中時代』シリーズ、西田敏行さんの『池中玄太80キロ』シリーズなどの、日本テレビのドラマでした。本作は『Gメン’75』の主演俳優が、ライバルである裏番組のヒロインと、ライバルである「2時間ドラマ」というジャンルで共演した作品、と捉えても面白いでしょう。
そして、もっと面白いのは題材です。ストーリーを紹介していきましょう。
仕事一筋で生きてきて、新興の商社を、財閥系と張り合えるまでに大きくした男・矢杉竜二(丹波哲郎)。常務にまで上り詰めた彼は次期社長と目されていましたが、ある日突然、辞表を提出します。取締役たちも、彼の部下たちも、なぜ矢杉が辞めてしまうのか、理解ができませんでした。
会社を去っていく矢杉に声をかけたのは、女性週刊誌の記者・野中由美(坂口良子)でした。「モーレツビジネスマン」の象徴として、矢杉を密着取材したいと考えていた由美ですが、矢杉が会社を辞めたと聞いて絶句します。いったい、矢杉は何を考えているのか。新しい仕事でも始める気なのでしょうか? 由美は矢杉の「今後」に興味を抱きますが、矢杉は何も話しませんでした。
しかし、意外な場所で矢杉の姿を見かけたことから、由美は本格的に、矢杉の「計画」を調べ始めます。矢杉が接触していたのは、世界的な建築家(仲谷昇)や、石油ビジネスで名を馳せた男(佐藤允)でした。やがて、3人は離島である「浮之島」へ。由美は、これらの状況から、ひとつの仮説を立てます。3人は、新たな石油採掘ビジネスを展開しようとしているのではないか?
ところが、それは全くの的外れでした。浮之島で、何か大きなプロジェクトの「準備」を始めている3人に「突撃」した由美は、矢杉から、彼らがやろうとしていることの全貌を、ついに聞き出します。なんと3人は、島の海岸付近に棲息している巨大魚を釣り上げたいという目的で、私財を投じていたのでした……。
ようやく、タイトルにつながる部分が出てきましたが、そんなわけで、本作は人生で成功を収めた者たちが、新たなチャレンジを行う姿を追ったドラマです。メンバーの「本気度」が伝わってくるのが、彼らがこの計画のために用意した設備の描写。普通の釣り具で戦えるような相手ではもちろんなく、巨大なクレーンが登場します。3人が島へ渡るまでのシーンでは彼らの真剣な「作戦会議」風景が描かれるのですが、画面に映っているのが丹波さん、仲谷さん、佐藤さんなので、やはり重厚感が違うのです。絶妙なるキャスティングだったと言えるでしょう。
周到に準備したにもかかわらず、巨大魚は想像を絶する難敵で、なかなか人間の叡智に屈することはありませんでした。やがて、矢杉以外の2人は諦めて、島を去ってしまいます。しかし、それでもなお諦めない矢杉。由美はいつしか、最初は「取材対象」でしかなかった人物に、自分が想いを寄せ始めていたことに気がつきます。そして、矢杉はそんな由美に、いままで誰にも話したことがなかった、自分の過去について、話し始めるのでした……。
さて、矢杉は巨大魚を釣り上げることができるのでしょうか。また、由美の気持ちは矢杉に通じるのでしょうか。浮之島の上空を飛ぶ、謎のヘリコプターの正体は!?
当コラムの第41回で採り上げた『羆嵐』に続く、「木曜ゴールデンドラマ」の異色作。ひとりの男の生きざまを通して、「人生とは」「幸せとは」といった、壮大なテーマが謳い上げられます。矢杉とは長い付き合いだったクラブのママ役で野際陽子さんが出演しているほか、由美の上司にあたる週刊誌の編集長役で河原崎長一郎さん、浮之島の漁師役で浜村純さんと、助演陣も充実。丹波さん、仲谷さん、野際さんという顔ぶれに『キイハンター』を思い出す方も、きっと多いことでしょう。脚本は、丹波さんも出演した『御用金』(69年)など、五社英雄監督との仕事が印象的な田坂啓さん。監督は新東宝の出身で、国際放映のテレビドラマを中心に長く活躍した高橋繁男さんでした。
最後に……本作の「最大の見どころ」と言えるのは、本編終了後のエンディング映像かもしれません。良くも悪くも物議を醸しそうな、(当時としては)他に類を見ないレア映像となっています。あくまで本編の評価とは別軸で、このエンディング映像についても、ご自身の目で、その「価値」をご判断ください。
文/伊東叶多(Light Army)
<1月の『Gメン’75』>
1月が初回放送となるエピソードは、第109話から第116話です。第105話からメンバーの半数が一新されたGメン。この時期は新メンバーである立花警部補(若林豪)、中屋刑事(伊吹剛)、速水涼子刑事(森マリア)の活躍編がメインとなっています。第114話では長崎ロケも敢行。ホラータッチの第116話「エクソシスト殺人事件」にも注目です。ぜひ、ご期待ください。
【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年1月】
<放送日時>
『私は怪魚をみた』
1月5日(木)11:00~13:00
1月19日(木)11:00~13:00
『震える髪』(脚本:橋本綾/監督:池広一夫/出演:秋吉久美子、篠田三郎ほか)
1月12日(木)11:00~13:00
1月26日(木)11:00~13:00
『現代神秘サスペンス 間違った死に場所』(出演:浅野ゆう子、野際陽子ほか)
1月13日(金)17:00~18:00
2022年12月26日
カテゴリー: その他