その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第28回『三階の魔女』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1989年の『現代神秘サスペンス』作品『三階の魔女』をご紹介します。原作は、当コラムの第20回でご紹介した『花園の迷宮』で江戸川乱歩賞を受賞して小説家デビューした山崎洋子先生。『三階の魔女』は1989年に発表された短編集『三階の魔女』の表題作で、すなわち、発表から間もなく映像化されたということになります。『現代神秘サスペンス』は、この当時、関西テレビが毎年夏(7月クール)に放送していた『現代怪奇サスペンス』(86年)、『現代恐怖サスペンス』(87年)などの流れを汲むシリーズで、『三階の魔女』は第1話を飾っています。ちなみに、一連のシリーズの放送枠は月曜夜10時~の1時間枠。『現代神秘~』と同時期の「月9」ドラマは『同・級・生』(原作:柴門ふみ/脚本:坂元裕二/出演:安田成美、緒形直人ほか)で、裏番組のTBSドラマ『ママハハ・ブギ』(出演:浅野温子、織田裕二ほか)と熾烈な視聴率競争を展開していました。

 

さて『三階の魔女』ですが、1987年の東映京都作品『夜汽車』と同じく、監督:山下耕作&主演:十朱幸代という形で製作されました。さらに遡れば、山下監督は1963年の『関の弥太ッペ』でも、当時20歳の十朱さんをヒロイン役に起用しています。

主人公・川村真琴(十朱幸代)は、働き盛りのフリーカメラマン。若い助手(柳沢慎吾)にテキパキと指示を出しながら、エネルギッシュに仕事をこなす日々でした。

しかし、そんな真琴の人生を一変させる出来事が起こってしまいます。彼女が暮らすマンションの隣の部屋に若い男性が押し入り、主婦の美根子(島村佳江)と赤ん坊を人質にして立てこもったのです。そして、その犯人は、「自分は真琴の恋人だ」と主張していました。真琴自身には全く身に覚えがありませんでしたが、そういえば、このところマンションの様子を窺っている若い男性がいることは確認していました。とはいえ、その男性が犯人なら、真琴は勝手に好意を持たれ、このような大胆な事件を起こされてしまったことになります。真琴の部屋へ強引に上がり込んできた安藤刑事(小林稔侍)は、事件を早い段階で解決しようと、真琴に協力を要請。予想もしていなかった状況に、戸惑う真琴でしたが、犯人はさらに、異様な要求を真琴に突きつけました。なんと、自分と一緒に心中してほしいというのです。

真琴からしてみれば、迷惑この上ない話でした。しかし、このままでは、人質になっている美根子たちが危険です。情報を知ったマスコミも一斉に、この事件に飛びつきました。真琴は完全に“悪役”扱いとなり、プライバシーも猛烈な勢いで暴かれていきます。そして、事態を知って帰宅した美根子の夫・大里照夫(北村総一朗)も、真琴を激しく責めました。やがて真琴は、ある決意を固めます……。

 

1時間ドラマなので、あらすじ紹介はこのへんで。中盤以降、驚愕の「どんでん返し」が待っています。あらすじ紹介では敢えて省略した、冒頭の「ちょっとしたやりとり」を観ていれば、もしかしたら早めに、本作の「オチ」に気がつくかもしれませんが……。

それにしても、本作のコワさは、マスコミが遠慮なく、真琴の個人情報などを晒していくくだりです。もちろん、ドラマゆえの誇張はありますし、現在では、さすがにここまで個人情報が無神経に扱われる可能性は低いでしょう。とはいえ、先日の東京都立川市で発生した事件では、犯人の名前が(未成年ゆえ)伏せられた一方で、被害者の名前だけが何の遠慮もなく発表されたりと、人権に対する考え方という点で、ひじょうにバランスを欠いた報道が(相変わらず!)なされています。『三階の魔女』はミステリとしての面白さだけでなく、ある種の社会風刺という視点も備えている点で、令和の現在における視聴にも、じゅうぶん耐えうるドラマなのではないでしょうか。ともすれば、「暗さ」が作品全体を支配しそうな筋立てではありますが、序盤における真琴と助手の描写がポップで、救いになっていました。出番は少なめながらも、柳沢慎吾さんというキャスティングは成功だったと言えましょう。また、原作での真琴の職業はホステスで、物語の展開上はそのほうが確かに「しっくりくる」のですが、映像化にあたって「カメラマン」と設定したことが、クライマックスで大きな意味を持ちます。この改変は「なるほど」と唸る工夫なので、ぜひ注目してください。

 

それでは、また次回へ。6月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第11回で採り上げた『暗い穴の底で』(脚本:長坂秀佳/監督:天野利彦/出演:近藤正臣、山口果林ほか)、1981年の『傑作推理劇場』より『異人館の遺言書』(出演:フランキー堺、春川ますみ、岡田真澄ほか)、1992年の『不思議サスペンス』より『姿のない尋ね人』(監督:崔洋一/出演:古尾谷雅人、黒田福美、内藤剛志ほか)、1986年の『山村美紗サスペンス』より『死人が夜ピアノを弾く』(脚本・監督:中島貞夫/出演:松方弘樹、松尾嘉代、西田健ほか)が放送されます。これらの作品群も、ぜひご堪能ください。

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『三階の魔女』

6月7日(月)14:00~15:00

6月14日(月)11:00~12:00

6月25日(金)19:00~19:50

 

『暗い穴の底で』

6月22日(火)10:00~11:00

 

『異人館の遺言書』

6月11日(金)14:00~15:00

 

『姿のない尋ね人』

6月15日(火)16:00~17:00

 

『死人が夜ピアノを弾く』

6月11日(金)12:30~14:00

2021年6月6日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! さよなら、美意識を貫いた美しき人 田村正和

未だ解けない緊急事態宣言の中、この方の訃報に触れた。
私にとって正和さまはニヒルな剣士のイメージが強い。
不思議なご縁なのだが、かめぽんは彼の多分初めてであろう舞台と、最後になった舞台を拝見する機会があった。
最初の舞台は子供の頃、正和さまと杉良ファンの母が、知人から招待を受けた舞台に子供の頃の私を連れて行ってくれた。
初めて見る舞台が桟敷、それも眠狂四郎^^;
子供にはもったいない初観劇で、しかもよく覚えていない。
ただ、舞台の上でライトを浴びた正和さまが綺麗だなあと、そんなことを思いながら観ていた。
そして、最後の舞台であった「新・乾いて候 そなたもおなじ野の花か」。
東映チャンネルで今月追悼放映される「乾いて候」を舞台化したものだ。
こちらは正和さま大好きな友人に誘われて行ったのだが、席が花道の横。
それも微妙に端っこで、友人のほか正和さまファンの方々がゲットしてくれた席にしては半端な位置だなと正直そう思ったのだが、舞台が始まってみると、ファン恐るべし、なんと、我々の席の真横の花道で正和さまが立ち止まり台詞を言うのだ。
友人曰く、すっごいいい香りがした…そうである。
舞台の構成を熟知し、少しでもお側にと思うファンの方が取ってくれた席というのはすごいなと実感した。
かめぽん的にはこの舞台、金田龍之介さん、外山高士さん、江幡高志さんがご出演で、それが凄くツボだった。
美しくて、友人に付き合って出待ちをした時に横を通られた正和さまからキラキラのスターオーラが出ていたっけ。
かめぽんの人生を彩ってくれた素敵な思い出をありがとうございました。

202106

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネルもバラエティにとんでおります。
一押しは「一挙放送! 仁義なき戦い」。一挙放送ですよ!続けてみると、同じ俳優さんが違う役をやっていてちょっと混乱しますが、それもまた楽しい。役者さんってすごいな、と素直に感心してしまいます。
怖いもの好きな人は「犬鳴村放送記念 日本のヤバい村」。かめぽん、ホラーは苦手なくせについつい観てしまい後悔するんですよ。海外のスプラッタも怖いですが、日本のホラーはジワジワくる。そのジワジワが本当に怖いので、蒸し暑い夜にぜひ。
「仮面ライダー生誕50周年【昭和ライダー全員集合!】」はかめぽん世代にドンピシャ←死語か?だし、「生誕90年 高倉健特集 Vol.5」は昭和残俠伝を中心に。
時代劇では先月取り上げた橋蔵さんの「紅顔の密使」やかめぽんが大好きだった夏八木勲さんの「牙狼之介」も。
6月もまだ不自由な生活を強いられますが、映像の中で思う存分弾けましょう。
エンターテインメントがあって本当に良かった。映画館も再開して嬉しいぞ。

今月もわくわくな東映チャンネルをお楽しみに。

2021年6月1日 | カテゴリー: かめぽん
かめぽん

チューもく!! 新緑の季節になると、爽やかな花の顔を思い出す。 永遠の若様、大川橋蔵

皐月、1年で一番清々しい季節ですが…
昨年に続き、今年も我慢のゴールデンウィークと相成りました。
毎年この季節、かめぽんは両国のお祭りで力士の方が手ずからよそってくださるちゃんこを食べるのが楽しみでした。
その後は、友人たちとぶらぶら下町散歩。
ある年は清澄白河方面に行ってお洒落なお店をのぞいたり、またある年は柳橋から蔵前に向かい浅草でゴールし、美味しいビールを味わったり。
そんな、毎年の楽しみだったお散歩ツアー、今年もできません。
だけど、今は我慢。
イタリアに住む友人も変異種の流行で、ローマから出られないとか。
みんな、ため息もでるよね…

新緑の季節になるとかめぽんはある方のお顔を思い出します。
若葉のように瑞々しい橋蔵さんのお顔。
今月の東映チャンネルで放映します美しいラブストーリーの「恋や恋なすな恋 4Kリマスター版」や、ちょっとワイルドな「幽霊島の掟」。
「勢揃い東海道」「風流使者 天下無双の剣」など【傑作時代劇スペシャル】枠の5本中4本にご出演。
橋蔵さんの爽やかなお顔で、おうち時間も乗り切りましょう。

202105

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネルもバラエティにとんでおります。
『いのちの停車場』公開記念【吉永小百合特集】。昔、アルバイト先の上司が、吉永小百合さんがいかに美しいかを力説しておりました。
彼曰く、日本人のよいところが集合したお顔だとか。
本当にいつまでもお綺麗。シニアに足を突っ込んだかめぽんも見習わなくては…^^;
仮面ライダー生誕50周年もあるし、生誕90年 高倉健特集 Vol.4は日本侠客伝シリーズを中心に。
なるべく現実を忘れるような破天荒な映画が見たいわ、と思うならぜひぜひ東映チャンネルをチェックしてね。

今月もわくわくな東映チャンネルをお楽しみに。

2021年4月28日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                         第27回『花柳幻舟獄中記Ⅱ』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、前回ご紹介した『花柳幻舟獄中記』の続編にあたる、1985年の『月曜ワイド劇場』作品『花柳幻舟獄中記Ⅱ』をご紹介します。前作の放送は1984年5月でしたが、それから約1年を経て、今回はなんと4月1日という、実質的な「期首特番」扱いとなりました。1984年4月の第1週&第2週には、テレビ朝日開局25周年記念番組として『花も嵐も踏み越えて 女優田中絹代の生涯』前・後編(高橋かおり、秋吉久美子、乙羽信子がリレー形式で田中絹代を演じたドラマで、2週とも3時間枠が用意された)が放送されていたことを考えれば、いかに本作が局側の期待を受けていたか、容易に想像できるでしょう。構成の中島信昭さん、脚本の掛札昌裕さんは前作から続投し、監督のみ、野田幸男さんから森崎東さんに交代しました。森崎監督は松竹出身。後にフリーとなり、1980年代には『時代屋の女房』(83年/主演:渡瀬恒彦、夏目雅子)、『塀の中の懲りない面々』(87年/主演:藤竜也、柳葉敏郎)などを手がけています。2013年の『ペコロスの母に会いに行く』が最後の監督作となりましたが、この作品はキネマ旬報ベスト・テンで日本映画1位に選ばれるなど、高い評価を得ました。2020年7月、惜しくも逝去されています。

 

さて、物語ですが、前作をご覧になった方ならばお分かりのように、『獄中記』にあたる部分は、すでに映像化されていました。そのため、パートⅡとなる今回の副題は『女子刑務所 花の同窓会』。冒頭こそ、前作のラストをなぞる形で(ただし、映像は流用ではなく新撮されています)「仮出獄」までの数日間がダイジェスト的に描かれますが、そこからラストまでは「出所後」のお話となりました。

傷害罪で服役していた舞踊家・花柳幻舟こと川井洋子(花柳幻舟)は、刑期満了前に栃原刑務所(実際は「栃木刑務所」)を仮出獄することになりました。さまざまな思い出が脳裏をよぎりつつも、逞しい幻舟は、この“貴重な経験”を今後の活動に存分に活かしていくことしか考えていませんでした。早速、「出所記念公演」で派手な復帰を果たした幻舟は、そこで自分よりも先に出所していた中野佐代子(萩尾みどり)と再会します。幻舟、佐代子、そして菅野セツ子(奈美悦子)が集まったのは、やはり栃原刑務所での服役経験を持つ女将(園佳也子)が経営する焼き鳥屋「栃原」。しかし、懲りずにまた新たな悪事に手を染めようとしていた者もいて……。

 

全編の大半が「刑務所内」の話だった前作は、やむなく罪を犯した者たちにとって、外の世界よりも、むしろ閉じられた世界である“獄中”での生活のほうが幸せなのかもしれない、という物悲しさがテーマとなっていました。そこから続く物語である本作は、出所後がメインということで、導入部は希望を感じさせるものの、むしろ前作よりも「観ていて辛い」展開が待っています。これは意外というより、前作から一貫したテーマを訴えている本作では「順当」な流れだといえるでしょう。後半、幻舟さんは「前科者」に対する人々の態度の中から、“建前”に隠された“本音”を次々と感じ取っていきます。森崎監督は、こうした人々の様子を敢えて、ちょっと戯画的に演出することにより、おそらく幻舟さんが現実でも直面したであろう「違和感」を際立たせました。ここまで「前科者」サイドに感情移入させてしまう作りは確信的で、さすがに現在のテレビ界では本作のような企画は成立しにくいでしょう(シンプルに考えても、わずか数年前の事件の当事者が自ら「本人」役で主演し、しかも犯罪シーンまで再現するというドラマなど、昨今のように何から何までクレームの対象となるご時世では、そもそもスポンサーがつきづらいはずです)。ただ、それゆえに、本作の存在は極めて貴重なものとなっています。

 

少々「惜しいな」と思ってしまうのは、せっかくの続編にもかかわらず、前作とのつながりが薄い点です。とはいえ、これは今回のように4月、5月と連続して放送されるから感じることであり、本放送当時は、前作の内容を細かく覚えている視聴者など少なかったでしょうから、製作サイドも、そこまでこだわっていなかったのかもしれません。前作から、役柄も含めて続投しているのは幻舟さんの父親役・和崎俊哉さんや、ある理由から出所を極度に拒む赤城ヤエ役の白川和子さん程度。前作では目立っていた刑務所の保安課長役・上月左知子さんは展開上、本作ではほとんど出番がなく、また前作と同じく女囚役ながら、なぜか役名は異なる立石凉子さんのようなパターンもありました。

一方で、期首特番扱いということもあってか、助演陣は全体としてはより豪華になっています。弁当屋で真面目に働き始めた佐代子を見初める、食品会社の専務役には河原崎長一郎さん。「事件」前まで幻舟さんの考え方を支持していた文芸評論家役に仲谷昇さん。そして幻舟さんの元・恋人役には、当時『特捜最前線』にレギュラー出演中だった誠直也さんが扮しています。これに加え、幻舟さんと交流のあった意外な「文化人」たちもカメオ出演。実名で登場し、しっかり「台詞」もありますので、ご注目ください。

 

それでは、また次回へ。5月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、1991年の『水曜グランドロマン』より『別れてのちの恋歌』(監督:井上昭/出演:大竹しのぶ、堤真一、田中邦衛、西田健ほか)、1982年の『火曜サスペンス劇場』より『死の断崖』(監督:工藤栄一/出演:松田優作、夏木マリ、竹田かほりほか)、1993年の『サスペンス・明日の13章』より『変身 もう一人の私』(監督:黒沢直輔/出演:伊藤かずえ、蟹江敬三ほか)、1988年の『京都サスペンス』より『マルゴォの杯』(監督:山下耕作/出演:岩下志麻、奈良岡朋子、石橋蓮司ほか)が放送されます。これらの作品群も、ぜひご堪能ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『花柳幻舟獄中記Ⅱ』

5月7日(金)13:00~15:00

5月22日(土)22:00~24:00

5月28日(金)17:00~19:00

 

『別れてのちの恋歌』

5月7日(金)17:00~19:00

5月21日(金)13:00~15:00

 

『死の断崖』

5月14日(金)13:00~15:00

5月21日(金)17:00~19:00

 

『変身 もう一人の私』

5月7日(金)19:00~20:00

5月14日(金)18:00~19:00

 

『マルゴォの杯』

5月14日(金)17:00~18:00

5月21日(金)19:00~20:00

2021年4月22日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 今回は個人的なことをつぶやきます。 かめぽんの青春そのものだった、大塚康生さん逝去。

3月に追悼でホルスの大冒険を放映してくれた東映チャンネルさん、ありがとう。
大塚康生さんとはHPやこちらでも何度か語ったことがあるかもしれないけど、不思議なご縁がありました。
第一次アニメブームの頃、思い立って同人誌をやろうとして、大好きな大塚康生さんのファンサイト作っていいですか?と、当時こどものわたしはご本人にお手紙を書いた。
そんな小娘のお願いに大塚さんはわざわざお返事をくださり、やんわりとファンサイトは勘弁してね、でも資料ならあげるよと書いてあった。
こどもなわたしはずうずうしくもじゃあ資料ちょうだい、電話番号はここねとまたしてもお手紙した←若気の至りです^^;
それからしばらくして、なんとご本人からお電話が来た。
資料いるならあげるから家まで取りにおいでと。
今風に言えば「マジっすか!」と、テンション上がるかめぽん。
そんな時「この間みたいに大泣きされたら困るからね、ははははは」と大塚さん。
まったく身に覚えがないわたしはとまどい、電話口で大塚さんもそれを察したようだが、ちゃっかりお訪ねする日にちはお約束した。
後日、抱えきれないほどのカリオストロの城のセル画、動画、設定資料、絵コンテなどをいただいたのだが、大塚さん曰く、人違いをしていたらしい。
わたしの手紙が届く前に、某スタジオで仕事をしていた時「コナンのセル画欲しい!」と言ってきた女の子がいたとか。
「ダメだよ、あげられないよ」と言ったら、ぎゃんぎゃん泣き出して、その泣きっぷりがあまりにもすごく印象に残っていたそうだ。
そして、これはかめぽんにとって本当に幸運な偶然なのだけど、その彼女がW市の子で、かめぽんと同じ町。
大塚さんは手紙を見てその子からのものと思い、資料をくださる気になったみたいだった。
「わたしがいただいていいのですか?」とお尋ねしたら、「いいよ。こんな偶然めったにないしね」と。
大塚さんとはその後、ご縁はなかったのだが、ずいぶんと後になって、パルコの展覧会で言葉を交わしたり、また何度かメールでやり取りをさせていただいた。
その時にはかめぽんのことも、資料をくださったこともまったく覚えていないとおっしゃっていたけど。
家にある原画は何点か額装した。
その原画を見ると当時の気持ちが蘇ってくる。
大塚さんのお宅から、資料を抱えながら帰ってきた時のバスの中、本当に、本当に心が躍るようだった。
家に帰って資料を眺めながら、これはあの場面、これは…なんてわくわくしながら種分けしたっけ。
当時、アニメのセル画を自分でも描いていたのだけど←趣味で、その道具を東映動画まで買いに来たなあ。
子供の頃から、大人になってまで、大塚さんの動かす絵が大好きだった。
素晴らしい作品をありがとうございました。

202104

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネルもバラエティにとんでおります。
仮面ライダー生誕50周年【4Kリマスターで甦る!昭和ライダー THE MOVIE Vol.1】。弟がいるかめぽんはもちろん仮面ライダー、リアルで観ておりました。
そして、弟の集めていたライダーカードのおかげで、毎日のおやつがライダースナックという日々も。
あの、ほんのり甘い味、忘れられないなあ…
【生誕90年 高倉健特集 Vol.3】は日本侠客伝シリーズ。
おばあちゃんが任侠モノが好きで、一緒によく映画館に足を運んでました。
我が家は近所の映画館の看板が家に貼ってあり、映画館から定期的に「びら下」をもらい(今でいう招待券)映画は本当によく観たなあ。
洋画も邦画も上映していた映画館だったから、子供らしからぬ作品もけっこう観たし。
そんな昔の映画館のように、時代劇からサスペンス、アニメも大人の作品も、今月もたっぷりお届け。

今月もわくわくな東映チャンネルをお楽しみに。

2021年4月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                第26回『花柳幻舟獄中記』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1984年5月に放送された『月曜ワイド劇場』作品『花柳幻舟獄中記』をご紹介します。

『月曜ワイド劇場』は、1982年の秋から4年間にわたって、テレビ朝日・月曜夜9時~11時(最後の1年間のみ、夜8時~10時に移動)に編成されていた2時間ドラマ枠です。もともと、この枠では1981年の秋から1年間、『ゴールデンワイド劇場』という形で、主に邦画が放送されていましたが、1982年の春以降は新作の2時間ドラマが放送されることも多くなっていき、そのまま『月曜ワイド劇場』へと移行したのです。『ゴールデンワイド劇場』時代の2時間ドラマ作品の中には、山田太一さんが自らの原作を脚本化した名作『終りに見た街』などがありました。

さて『月曜ワイド劇場』ですが、この枠で放送される2時間ドラマは当初より「女のドラマ」などと銘打たれることが多く、打ち出し方として、同じテレビ朝日の2時間ドラマ枠として先行・定着していた『土曜ワイド劇場』との差別化を図った形跡が見られます。さらに細かく傾向を追っていくと、1983年の放送作品には『女囚犯歴簿』『悲しみの交通刑務所』『女子少年院』『女の哀しみの声がきこえる 女囚258号鉄格子の中で出産!』といったタイトルも。『花柳幻舟獄中記』のドラマ化は、こういった作品群が安定した支持を得たことから、実現したものだと考えられるでしょう。

このドラマの原作となったのは、舞踊家・花柳幻舟さんの自伝『夕焼けは哀しみ色』。ドラマ内でも生々しく“再現”されていますが、日本舞踊「花柳流」の名取となった幻舟さんは1960年代の後半から「家元制度」打倒を目指した活動を続け、1980年2月、当時の家元だった花柳壽輔(三代目)を斬りつける事件を起こし、傷害罪で服役することになりました。ドラマでは、同年10月末から翌年4月末までの、約半年間にわたる刑務所生活が、幻舟さんの視点から描かれていきます。ドラマ化にあたっては、東映の劇場作品でも共作歴のある掛札昌裕さんと中島信昭さんが組み、中島さんが構成、掛札さんが脚本としてクレジット。監督は、『不良番長』シリーズで知られる野田幸男さんが務めました。

 

舞踊家・花柳幻舟こと川井洋子(花柳幻舟)は、傷害罪で懲役8ヶ月という判決を受け、告訴することなく、形に服すことになりました。栃原刑務所(実際は「栃木刑務所」)で、幻舟の新たな生活が始まります。刑務所で出会ったのは、強烈な個性を持った女囚たち。幻舟=洋子は「有名人」ゆえ、当初は特に、彼女たちから目の敵にされ、精神的・肉体的に辛い日々を過ごすのでした……。

 

あらすじとしては、ひじょうにシンプルな本作。物語の大半は刑務所内が舞台で、幻舟さんと女囚たちの確執、交流が描かれました。女囚や、刑務所の関係者を演じる女優のみなさんは芸達者揃いで、演技合戦を観ているだけで、全く退屈しません。ネタバレになるかもしれませんが、後半の見どころは、女囚たちが幻舟さんの書いた台本で演じる芝居です。設定ではもちろん、女囚たちは演技の素人ですが、その女囚を演じているのが演技派の女優さんたち(ややこしい……)なので、この「劇中劇」は当然ながら、見応えのあるものになっているのです。

印象的な登場人物を挙げるとキリがありませんが、中でもやはり、中山綾子(殺人罪で無期懲役)役の中原早苗さん、佐々木京子(横領罪)役の宮下順子さん、赤城ヤエ役の白川和子さんといったあたりは出色。この他、出番は少なめですが、花村菊(詐欺罪)役の三條美紀さんもさすがの存在感を示しています。また、作品の性格上、男優陣は少ないのですが、幻舟さんの父親として「現在」と「過去(回想シーン)」に登場した和崎俊哉さんをはじめとして、京子の夫役・島田順司さん、ヤエの情夫役・中田博久さん(当時は『超電子バイオマン』にも悪役でレギュラー出演中でした)といった方々が、まさに「適役」を演じておられますので、どうぞご注目ください。

 

それでは、また次回へ。4月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第10回でご紹介した『百円硬貨』(監督:野田幸男/出演:いしだあゆみ、川地民夫ほか)、1981年の『傑作推理劇場』より『雪の螢』(監督:浦山桐郎/出演:大空眞弓、二宮さよ子、鹿沼えりほか)、1993年の『サスペンス・明日の13章』より『小さな王国』(監督:吉川一義/出演:岩下志麻、草刈正雄、石立鉄男ほか)、1988年の『乱歩賞作家サスペンス』より『罠の中の七面鳥』(監督:崔洋一/出演:浅野ゆう子、古尾谷雅人、相楽晴子、角野卓造ほか)が放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『花柳幻舟獄中記』

4月2日(金)13:00~15:00

4月9日(金)20:00~21:50

4月30日(金)13:00~15:00

 

『百円硬貨』

4月9日(金)14:00~15:00

4月25日(日)13:00~14:00

 

『小さな王国』

4月1日(木)22:00~23:00

4月9日(金)13:00~14:00

 

『雪の螢』

4月1日(木)23:00~23:50

4月23日(金)13:00~14:00

 

『罠の中の七面鳥』

4月2日(金)16:00~17:00

4月23日(金)14:00~15:00

2021年3月22日 | カテゴリー: その他
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