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むちゅー刑事
本名:ヒライズミ
棲息地(勤務地):「警視庁銀座懲怒街警察署刑事課
特徴:映画、ドラマに精通し、旨いメシ旨い酒にうるさい。
好きな言葉:「ドブネズミみたいに美しくなりたい」アーカイブ
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第46回『私は怪魚をみた』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『私は怪魚をみた』をご紹介します。放送日は1981年8月27日でした。主演は丹波哲郎さんと、坂口良子さん。当時の丹波さんのイメージとしては、東映チャンネルでも絶賛、放送中の『Gメン’75』のボス。1981年には、『Gメン’75』も7年目に入っていました(結果的には、これが最終年度となり、1982年の春に終了を迎えます)。そして、坂口良子さんは人気絶頂。生涯の代表作のひとつである『池中玄太80キロ』シリーズは、ちょうどパートⅡが放送中で、8月29日、つまり本作の2日後に、最終回が放送されるというタイミングでした。『池中玄太』は、『Gメン’75』の裏番組。1970年代後半、他局を圧倒する高視聴率を獲得していた『Gメン’75』も、時代が1980年代へと突入したころから人気が落ち着いていきますが、ライバルとなったのは「2時間ドラマ」の『土曜ワイド劇場』や、水谷豊さんの『熱中時代』シリーズ、西田敏行さんの『池中玄太80キロ』シリーズなどの、日本テレビのドラマでした。本作は『Gメン’75』の主演俳優が、ライバルである裏番組のヒロインと、ライバルである「2時間ドラマ」というジャンルで共演した作品、と捉えても面白いでしょう。
そして、もっと面白いのは題材です。ストーリーを紹介していきましょう。
仕事一筋で生きてきて、新興の商社を、財閥系と張り合えるまでに大きくした男・矢杉竜二(丹波哲郎)。常務にまで上り詰めた彼は次期社長と目されていましたが、ある日突然、辞表を提出します。取締役たちも、彼の部下たちも、なぜ矢杉が辞めてしまうのか、理解ができませんでした。
会社を去っていく矢杉に声をかけたのは、女性週刊誌の記者・野中由美(坂口良子)でした。「モーレツビジネスマン」の象徴として、矢杉を密着取材したいと考えていた由美ですが、矢杉が会社を辞めたと聞いて絶句します。いったい、矢杉は何を考えているのか。新しい仕事でも始める気なのでしょうか? 由美は矢杉の「今後」に興味を抱きますが、矢杉は何も話しませんでした。
しかし、意外な場所で矢杉の姿を見かけたことから、由美は本格的に、矢杉の「計画」を調べ始めます。矢杉が接触していたのは、世界的な建築家(仲谷昇)や、石油ビジネスで名を馳せた男(佐藤允)でした。やがて、3人は離島である「浮之島」へ。由美は、これらの状況から、ひとつの仮説を立てます。3人は、新たな石油採掘ビジネスを展開しようとしているのではないか?
ところが、それは全くの的外れでした。浮之島で、何か大きなプロジェクトの「準備」を始めている3人に「突撃」した由美は、矢杉から、彼らがやろうとしていることの全貌を、ついに聞き出します。なんと3人は、島の海岸付近に棲息している巨大魚を釣り上げたいという目的で、私財を投じていたのでした……。
ようやく、タイトルにつながる部分が出てきましたが、そんなわけで、本作は人生で成功を収めた者たちが、新たなチャレンジを行う姿を追ったドラマです。メンバーの「本気度」が伝わってくるのが、彼らがこの計画のために用意した設備の描写。普通の釣り具で戦えるような相手ではもちろんなく、巨大なクレーンが登場します。3人が島へ渡るまでのシーンでは彼らの真剣な「作戦会議」風景が描かれるのですが、画面に映っているのが丹波さん、仲谷さん、佐藤さんなので、やはり重厚感が違うのです。絶妙なるキャスティングだったと言えるでしょう。
周到に準備したにもかかわらず、巨大魚は想像を絶する難敵で、なかなか人間の叡智に屈することはありませんでした。やがて、矢杉以外の2人は諦めて、島を去ってしまいます。しかし、それでもなお諦めない矢杉。由美はいつしか、最初は「取材対象」でしかなかった人物に、自分が想いを寄せ始めていたことに気がつきます。そして、矢杉はそんな由美に、いままで誰にも話したことがなかった、自分の過去について、話し始めるのでした……。
さて、矢杉は巨大魚を釣り上げることができるのでしょうか。また、由美の気持ちは矢杉に通じるのでしょうか。浮之島の上空を飛ぶ、謎のヘリコプターの正体は!?
当コラムの第41回で採り上げた『羆嵐』に続く、「木曜ゴールデンドラマ」の異色作。ひとりの男の生きざまを通して、「人生とは」「幸せとは」といった、壮大なテーマが謳い上げられます。矢杉とは長い付き合いだったクラブのママ役で野際陽子さんが出演しているほか、由美の上司にあたる週刊誌の編集長役で河原崎長一郎さん、浮之島の漁師役で浜村純さんと、助演陣も充実。丹波さん、仲谷さん、野際さんという顔ぶれに『キイハンター』を思い出す方も、きっと多いことでしょう。脚本は、丹波さんも出演した『御用金』(69年)など、五社英雄監督との仕事が印象的な田坂啓さん。監督は新東宝の出身で、国際放映のテレビドラマを中心に長く活躍した高橋繁男さんでした。
最後に……本作の「最大の見どころ」と言えるのは、本編終了後のエンディング映像かもしれません。良くも悪くも物議を醸しそうな、(当時としては)他に類を見ないレア映像となっています。あくまで本編の評価とは別軸で、このエンディング映像についても、ご自身の目で、その「価値」をご判断ください。
文/伊東叶多(Light Army)
<1月の『Gメン’75』>
1月が初回放送となるエピソードは、第109話から第116話です。第105話からメンバーの半数が一新されたGメン。この時期は新メンバーである立花警部補(若林豪)、中屋刑事(伊吹剛)、速水涼子刑事(森マリア)の活躍編がメインとなっています。第114話では長崎ロケも敢行。ホラータッチの第116話「エクソシスト殺人事件」にも注目です。ぜひ、ご期待ください。
【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2023年1月】
<放送日時>
『私は怪魚をみた』
1月5日(木)11:00~13:00
1月19日(木)11:00~13:00
『震える髪』(脚本:橋本綾/監督:池広一夫/出演:秋吉久美子、篠田三郎ほか)
1月12日(木)11:00~13:00
1月26日(木)11:00~13:00
『現代神秘サスペンス 間違った死に場所』(出演:浅野ゆう子、野際陽子ほか)
1月13日(金)17:00~18:00
2022年12月26日
カテゴリー: その他
かめぽん
チューもく!! さよなら、わたしの青春。 ずっと、ずっと、あなたの唄を聞き続けます。
お久しぶりです、かめぽんです。
いろいろあってバタバタと秋が過ぎ、今年もあと半月となりました。
なんか、1年、早いんですが!
そんな師走、衝撃的なニュースが…
アニソン界のレジェンド、水木一郎アニキの訃報が入ってきました。
かめぽん、生でアニソンを聴いたの、水木さんが初めてでした。
忘れもしない高校生の頃、某所の野外ステージ。
アニメージュという専門誌が創刊された第一次アニメブームの頃でした。
水木さんの歌を聴いて、何度元気をいただいたか…
一時洋楽やポップスに走ったかめぽん、年取って戻ってきたのはアニソン、歌謡曲。
水木さんをライブで拝見したのは2015年「日本コロムビアのアニソン50周年ライブ」が最後となりました。
もう7年も前なのね。
もっとたくさんライブに行けばよかった(泣)
東映の作品もたくさん唄ってらっしゃいます。
現在放映されているのは「バビル2世」「仮面ライダー(新)」。
水木さんの唄を一緒に口ずさんで偲ぼうと思う。
アニキ、いままで本当にありがとう。
水木さんの訃報で頭の中はアニソンがこだまするかめぽん。
が、しかし、師走からお正月にかけても楽しい番組は目白押しです。
『マジンガーZ』放送開始50周年 一挙放送! スーパーロボット THE MOVIEを放映中ですが、グレートマジンガーは水木アニキの楽曲。
同じく帝王ささきいさおさんのグレンダイザーやゲッターロボの曲も要チェック。
「東映まんがまつりセレクション 60’s Vol.1」や「宇宙映画特集」など今月はアニメ大充実。
「生誕90年 中村錦之助特集 後編」では師走といえばの「赤穂城断絶」も。
年明けには大型企画「没後20年総力特集 映画監督 深作欣二 Vol.1」もスタート。
深作監督の作品を網羅する大特集をお見逃しなく。
今年の漢字は「戦」。
来年には穏やかで、優しい漢字が選ばれる世の中でありますように。
みなさま、よいお年をお迎えください。
来年もわくわくな東映チャンネル、お楽しみに!
2022年12月14日
カテゴリー: かめぽん