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その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                                                                          第39回『奥多摩殺人渓谷』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1982年の『土曜ワイド劇場』作品より『奥多摩殺人渓谷』をご紹介します。本作の原作は、山岳推理小説で人気のあった太田蘭三先生です。1978年に刊行された「殺意の三面峡谷 渓流釣り殺人事件」が翌年、『土曜ワイド劇場』にて映像化。主人公の釣部(つるべ)渓三郎を緒形拳さん、ヒロインの女子大生・上條アキを、当時20歳だった池上季実子さんが演じました。すでに東映チャンネルにて放送されたので、ご覧になった方も多いでしょう。

『奥多摩殺人渓谷』は、その直接の続編にあたります。第2作まで3年という長い時間が空いたものの、緒形拳さんと池上季実子さんの「再共演」が実現しました。当時、緒形さんは主演映画『野獣刑事』が公開されたばかり。『火曜サスペンス劇場』で長く続いた『名無しの探偵』シリーズのスタートも、この年でした。一方の池上さんは、前作の放送と同時期に公開された『太陽を盗んだ男』以降、映画の出演についてはブランクがあったものの、テレビドラマで大活躍。このコンビは翌年(1983年)の映画『陽暉楼』において、女衒と芸妓の父娘という形でまたまた共演を果たすのですが、『土ワイ』の「釣部」と「アキちゃん」としては、「年の離れたカップル」を、実に爽やかに演じています。

 

前作のラストで渡米した上條アキは、帰国して早々、奥多摩へ山登りに出かけました。しかし運悪く、そこで男性の死体を発見してしまいます。アキは、すぐに警察へ連絡。亡くなった男性は釣り人らしく、落石事故に巻き込まれたものと思われました。死体のそばには、魚籠(釣った魚を入れる容器)が転がっていましたが、魚籠の中に入っていた魚については梅林刑事(穂積隆信)が「ヤマメだ」と言う一方、今西巡査(相馬剛三)は「アマゴです」と主張。このやりとりを聞いたアキは、事件の真相を突き止めるためにも、釣部渓三郎という推理作家に意見を求めたほうが良いと提案します。どうやらアキは、何かの理由をつけて釣部と久しぶりに会いたかったようです。前回の事件にも関わった人物で、釣部とは友達付き合いをしている北多摩署の「サワさん」こと大沢警部(大坂志郎)が、釣部に連絡。釣部はアキと再会を果たしますが、会った途端に釣部とアキは大喧嘩をしてしまいました。機嫌を損ねて、ひとりでさっさと帰ってしまうアキ。釣部は、アキの複雑な心理がつかめず、戸惑うばかりでした。

そんな釣部でしたが、「ヤマメか、アマゴか?」という問題については、アキが想像していた通り、明快な回答を述べます。魚籠に入っていたのはアマゴ。しかし、死体が発見された現場の付近では、アマゴを釣れるはずがない。このことから、本件は事故ではなく、殺人の可能性が高まりました。何者かが、釣り人の事故だと見せかけるべく、現場まで、死体を「運んだ」のです。しかし犯人は、アマゴという手がかりを残してしまっていました。ここから考えられるのは、犯人は釣りの知識があるものの、ヤマメとアマゴの違いまでは見分けられなかった人物、ということになります。

やがて、被害者の身元が判明しました。金融ブローカーで、前科もある高峰という男。大沢警部たちは、亡くなる前の高峰の動きを調べ、「大宝観光」という観光会社に辿り着きました。高峰は、この会社の常務(深江章喜)と秘書課長(黒部進)に接近し、融資の話を持ちかけていたのです。常務たちは、高峰との関係を即座に否定。しかし、「大宝観光」の経営状態が悪化していたことは確かで、大沢警部の中で、疑惑は拭えませんでした。

そんなとき、もうひとつの事件が発生します。アキの友人の郁代(藍とも子)と静子(花條まり)が、奥多摩へ登山に行ったまま、帰ってこないのです。2人と一緒に山へ行き、法事に出席するため先に下山したアキは、責任を感じます。静子の母(月丘千秋)や、静子と結婚することが決まっていた観光会社の社員・船岡(谷隼人)も心配する中、最悪の事態が……。

 

……というわけで、前作では父親(伊豆肇)を殺害されたヒロイン・アキちゃんは、本作では、2人の親友まで失ってしまいます。

そんな状況でも、明るさを失わないのがアキの魅力。寂しさを紛らわせるためなのか、釣部が暮らすマンションへ「押しかけ女房」的にやって来て、料理を作ったり、シャワーを浴びたり……。池上さん(アキ)と緒形さん(釣部)のやりとりが面白く、このキャスティングで第3作以降も観てみたかったと思わせてくれます(翌年の第3作では、近藤正臣さんと斉藤慶子さんが引き継ぎました。その後も林隆三さんや浅野ゆう子さんが出演し、シリーズ自体は第7作、1992年まで続きます)。

なお、第1作に続いて「山岳指導」としてクレジットされているのは、東映の名バイプレーヤーで、本作では巡査役で出演もしている相馬剛三さん。擬斗の遠矢孝信さん(なぜか本作では「考信」とクレジット)は、かつて『宇宙猿人ゴリ』(71年)で、天才科学者・ゴリ博士を演じていたスーツアクターとしても知られています。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

 

<5月の『Gメン’75』>

5月が初回放送となるエピソードは、第39話から第46話。そして、4月末から引き続いて、5月1日(日)~5日(木)の22:00~26:00は、【GWイッキ見!まだ間に合う!『Gメン’75』】。第21話~第40話までが1日に4話ずつ、キャッチアップ放送されます。こちらもぜひ、お楽しみに。

さらに! オリジナル情報番組『ピンスポ!』における、藤田三保子(当時:藤田美保子)さんのスペシャル・インタビューPART2も放送。初代女性Gメン“響圭子”こと藤田さんが語る、鮮烈な撮影エピソードの数々をご堪能ください!

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年5月】

<放送日時>

『奥多摩殺人渓谷』

5月7日(土)20:00~22:00

5月13日(金)11:00~13:00

5月27日(金)13:00~14:50

 

『女の中の風』(脚本:橋本綾/出演:浅野ゆう子、加藤治子、山岡久乃ほか)

5月20日(金)11:00~13:00

 

『別れてのちの恋歌』(監督:井上昭/出演:大竹しのぶ、堤真一、田中邦衛ほか)

5月27日(金)11:00~13:00

 

『死の断崖』(監督:工藤栄一/出演:松田優作、夏木マリほか)

5月17日(火)11:00~12:50

 

『百円硬貨』(原作:松本清張/脚本:橋本綾/監督:野田幸男/主演:いしだあゆみ)

5月25日(水)16:00~17:00

 

『雪の螢』(監督:浦山桐郎/主演:大空眞弓)

5月7日(土)5:00-6:00

 

2022年4月28日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! ゴールデンウィークもエンターテインメント三昧。 おうちでも楽しもう

5月のラインナップをみて、かめぽんが一番に食いついたのは「東映特撮映画の世界」で放映される「飛びだす冒険映画 赤影」。
おばあちゃんと観に行ったのよ、これ!
赤と青のセロファンが張ってある立体めがねをかざしながら、3D(らしき映像)を堪能した思い出の作品。
当時としては画期的だったのだと思う。
わくわくしたし、ものすごく覚えている。
ちょっとめがねをずらすと、イラストのような映像だった。←あくまでもイメージです。
後年、ディズニーランドでキャプテンイオを観たとき、本当に素晴らしい立体映像に感動したんだけど、赤影の立体映像はかめぽんの3D体験の原点。
本当に、本当に楽しい思い出として心に残っている。
今回は残念ながら3D映像では観られないのだが、昔を思い出して立体めがねを手に作品を楽しもうと思う。

202205

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネル硬軟取り混ぜてのラインナップ。
「日本国憲法75年【特集 占領下の日本政治】」も楽しみ。
一時、この特集で流れるような作品を観まくった時期があったのと、「吉田茂」は放映もリアルタイムで視聴した作品。
ぜひ録画して残しておこうと思う。
「名作アニメスペシャル」は大好きな「わんわん忠臣蔵」が4Kリマスター版で観られるし。
任侠映画は「連続放送! 昭和残侠伝」「一挙放送! 緋牡丹博徒 Vol.2」「連続放送! 兄弟仁義 Vol.3」とたっぷり。
もちろん「スーパーヒーロー スペシャル」も「2か月連続企画 銀河鉄道999特集」もあるのでちびっこたちともご一緒に。
ああ、メーテルと鉄郎の旅も終着を迎えるのね…

今年のGWは近場に旅行に行ったり、お買い物に行ったり、少しは日常が戻るといいな。
あとひと踏ん張り。
しんどくなったときは喜怒哀楽が豊富な東映チャンネルの作品でリフレッシュ。

今月もわくわくな東映チャンネル、お楽しみに!

2022年4月28日 | カテゴリー: かめぽん