その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                         第27回『花柳幻舟獄中記Ⅱ』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、前回ご紹介した『花柳幻舟獄中記』の続編にあたる、1985年の『月曜ワイド劇場』作品『花柳幻舟獄中記Ⅱ』をご紹介します。前作の放送は1984年5月でしたが、それから約1年を経て、今回はなんと4月1日という、実質的な「期首特番」扱いとなりました。1984年4月の第1週&第2週には、テレビ朝日開局25周年記念番組として『花も嵐も踏み越えて 女優田中絹代の生涯』前・後編(高橋かおり、秋吉久美子、乙羽信子がリレー形式で田中絹代を演じたドラマで、2週とも3時間枠が用意された)が放送されていたことを考えれば、いかに本作が局側の期待を受けていたか、容易に想像できるでしょう。構成の中島信昭さん、脚本の掛札昌裕さんは前作から続投し、監督のみ、野田幸男さんから森崎東さんに交代しました。森崎監督は松竹出身。後にフリーとなり、1980年代には『時代屋の女房』(83年/主演:渡瀬恒彦、夏目雅子)、『塀の中の懲りない面々』(87年/主演:藤竜也、柳葉敏郎)などを手がけています。2013年の『ペコロスの母に会いに行く』が最後の監督作となりましたが、この作品はキネマ旬報ベスト・テンで日本映画1位に選ばれるなど、高い評価を得ました。2020年7月、惜しくも逝去されています。

 

さて、物語ですが、前作をご覧になった方ならばお分かりのように、『獄中記』にあたる部分は、すでに映像化されていました。そのため、パートⅡとなる今回の副題は『女子刑務所 花の同窓会』。冒頭こそ、前作のラストをなぞる形で(ただし、映像は流用ではなく新撮されています)「仮出獄」までの数日間がダイジェスト的に描かれますが、そこからラストまでは「出所後」のお話となりました。

傷害罪で服役していた舞踊家・花柳幻舟こと川井洋子(花柳幻舟)は、刑期満了前に栃原刑務所(実際は「栃木刑務所」)を仮出獄することになりました。さまざまな思い出が脳裏をよぎりつつも、逞しい幻舟は、この“貴重な経験”を今後の活動に存分に活かしていくことしか考えていませんでした。早速、「出所記念公演」で派手な復帰を果たした幻舟は、そこで自分よりも先に出所していた中野佐代子(萩尾みどり)と再会します。幻舟、佐代子、そして菅野セツ子(奈美悦子)が集まったのは、やはり栃原刑務所での服役経験を持つ女将(園佳也子)が経営する焼き鳥屋「栃原」。しかし、懲りずにまた新たな悪事に手を染めようとしていた者もいて……。

 

全編の大半が「刑務所内」の話だった前作は、やむなく罪を犯した者たちにとって、外の世界よりも、むしろ閉じられた世界である“獄中”での生活のほうが幸せなのかもしれない、という物悲しさがテーマとなっていました。そこから続く物語である本作は、出所後がメインということで、導入部は希望を感じさせるものの、むしろ前作よりも「観ていて辛い」展開が待っています。これは意外というより、前作から一貫したテーマを訴えている本作では「順当」な流れだといえるでしょう。後半、幻舟さんは「前科者」に対する人々の態度の中から、“建前”に隠された“本音”を次々と感じ取っていきます。森崎監督は、こうした人々の様子を敢えて、ちょっと戯画的に演出することにより、おそらく幻舟さんが現実でも直面したであろう「違和感」を際立たせました。ここまで「前科者」サイドに感情移入させてしまう作りは確信的で、さすがに現在のテレビ界では本作のような企画は成立しにくいでしょう(シンプルに考えても、わずか数年前の事件の当事者が自ら「本人」役で主演し、しかも犯罪シーンまで再現するというドラマなど、昨今のように何から何までクレームの対象となるご時世では、そもそもスポンサーがつきづらいはずです)。ただ、それゆえに、本作の存在は極めて貴重なものとなっています。

 

少々「惜しいな」と思ってしまうのは、せっかくの続編にもかかわらず、前作とのつながりが薄い点です。とはいえ、これは今回のように4月、5月と連続して放送されるから感じることであり、本放送当時は、前作の内容を細かく覚えている視聴者など少なかったでしょうから、製作サイドも、そこまでこだわっていなかったのかもしれません。前作から、役柄も含めて続投しているのは幻舟さんの父親役・和崎俊哉さんや、ある理由から出所を極度に拒む赤城ヤエ役の白川和子さん程度。前作では目立っていた刑務所の保安課長役・上月左知子さんは展開上、本作ではほとんど出番がなく、また前作と同じく女囚役ながら、なぜか役名は異なる立石凉子さんのようなパターンもありました。

一方で、期首特番扱いということもあってか、助演陣は全体としてはより豪華になっています。弁当屋で真面目に働き始めた佐代子を見初める、食品会社の専務役には河原崎長一郎さん。「事件」前まで幻舟さんの考え方を支持していた文芸評論家役に仲谷昇さん。そして幻舟さんの元・恋人役には、当時『特捜最前線』にレギュラー出演中だった誠直也さんが扮しています。これに加え、幻舟さんと交流のあった意外な「文化人」たちもカメオ出演。実名で登場し、しっかり「台詞」もありますので、ご注目ください。

 

それでは、また次回へ。5月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、1991年の『水曜グランドロマン』より『別れてのちの恋歌』(監督:井上昭/出演:大竹しのぶ、堤真一、田中邦衛、西田健ほか)、1982年の『火曜サスペンス劇場』より『死の断崖』(監督:工藤栄一/出演:松田優作、夏木マリ、竹田かほりほか)、1993年の『サスペンス・明日の13章』より『変身 もう一人の私』(監督:黒沢直輔/出演:伊藤かずえ、蟹江敬三ほか)、1988年の『京都サスペンス』より『マルゴォの杯』(監督:山下耕作/出演:岩下志麻、奈良岡朋子、石橋蓮司ほか)が放送されます。これらの作品群も、ぜひご堪能ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『花柳幻舟獄中記Ⅱ』

5月7日(金)13:00~15:00

5月22日(土)22:00~24:00

5月28日(金)17:00~19:00

 

『別れてのちの恋歌』

5月7日(金)17:00~19:00

5月21日(金)13:00~15:00

 

『死の断崖』

5月14日(金)13:00~15:00

5月21日(金)17:00~19:00

 

『変身 もう一人の私』

5月7日(金)19:00~20:00

5月14日(金)18:00~19:00

 

『マルゴォの杯』

5月14日(金)17:00~18:00

5月21日(金)19:00~20:00

2021年4月22日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 今回は個人的なことをつぶやきます。 かめぽんの青春そのものだった、大塚康生さん逝去。

3月に追悼でホルスの大冒険を放映してくれた東映チャンネルさん、ありがとう。
大塚康生さんとはHPやこちらでも何度か語ったことがあるかもしれないけど、不思議なご縁がありました。
第一次アニメブームの頃、思い立って同人誌をやろうとして、大好きな大塚康生さんのファンサイト作っていいですか?と、当時こどものわたしはご本人にお手紙を書いた。
そんな小娘のお願いに大塚さんはわざわざお返事をくださり、やんわりとファンサイトは勘弁してね、でも資料ならあげるよと書いてあった。
こどもなわたしはずうずうしくもじゃあ資料ちょうだい、電話番号はここねとまたしてもお手紙した←若気の至りです^^;
それからしばらくして、なんとご本人からお電話が来た。
資料いるならあげるから家まで取りにおいでと。
今風に言えば「マジっすか!」と、テンション上がるかめぽん。
そんな時「この間みたいに大泣きされたら困るからね、ははははは」と大塚さん。
まったく身に覚えがないわたしはとまどい、電話口で大塚さんもそれを察したようだが、ちゃっかりお訪ねする日にちはお約束した。
後日、抱えきれないほどのカリオストロの城のセル画、動画、設定資料、絵コンテなどをいただいたのだが、大塚さん曰く、人違いをしていたらしい。
わたしの手紙が届く前に、某スタジオで仕事をしていた時「コナンのセル画欲しい!」と言ってきた女の子がいたとか。
「ダメだよ、あげられないよ」と言ったら、ぎゃんぎゃん泣き出して、その泣きっぷりがあまりにもすごく印象に残っていたそうだ。
そして、これはかめぽんにとって本当に幸運な偶然なのだけど、その彼女がW市の子で、かめぽんと同じ町。
大塚さんは手紙を見てその子からのものと思い、資料をくださる気になったみたいだった。
「わたしがいただいていいのですか?」とお尋ねしたら、「いいよ。こんな偶然めったにないしね」と。
大塚さんとはその後、ご縁はなかったのだが、ずいぶんと後になって、パルコの展覧会で言葉を交わしたり、また何度かメールでやり取りをさせていただいた。
その時にはかめぽんのことも、資料をくださったこともまったく覚えていないとおっしゃっていたけど。
家にある原画は何点か額装した。
その原画を見ると当時の気持ちが蘇ってくる。
大塚さんのお宅から、資料を抱えながら帰ってきた時のバスの中、本当に、本当に心が躍るようだった。
家に帰って資料を眺めながら、これはあの場面、これは…なんてわくわくしながら種分けしたっけ。
当時、アニメのセル画を自分でも描いていたのだけど←趣味で、その道具を東映動画まで買いに来たなあ。
子供の頃から、大人になってまで、大塚さんの動かす絵が大好きだった。
素晴らしい作品をありがとうございました。

202104

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネルもバラエティにとんでおります。
仮面ライダー生誕50周年【4Kリマスターで甦る!昭和ライダー THE MOVIE Vol.1】。弟がいるかめぽんはもちろん仮面ライダー、リアルで観ておりました。
そして、弟の集めていたライダーカードのおかげで、毎日のおやつがライダースナックという日々も。
あの、ほんのり甘い味、忘れられないなあ…
【生誕90年 高倉健特集 Vol.3】は日本侠客伝シリーズ。
おばあちゃんが任侠モノが好きで、一緒によく映画館に足を運んでました。
我が家は近所の映画館の看板が家に貼ってあり、映画館から定期的に「びら下」をもらい(今でいう招待券)映画は本当によく観たなあ。
洋画も邦画も上映していた映画館だったから、子供らしからぬ作品もけっこう観たし。
そんな昔の映画館のように、時代劇からサスペンス、アニメも大人の作品も、今月もたっぷりお届け。

今月もわくわくな東映チャンネルをお楽しみに。

2021年4月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                第26回『花柳幻舟獄中記』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1984年5月に放送された『月曜ワイド劇場』作品『花柳幻舟獄中記』をご紹介します。

『月曜ワイド劇場』は、1982年の秋から4年間にわたって、テレビ朝日・月曜夜9時~11時(最後の1年間のみ、夜8時~10時に移動)に編成されていた2時間ドラマ枠です。もともと、この枠では1981年の秋から1年間、『ゴールデンワイド劇場』という形で、主に邦画が放送されていましたが、1982年の春以降は新作の2時間ドラマが放送されることも多くなっていき、そのまま『月曜ワイド劇場』へと移行したのです。『ゴールデンワイド劇場』時代の2時間ドラマ作品の中には、山田太一さんが自らの原作を脚本化した名作『終りに見た街』などがありました。

さて『月曜ワイド劇場』ですが、この枠で放送される2時間ドラマは当初より「女のドラマ」などと銘打たれることが多く、打ち出し方として、同じテレビ朝日の2時間ドラマ枠として先行・定着していた『土曜ワイド劇場』との差別化を図った形跡が見られます。さらに細かく傾向を追っていくと、1983年の放送作品には『女囚犯歴簿』『悲しみの交通刑務所』『女子少年院』『女の哀しみの声がきこえる 女囚258号鉄格子の中で出産!』といったタイトルも。『花柳幻舟獄中記』のドラマ化は、こういった作品群が安定した支持を得たことから、実現したものだと考えられるでしょう。

このドラマの原作となったのは、舞踊家・花柳幻舟さんの自伝『夕焼けは哀しみ色』。ドラマ内でも生々しく“再現”されていますが、日本舞踊「花柳流」の名取となった幻舟さんは1960年代の後半から「家元制度」打倒を目指した活動を続け、1980年2月、当時の家元だった花柳壽輔(三代目)を斬りつける事件を起こし、傷害罪で服役することになりました。ドラマでは、同年10月末から翌年4月末までの、約半年間にわたる刑務所生活が、幻舟さんの視点から描かれていきます。ドラマ化にあたっては、東映の劇場作品でも共作歴のある掛札昌裕さんと中島信昭さんが組み、中島さんが構成、掛札さんが脚本としてクレジット。監督は、『不良番長』シリーズで知られる野田幸男さんが務めました。

 

舞踊家・花柳幻舟こと川井洋子(花柳幻舟)は、傷害罪で懲役8ヶ月という判決を受け、告訴することなく、形に服すことになりました。栃原刑務所(実際は「栃木刑務所」)で、幻舟の新たな生活が始まります。刑務所で出会ったのは、強烈な個性を持った女囚たち。幻舟=洋子は「有名人」ゆえ、当初は特に、彼女たちから目の敵にされ、精神的・肉体的に辛い日々を過ごすのでした……。

 

あらすじとしては、ひじょうにシンプルな本作。物語の大半は刑務所内が舞台で、幻舟さんと女囚たちの確執、交流が描かれました。女囚や、刑務所の関係者を演じる女優のみなさんは芸達者揃いで、演技合戦を観ているだけで、全く退屈しません。ネタバレになるかもしれませんが、後半の見どころは、女囚たちが幻舟さんの書いた台本で演じる芝居です。設定ではもちろん、女囚たちは演技の素人ですが、その女囚を演じているのが演技派の女優さんたち(ややこしい……)なので、この「劇中劇」は当然ながら、見応えのあるものになっているのです。

印象的な登場人物を挙げるとキリがありませんが、中でもやはり、中山綾子(殺人罪で無期懲役)役の中原早苗さん、佐々木京子(横領罪)役の宮下順子さん、赤城ヤエ役の白川和子さんといったあたりは出色。この他、出番は少なめですが、花村菊(詐欺罪)役の三條美紀さんもさすがの存在感を示しています。また、作品の性格上、男優陣は少ないのですが、幻舟さんの父親として「現在」と「過去(回想シーン)」に登場した和崎俊哉さんをはじめとして、京子の夫役・島田順司さん、ヤエの情夫役・中田博久さん(当時は『超電子バイオマン』にも悪役でレギュラー出演中でした)といった方々が、まさに「適役」を演じておられますので、どうぞご注目ください。

 

それでは、また次回へ。4月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第10回でご紹介した『百円硬貨』(監督:野田幸男/出演:いしだあゆみ、川地民夫ほか)、1981年の『傑作推理劇場』より『雪の螢』(監督:浦山桐郎/出演:大空眞弓、二宮さよ子、鹿沼えりほか)、1993年の『サスペンス・明日の13章』より『小さな王国』(監督:吉川一義/出演:岩下志麻、草刈正雄、石立鉄男ほか)、1988年の『乱歩賞作家サスペンス』より『罠の中の七面鳥』(監督:崔洋一/出演:浅野ゆう子、古尾谷雅人、相楽晴子、角野卓造ほか)が放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『花柳幻舟獄中記』

4月2日(金)13:00~15:00

4月9日(金)20:00~21:50

4月30日(金)13:00~15:00

 

『百円硬貨』

4月9日(金)14:00~15:00

4月25日(日)13:00~14:00

 

『小さな王国』

4月1日(木)22:00~23:00

4月9日(金)13:00~14:00

 

『雪の螢』

4月1日(木)23:00~23:50

4月23日(金)13:00~14:00

 

『罠の中の七面鳥』

4月2日(金)16:00~17:00

4月23日(金)14:00~15:00

2021年3月22日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 春の宵にミステリーを味わおう。 作家デビュー70周年 松本清張ドラマスペシャル

実はかめぽん、推理小説大好き少女だった。ちょうど学生時代に横溝正史シリーズが復刻し、世は推理小説ブーム。原作もたくさん読んだし、派生してクリスティやクリーンなんぞも読みかじったなあ。
金田一シリーズや、クリスティのスター総出演の映画なんかも観た。ちょうど、松竹さんが松本清張先生の映画を作っていた頃だったのでそれも観た。
だけど、なぜか清張作品だけ原作を読まなかった。家にあった文庫本が古くて、やたら字が小さかったからかもしれない。
その後、かめぽんの推理小説熱は冷め、清張作品を読む機会がないまま時は流れたのだけど。
で、2009年、かめぽんに松本清張先生の小説を時系列にチャート化するお仕事が舞い込んだ。
ライターさんの原稿通りに作るのだが、これが結構複雑で、そこで初めて清張先生の小説を読み始めたのだ。
時系列のチャートを作りながら読むので、内容もバッチリ頭に入るし、面白く読めた上にチャート図もなかなかの出来栄えになった。
お仕事は当初の計画よりも短い巻数で終わってしまったのだが、かめぽんにとって松本清張作品とのよい想い出になっている。
今回の作品は渋目のラインナップのせいか、かめぽんのお仕事で作らなかった作品が数多くある。良い機会なので、作品を視聴し、また原作本を読んでみようかな。
コロナ禍でお家時間はたっぷりある。

202103

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今月の東映チャンネルもバラエティにとんでおります。
北斗の拳実写版って…外国の方が演じたんだ!知らない作品はまだまだあるなあ。これはチェック。
「生誕90年 高倉健特集 Vol.2」は網走番外地に任侠ものと11作品も。
藤純子さんが好きなので「連続放送! 緋牡丹博徒」も楽しみだし、「ザ・スーパーガール」「プレイガール」「ミラクルガール」を見比べるのも楽しそう。
子供の頃、プレイガールにも憧れたなあ。
近所の公園でお散歩がてらのお花見くらいできますように。
皆さんも、くれぐれもご自愛くださいね。

今月もわくわくな東映チャンネルをお楽しみに。

2021年3月2日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第25回『大東京四谷怪談』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1978年9月に放送された「土曜ワイド劇場」作品『大東京四谷怪談』をご紹介します。『土曜ワイド劇場』は、1978年7月から放送2年目に入りましたが、当時はまだ2時間枠ではなく、90分枠での放送でした。8月第3週、第4週には「夏の怪奇シリーズ」と題し、それぞれ『原色の蝶は見ていた 死の匂い』『怪奇!巨大蜘蛛の館』を放送。前者は西村寿行先生の原作で、脚本:山浦弘靖さん、監督:増村保造さんという『ザ・ガードマン』(65年)的な布陣。主演は由美かおるさんが務めました。後者は円谷プロのオリジナル作品で、キャストには小川知子さん、中山仁さんらが名を連ねています。

『大東京四谷怪談』は9月第1週の放送ということで、「夏の怪奇シリーズ」の冠こそ外れたものの、「怪奇シリーズ特選!」と題して放送されました。ちなみに、この時期、裏番組としては、夜9時台は民放各局ともにドラマを放送。日本テレビは水谷豊さん、大竹しのぶさんが主演の『オレの愛妻物語』、フジテレビは田宮二郎さん主演の『白い巨塔』、東京12チャンネル(現:テレビ東京)は里見浩太朗さん主演の『大江戸捜査網』、そしてTBSでは、丹波哲郎さん主演の『Gメン’75』が放送されていました。もし、この日にタイムスリップしたら「全部観たい!」という気持ちになりそうです。1978年なので、ビデオデッキすら、ほとんど普及していない時代ですが……。

さて、この『大東京四谷怪談』ですが、原作は「神津恭介」シリーズなどで知られる高木彬光先生。本作は「墨野隴人(すみの・ろうじん)」シリーズの第3作として1976年に発表された長編作品の映像化ですが、墨野隴人や村田和子といったキャラクターはそのまま登場するものの、原作からは、かなり大胆に改変されています。監督は、『プレイガール』(69~74年)などを経て、当時は『必殺』シリーズなどを手がけていた原田雄一さんが務めました(プロデューサーも『プレイガール』の大久保忠幸さんです)。

 

二宮柳子(富山真沙子)が何者かに暴行されたうえ、惨殺されるという事件が発生してから、1年が経とうとしていました。柳子は38歳でしたが、あまりの恐怖に直面したためか遺体は総白髪になっていました。

高田馬場で探偵事務所を営む村田和子(鰐淵晴子)は、亡くなった夫の親友でもあった清水(西沢利明)から、彼の親戚でもある柳子の殺人事件を調査してほしいという依頼を受けました。殺人事件を担当した経験のない和子は当初、頼れる存在である謎多き名探偵・墨野隴人(三橋達也)の協力を得ようと考えていましたが、あいにく墨野は仕事で海外へ出かけてしまっていました。そこで和子は清水とともに二宮家へ。ところが、まるで和子の到着を待っていたかのように、二宮家に関わる人々が謎の怪死を遂げていきます。最初は、巨漢の運転手(大前均)。そして、二宮家に出入りしていた蝋人形師の伊藤(太刀川寛)、さらには美術商の稲村(天草四郎)まで……。

やがて、清水を通じて和子に調査を依頼してきたのは、柳子の妹(二宮さよ子)であることがわかりました。そして浮かび上がってくる、あの「四谷怪談」との奇妙な類似点。稲村や伊藤が殺されたのは、本当に「お岩さん」の祟りなのでしょうか。そんなとき、二宮家へやってきた新たなお手伝い・竹中糸子(加山麗子)。彼女は、清水がかつて愛した女性・佐久間静子とそっくりでした――。

 

あらすじを細かく読んでくださっている方はそんなにいらっしゃらないだろうと思いつつ、今回は敢えて、時系列などを多少、崩した形で書いてみました。2時間枠の時代よりも尺が短い作品のため、短時間にいろいろなことが起こります。それだけテンポの良い作品なのですが、提示される情報量も多く、観る側はグイグイと引き込まれていくことでしょう。

“怪談”というだけあって、不気味な描写も全編にわたって登場します。実際の冒頭は、柳子が殺害される様子から幕を開けるのですが、さすが“昭和”のドラマだけあって、なかなかエグいです……。

墨野隴人には三橋達也さん、村田和子には鰐淵晴子さんというキャスティング。三橋さんは本作の翌年から『土曜ワイド劇場』では“十津川警部”となるので、ある意味、本作での墨野役はかなりレアだといえるでしょう。また鰐淵さんの和子は(陰惨な事件に直面しているにもかかわらず)ちょっとコミカルな一面を見せており、墨野とも息が合っていたので、このコンビでシリーズ化が実現していたら、けっこう面白くなっていたかもしれません。

本作のクライマックスは、幻想的な演出が印象に残ります。四谷ならぬ新宿を舞台に、錯乱していく真犯人(ネタバレになるため伏せますが、すでにあらすじの中に登場しているので、予想してください)の姿にご注目ください。また、「お岩さん」の声として出演しているのは、当時『魔女っ子チックル』(78年)のチックル、『未来少年コナン』(78年)のモンスリーなどを演じていた、売れっ子声優の吉田理保子さん。劇中、どのタイミングで、どんな形で「お岩さん」が声を発するのかは、観てのお楽しみということで……。

 

それでは、また次回へ。3月の「違いのわかる傑作サスペンス劇場」では本作のほか、当コラムの第9回でご紹介した『消えた男』(監督:堀川弘通/出演:緒形拳、秋吉久美子、中条静夫ほか)、1980年の『傑作推理劇場』より『尊属殺人事件』(出演:辰巳柳太郎、浅茅陽子、浜村純、菅井きん、風見章子ほか)が放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<放送日時>

『大東京四谷怪談』

3月8日(月)13:30~15:00

3月18日(木)21:30~23:00

3月26日(金)18:30~20:00

 

『消えた男』

3月5日(金)14:00~15:00

3月20日(土)12:30~13:30

 

『尊属殺人事件』

3月6日(土)12:30~13:30

2021年2月22日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 雪景色が似合う。 健さんといえば、北の大地。

健さんといえば雪の中に佇む姿を思い出す。なんでだろう?
新幹線大爆破の犯人も、昭和残俠伝の渡世人も大好きな健さんなんだけど、なぜかかめぽんの中の健さんは雪の風景と一体化している。
網走番外地はあまり馴染みがないのだけど、八甲田山や動乱、あるいは他社の映画の印象なのかしら。
雪の中の健さん、絵になるなあ。
さてその健さんも亡くなって久しいが、今月から「生誕90年 高倉健特集」がスタート。
1回目は「網走番外地」特集。
たっぷりと11作品を放映。
雪の中の健さんが堪能できそう。
かめぽんもせっかくなので堪能しようと思う。

202102

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの姪っ子が大好きな「劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』公開記念【映画 セーラームーンスペシャル Vol.2」←かめぽんはアメリカの玩具屋でセーラームーンの人気のすごさを実感した思い出がある、かめぽん世代ならリアルタイムな「キューティーハニー」も特集。
時代劇ではかめぽん大好きなハードボイルドな「忍者狩り」「十一人の侍」が。
先日NHKでリメイクされた「十三人の刺客」に通じる、理不尽な事に一分を貫く男たちが描かれる。
個人的には昭和歌謡が好きなかめぽんの一押しは「夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース」「夜の歌謡シリーズ 長崎ブルース」。
子供の頃、意味もわからずチャララチャラララッラ、あ〜ん、あ〜んと青江三奈さんの真似をしていたっけ。

今年もわくわくな東映チャンネルをよろしくお願いします。

2021年2月1日 | カテゴリー: かめぽん